お金持ちが飲まないものって?(画像:PIXTA)
甘いもの好き、お茶好き、コーヒー好き、お酒好き……飲み物の好き嫌いは人それぞれですが、所得階級ごとに違いを調べてみると、ある1つの傾向が浮かびました。
所得が高い人ほど「砂糖入り飲料」を避ける傾向がある
15万人以上を対象にした国際的な研究(1)で、高所得層は砂糖入り飲料の消費が約50%も少ないという結果が出ています。アメリカの疾病対策予防センター(CDC)の調査(2)でも同じ傾向がありました。どうやら、偶然ではなさそうです。
つまり、「お金持ちはジュースを飲まない」傾向がある、ということですね。
砂糖入り飲料は健康に悪いのはいうまでもありません。かくいう筆者も大学生のころは毎日のように炭酸飲料をガブ飲みしていました。
大食いというわけではないのですが、飲み物に大量のカロリーが含まれているので、気付かないうちにおなかはポヨポヨになってしまいました。
もちろん、この話には「お金持ちだから砂糖入り飲料を飲まないのか、それとも砂糖入り飲料を飲まないからお金持ちなのか?」という、順序の問題があります。
なぜお金持ちは甘い飲み物を控えるのか?
経済学者の間では、「お金持ちは将来のことを考えているから、目先の欲求(=ジュース)を我慢して、将来の健康を優先するのではないか?」と考える方もいます。とはいえ、筆者としては「ジュースを飲まないから、お金持ちになる」という説も少しはある気がしていて、おそらく双方向で作用していると考えています。
というのも、砂糖が多く含まれている食事と認知障害のリスクには相関があるというデータがある(3)んですよね。
また、食後に血糖値が急上昇する状態が、心血管リスクの上昇と関連するというデータ(4)もあります。
つまり、ジュースを頻繁に飲む習慣は、健康面だけでなく、仕事のパフォーマンスにも間接的に影響する可能性がある、ということですね。「ジュースを飲まない人が貧乏になりにくくなる」という効果もある気がしています。
とはいえ、「じゃあ甘いもの我慢しなきゃ」ではストレスが溜まります。仕事の合間のカフェラテが癒しだったり、疲れた日のエナジードリンクに助けられたり。
だから筆者は「甘いものを飲んでもよい時間を決める」「それ以外はシュガーフリーのコーヒーや水、お茶に置き換える」のがよいと思います。
ポイントは「やめる」じゃなく「置き換える」こと。そして完全に断つのではなく「頑張ったごほうびにする」ことです。
もちろん、飲み物を減らしたところで、その分、甘いものをたくさん食べてしまえば本末転倒ですが……。
●参考文献
1. Sugar-sweetened beverage consumption and socioeconomic status: A systematic review and meta-analysis
2. SUGARY DRINKS IN AMERICA: WHO'S DRINKING WHAT AND HOW MUCH?
3. The Impact of Free and Added Sugars on Cognitive Function: A Systematic Review and Meta-Analysis
4. Glucose tolerance and cardiovascular mortality: comparison of fasting and 2-hour diagnostic criteria







