そんな100円記念硬貨は、本来であれば未使用品でも数百円程度、高くても1000円ほどの価値がつけばよい方でしょう。しかし、オークションでは異変が起きています。2025年12月13日に開催された第14回レトロコインオークションでは、額面の1350倍となる「13万5000円」で落札されました。一体どのような理由で高額落札となったのでしょうか。
古いコインほど鑑定結果は厳しくなる
13万5000円に大化けした「実際の100円記念硬貨」 ※画像:第14回レトロコインオークション Lot:099 記念貨幣 100円白銅貨 昭和51年 / 1976 保証機関 PCGS 保証ランク MS67(1 / 35)
すでに発行から50年近く経過しているため、69や70といった評価はまずつきません。古いものほど空気に触れることなどで経年劣化しやすく、どうしても鑑定評価は厳しくなるのです。
しかし、今回落札された100円記念硬貨は堂々たる67評価。実は同じ昭和天皇御在位50年記念100円硬貨の中でのトップグレードを誇っています。その結果、13万5000円という高額落札になったと考えられます。
完全未使用品があれば鑑定に出してみては
「そんなトップグレードになるものなんて、家にある同じ100円記念硬貨では無理だろう」と思う人も多いでしょう。とはいえ、PCGSでは昭和天皇御在位50年記念100円硬貨は、数字のつく鑑定に出されたものが35枚しかありません。手で触ったり、ケースなどに入れず裸のまま保管している状態では完全未使用評価はつかないことでしょう。また、水で洗ったり、薬剤できれいに洗浄したり、磨いたりするとそもそも数字の評価がつかなくなってしまいます。発行枚数が7000万枚もあるわりには、鑑定に出されている枚数が少ないのは、こうした理由からかもしれません。
とはいえ、7000万枚あるということは、コインケースなどに入れたまま眠っているお宝もあるように思えてなりません。2025年12月17日時点で、PCGSの鑑定ではトップグレードとなる67評価のものが4枚のみ、66評価が11枚、65評価が12枚、64評価が8枚となっています。もしも67評価がつけば今回のような落札金額となる可能性は大いにあります。
さらに、68評価がつけば、未知なる世界が待っています。グレードが一段階変わるだけで、とてつもなく金額が上がる世界なのです。PCGSなどの鑑定は、通常鑑定を受け付けるコイン商を通じて行います。きれいに大切に保管してあるものが自宅などにある人や、ほかにも古い記念硬貨で完全未使用が見込めるものを持っている人は、ぜひ鑑定にトライしてみてはいかがでしょうか。
<参考>
第14回レトロコインオークション Lot:099 記念貨幣 100円白銅貨 昭和51年 / 1976 保証機関 PCGS 保証ランク MS67(1 / 35)
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