面接・試験前に抗不安薬を飲んでいい?「落ち着くけど頭が回らなくなる」落とし穴も……賢い活用のコツ

【精神科医が解説】面接や試験など、大事な場面で不安でたまらないとき、抗不安薬は頼れる存在です。しかし、服用には「脳のパフォーマンス低下」という重大な注意点もあります。本番で実力を発揮するために知っておきたい抗不安薬の作用と使い分けのポイント、副作用のリスクについて分かりやすく解説します。

中嶋 泰憲

中嶋 泰憲

メンタルヘルス ガイド

精神科医

慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学先でのカルチャーショックから、自身も精神的な辛さを感じたことを機に、現代人のメンタルヘルスの重要性を悟りました。精神病院の現場から、みなさまの毎日の心の健康管理にお役に立てるよう、メンタルヘルスに関する情報発信を行っていきます。

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面接試験で緊張する人

大事な試験や面接は緊張するもの。「抗不安薬」を服用する効果と注意点とは?

大事な試験や就職活動の面接など、人生を左右するような場面では、大きなストレスを感じて不安になるものです。不安感やストレスが日常生活に支障を来すレベルの場合、精神科的なアプローチが大きな助けになります。

ただし、抗不安薬にはメリットとデメリットがあります。正しく理解して使い分けることが肝心です。注意点も含めて分かりやすく解説します。

抗不安薬とはそもそもどのような薬か……脳を「あえて」スローダウンさせる作用

一般的に「抗不安薬」として処方されるのは、主に「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれるカテゴリの治療薬です。この薬の基本となる薬理作用は、「中枢神経の抑制」です。

簡単に言えば、脳の過剰な興奮を抑え、機能をあえてスローダウンさせることで心の緊張を和らげることができます。不安でパニックになりそうなときに、心強い味方となるのが抗不安薬と言えるでしょう。

面接前の抗不安薬は? 過度な身体症状が予想されるなら、頓服での使用を検討

例えば、面接を受ける際に以下のような「はっきりした困りごと」が予想される場合は、筆者であれば必要なときだけ服用する「頓服」を検討します。
  • 緊張で心臓の動悸が止まらなくなる
  • 滝のような汗が噴き出してくる
  • 頭が真っ白になり、言葉が全く出てこなくなる
ただし、不安症状がそこまで深刻でないなら、無理に抗不安薬に頼らなくてもよいかもしれません。面接官から見れば、応募者が緊張しながらも懸命に答えようとする姿は、「誠実で熱意がある」という好印象につながることも多いからです。

筆記試験前の抗不安薬は? 「頭が回らなくなる」というリスクがあるため要注意!

一方で、高い集中力を要する筆記試験などの場合、抗不安薬の服用は、筆者はおすすめしません。抗不安薬は中枢神経を抑制するため、不安が和らぐのと引き換えに、「頭の回転が鈍くなる」という副作用が出る可能性があるからです。

試験問題を読んでいる最中に強い眠気に襲われたり、ケアレスミスが増えたりして、本来の実力を発揮できなくなる恐れがあります。

また、意外な落とし穴として「筋弛緩作用(筋力の低下)」にも注意が必要です。足元がふらついて階段で転倒するといった、身体的な事故のリスクもゼロではありません。

まとめ:不安に押しつぶされそうなら、あらかじめ専門家へ相談を

もし今、目前のハードルを前に不安で眠れない、あるいは食事が喉を通らないといった状態であれば、一人で抱え込まずに心療内科や精神科で相談してみてください。本番で最高のパフォーマンスを出すのに役立つ可能性があります。
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