亀山早苗の恋愛コラム

カフェデート中、隣のテーブルに挙動不審な女性が。マッチングアプリで知り合った「ヘンな人」

マッチングアプリでの出会いはうまくいく場合もあるが、中にはとんでもない「ヘンな人」もいる。35歳女性は同年代の男性とカフェデートをすることになったが、隣のテーブルに座った女性の態度がおかしいことに気づく。※サムネイル画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

恋愛 ガイド

どうして男女は愛し合うのか、どうして憎み合うのか。出会わなくていい人と出会ってしまい、うまくいきたい人とうまくいかない……。独身同士の恋愛、結婚、婚外恋愛など、日々、取材を重ねつつ男女関係のことを記事や本に書きつづっている。

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マッチングアプリで知り合った相手との「悪夢のようなデート」とは(画像:PIXTA)

マッチングアプリで知り合った相手との「悪夢のようなデート」とは(画像:PIXTA)

結婚する4組に1組が、マッチングアプリでの出会いがきっかけだという。うまくいくケースもあれば、通常なら出会わないような「ヘンな人」に会うこともあるようだ。

隣のテーブルにいたのは……

「知り合って2週間くらいメッセージのやりとりをして、気が合いそうだと思ったので会うことにしたんです。とある繁華街の建物の前で待ち合わせ、カフェにでも行こうかという話になって……」

そう顛末(てんまつ)を語るのはミユさん(35歳)。近くのおしゃれなカフェに座ると、隣のテーブルに年配の女性が一人座るのが目に入った。

注文をすませてそれまでやりとりしたメッセージのことや、互いの趣味などを少しずつ話し始めたとき、隣のテーブルの女性がやけにミユさんを見つめてくるのに気づいた。

「どうしたんだろうと思っていたら、その女性、彼を突くんですよ。あげくの果てに『私、この人の声が嫌い』って。はあ? と思っていたら、『すみません、母がついてきちゃって』ですって。そんなことあります? もうびっくりして思わず立ち上がりました。彼はすがるように『今すぐ帰しますから』と。『いや、無理です』と行こうとしたら、『飲み物代は?』と言われました。頭にきて、千円もしなかったけど千円札を置いて走り去りました。なんだったんだろう、あの男。1年前のできごとですが、いまだに腹が立ちます」

「妙な雰囲気」にゾッ

すぐにそのマッチングアプリはやめ、別のところに登録したそうだ。息子の初デートについてくる親がいるとは、ミユさんも想像できなかったという。メッセージのやりとりをしているときは、爽やかで自分の意見をはっきり言うタイプに思えたのに、自分の見る目がなかったのかとガックリきたそうだ。

「友達に話したら、やたらとウケてましたが、あの妙な雰囲気を思い出すとゾッとします。同世代の男性だったけど、彼が頼んで来てもらったのか、ママが無理矢理ついてきたのか……。でも彼が言わなければ、息子の行動なんて分かりませんよね。それとも何でも逐一、話す親子なのかなとか、いろいろ考えてしまいました」

それ以来、出会う男性には、少し慣れてきたら母親との関係を問うようになったそうだ。それでも会って親しくなり、いざ結婚という話が出てきたころに母親との関係が分かることもあると友人に聞かされ、「どういう判断基準で見ればいいのか分からなくなってきた」とミユさんは頭を抱えている。

兄が見張っていた例も

「僕がマッチングアプリで出会った女性は、デートのたびに兄が見張っていたようです。まったく気づかなかったんですけどね」

シンタロウさん(36歳)が3歳年下の女性に会ったのは半年前。月に数回、デートを重ねるようになった。

「食事をしたり映画に行ったり。いい雰囲気になってきたので、3カ月ほどたったころ、食事をしてから『今日はうちで飲まない?』と言ってみたんです。すると彼女は、『いえ、ダメなの』と。いつならいいか聞いたら、彼女、なぜかキョロキョロしていて。そこへ男が飛び出してきたんです」

最初は美人局だったのかと身構えたのだが、出てきた男に向かって彼女は「お兄ちゃん」と叫んだ。

「家に来いって言われたんだけどと彼女が言い、『うちの妹に何をしようとしてるんだ』と兄がケンカ腰になって。いや、ちょっと待ってください。これは大人同士のつきあいなんですからと言ったら、兄が『妹は誰にも渡さない』と。なんだかヘンでしょう? さっさと逃げましたよ」

どんなに好きでも無理

それまで食事代はシンタロウさんがいつも払っていた。彼女はアルバイトをしているということだったので、自分が払おうと決めたのだ。つきあいが続けば、もちろん結婚も考えていた。

「だけどあんな兄貴がいるなら、絶対に無理。彼女も彼女ですよ。僕とちゃんとつきあって結婚を考えるなら、兄とは離れるべきでしょう。そういえば彼女は幼いころに両親が離婚し、母と兄だけが家族だったのに、その母も病死したと話していたことがあったと思い出しました。それ以来、兄と妹だけで暮らしてきて、特別な情愛があるのかもしれないけど、それなら結婚しようなんて思わなければいいのに」

実はそのとき、シンタロウさんはかなりショックを受けたらしい。それだけ彼女のことが好きだったのだろう。どんなに好きでも、現実として考えれば、あのきょうだい愛にはついていけない。

「男女問わず、30代でも精神的に自立していない人はいますからね。早く分かってよかったじゃないかと友人に言われて、なんとか立ち直りました。友人の紹介で、最近、つきあい始めた女性がいます。やっとあの悪夢から逃れられたところです」

身内がデートについてくる。確かに悪夢かもしれない。
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