男の子は「碧」、女の子は「翠」がトップに(画像出典:PIXTA、以下同)
碧と翠は、色みとしては「青~緑」ですが、世界観は異なります。基本色名の「青・緑」と「碧・翠」の文化的ニュアンスを整理しながら、親が子どもに託す理想や生き方を探ってみたいと思います。
青(セイ・ショウ・あお・あおい)
青の印象
碧(ヘキ・あお・みどり)
碧は、青と緑の境界にある、透明感のある色。色域は青寄りの青緑、または深く澄んだ水色を表します。碧を用いた表現には、碧海(へきかい)、碧空(へきくう)、碧眼(へきがん)などがあります。印象は、澄んでいる、知性と神秘、距離感のある美しさ、静かな気品など。現実より一段上の青緑、理想化された色であり、青系の色がもつ精神性や非日常を象徴します。名前に用いると、孤高さ・美意識・個性派などを連想させます。
緑(リョク・ロク・みどり)
緑の印象
翠(スイ・みどり・かわせみ)
翠は、完成度の高い美しい緑。宝石の翡翠(ひすい)のような深く澄んだ緑を表します。翠を用いた表現には、翠玉(すいぎょく)、翠嵐(すいらん)、翠色(すいしょく)などがあります。印象は、洗練、高級感、成熟、静かな強さなど。選ばれた緑、磨かれた緑といったニュアンスがあり、自然よりも美を連想させます。名前に用いると、完成度・美・選ばれた印象などを表します。「碧=男の子向き」「翠=女の子向き」になる理由は?
「碧=男の子向き」「翠=女の子向き」になる理由
「碧(あお・あおい)」が男の子に多い理由
碧は澄んだ青緑・空や海・遠く広がる世界を意味します。碧空・碧海といった言葉が示すように、外へ開かれた広がりを連想させます。冷静・知性・透明感、感情より理性寄り。日本の名付け感覚では、「外向き・理知的・距離感のある美」は、男の子像に合致します。男性名に多い音域は、「あきら・あお・あきと」。音の印象から受ける印象が「男の子の名前」なので、碧(あお・あおい)は自然に男の子へ流れます。
「クールで賢そう」「感情に振り回されない」「広い視野をもつ」。これは今どきの「理知的で穏やかな男の子像」の理想でもあります。親の無意識が、名付けの性差に影響を与えたと考えられます。
「翠(すい・みどり)」が女の子に多い理由
翠は、翡翠・宝石・美しく完成された緑を意味し、宝石・艶・繊細さ・自然美の象徴を連想させます。美・完成・装飾性は、日本語では女性側に寄りやすい傾向があります。「翠」という字の視覚的イメージは、羽、鳥、宝玉を含み、装飾的で曲線的。見た目がやわらかく、女の子の名前にしっくりします。翠(すい・みどり)は、中性的だけれど女性寄りの音です。
決定的な違いは「未完成か/完成か」
碧は、澄んでいるがどこか遠い・途中。翠は、磨かれた美・完成された存在。日本の名付けでは、男の子はこれから広がり成長することを期待するのに対して、女の子は生まれたときから美しく愛でる存在という無意識の構図が、今もかなり強く残っています。
「逆」にするとどうなる?
女の子に「碧」と名付けるケースは増えており、クール・中性的・芯が強い印象になります。一方、男の子に「翠」と名付けるのはまだ少数派。美意識が高く、繊細で感受性豊かな印象になります。碧も翠もジェンダーレスなので、逆にしても違和感があるわけではないけれど、日本社会の標準的な期待から少し外れるのではないでしょうか。
日本語の美意識、無意識の性別観
赤ちゃんの名付けにも日本語の美意識、無意識の性別観が伺える
このように、赤ちゃんの名付けにも、日本語の美意識、無意識の性別観が伺えます。碧は「広がりと理性の色」。親は男の子に対して「広がっていく存在」であることを期待するので、碧と名付けるケースが多い。一方、翠は「磨かれた美の色」。親にとって女の子は「愛でられる美」であってほしいと願うので、翠と名付けるケースが多い。
参考:
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