ここでいう「いい人」とは、単に親切な人という意味ではありません。頼まれると断れず、人の期待を優先し、自分のことは後回しにしてしまう人。言い換えると、「自己犠牲が当たり前になっている人」「尽くしすぎてしまう人」です。
思いやり深く、人望もありそうなイメージですが、マネーの視点で見ると要注意。なぜなら、こうした行動は知らず知らずのうちに家計の主導権を自分以外に明け渡している状態だからです。
今回は、マネー面から見た「いい人に見せたいがためにやりがちなNG行動」を3つご紹介します。
NG行動1:予算外の「プレゼント・交際費」が固定費化している
いい人すぎる人ほど、記念日や差し入れといった「他人のための支出」が多くなりがちです。本人は「喜んでほしいだけ」と考えていても、家計簿を冷静に見返すと、その支出が貯蓄や将来資金を確実に削っているケースは少なくありません。お金の管理において大切なのは、支出の優先順位を「自分→家族→他人」の順に保つことです。
自分の生活防衛資金すら十分に確保できていない状態で、他人のために予算外の支出を重ねるのは、たとえ目的が善意であっても、家計にとっては「使途不明金」のようなもの。貯蓄ゼロ体質を定着させてしまう原因になっています。
NG行動2:見栄を「器の大きさ」と履き違えた、不透明な支払い
飲み会で多めに払う、部下におごり続ける、親族の冠婚葬祭で相場以上の包みを出す。こうした行動は一見「太っ腹」に見えますが、資産形成の視点で見ると、感情が判断を上回っている状態といえます。背景にあるのは、「ケチだと思われたくない」「自分が出さなければ場が収まらない」といった気持ちかもしれません。しかし、本当にお金を貯められる人は、支出を見栄や雰囲気では決めません。
その場の空気よりも、「自分の立場」「相手との関係性」「家計の予算内かどうか」を冷静に考えたうえで金額を決めています。
ところが、「自分が出すべき」という根拠のない思い込みが強くなると、次のような問題が起こりやすくなります。
・本来は将来のために回すべきお金が流出し、老後資金や積立貯蓄が思うように続かなくなる
・人間関係が「気持ち」ではなく「お金で保つもの」になり、支払わないと関係が成り立たない構図に変わっていく
・万一トラブルが起きたとき、「あれだけ払ったのに」という不満が表面化し、関係が一気に崩れやすくなる
つまりこれは、家計の体力を削りながら、人間関係まで不安定にする支払い方なのです。「支払うべき」ではなく、「その支出は、家計計画に組み込むべきものなのか……」をまずは、考えること。
この視点が欠けると、お金は家計から静かに流出し続けますよ。
NG行動3:お金に「見返りという感情」を乗せ、損得勘定をこじらせる
いい人すぎる人は、「いつも助けてあげているのに、分かってもらえない」と口にしがちです。これは、無意識のうちに「感謝されたい」「大切に扱われたい」という自分勝手な思いを満たすために、お金を払ってしまっているサインです。本来、お金のやりとりにおいて大切なのは、「出すならあげる」「貸すなら戻らなくても困らない金額にする」という明確な割り切りです。
ところが、自分の生活を削ってまで人に尽くしていると、心のどこかで「これだけしたのだから、何か返ってくるはず!」という執着が生まれます。しかし、その期待は相手には伝わりません。
意図した反応が得られなければ不満やむなしさが噴き出し、そのストレスを埋めるための衝動買いなど「コントロール不能な支出」を招きます。お金を「自分の欲求を満たす道具」として使うことは、人間関係を歪ませるだけでなく、家計のパフォーマンスを著しく低下させる要因となります。
「いい人」である前に、自分の家計を「黒字」にする
資産形成に長けた人は、人間関係において適切な「線引き」ができています。自分の家計を黒字で守れているからこそ、他人に対しても真に余裕のある支援ができるのです。財布を開く前に、「これは、将来の自分を削ってまで支払う価値があるものか?」と自問してみましょう。自分を大切に扱い「一生貧乏ルート」から抜け出しましょう!








