節約

コートの寿命は何年? 素材別「寿命のサイン」と“一生モノ”にするためのお手入れ術

コートの寿命は何年なのでしょうか? 一概にはいえませんが、ウールや本革、ダウンや合成皮革など、素材別の「寿命のサイン」と、コートを長持ちさせるための簡単な日々のメンテナンス方法をご紹介します。

矢野 きくの

矢野 きくの

節約・家事・100円ショップ ガイド

食育指導士

家事アドバイザー・節約アドバイザーとして、家事の効率化、家庭でできるSDGsを中心に、テレビ、講演、連載などで活動。 時短家事術、シニア家事のアドバイスをはじめ、「防災士」として家庭での備え、「食育指導士」の資格も持ち食品ロス削減をテーマにした講演など【著書】シンプルライフの節約リスト(講談社)他。

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コート

素材によって寿命が大きく異なるコート

冬の主役であるコートは、決して安い買い物ではありません。“一生モノ”と思って奮発して買ったコートを数年でダメにしてしまう人もいれば、手頃なコートを10年以上美しく着続ける人も。その差は、「寿命のサインを見極める目」と「日々のちょっとしたひと手間」にあります。今回は、素材別の寿命の目安と、お気に入りの一着を長く着続けるための秘けつをご紹介します。

素材別! コートの寿命とサイン

コートの寿命は一般的に3~5年といわれますが、素材によって経年劣化は千差万別です。まずは、お手持ちのコートが寿命のサインを出していないかチェックしてみてください。

▼ウール・カシミヤ(天然素材):寿命10年以上
適切に手入れをすれば長く付き合えるのが、ウールやカシミヤなどの天然素材。その寿命は10年以上ですが、以下のようなサインが出たら手放すときでしょう。

・生地の痩せ:
全体的に生地が薄くなり、重さの割に寒さを感じるようになったら、繊維が摩耗して空気を含めなくなっている証拠です。

・テカリの発生:
お尻や肘など、摩擦が多い部分が鏡のように光ってしまう。これは繊維が押しつぶされて修復不能になった状態です。

・深刻な虫食い:
数カ所の小さな穴なら修理可能ですが、全体に広がっている場合は、保管状況そのものを見直す時期といえるでしょう。

▼ダウンコート:寿命5~10年
軽くて暖かいダウンコートの寿命は5~10年といわれています。以下のようなサインが出たら手放すときです。

・ボリュームの減少:
適切にクリーニングしてもふんわり感が戻らず、保温性が落ちてきたら、中のダウン(羽毛)が油脂の酸化で固まっています。

・羽根の吹き出し:
生地のすき間から羽根が頻繁に飛び出すのは、ダウンを包む袋(ダウンパック)の劣化です。

▼本革(リアルレザー):寿命20年以上
本革のコートは、使い方によっては20年以上もつ優秀な素材です。しかし、以下のサインが出たら手放すときと考えていいでしょう。

・表面(銀面)のひび割れ:
革が硬くなり、表面がパリパリと割れてしまった状態。革は肌と同じで、一度割れると元には戻りません。

・カビの浸食:
繊維の奥深くまでカビの根が入り込み、専門業者でも異臭が取れなくなった場合は、健康面からも手放すべきです。

▼合成皮革(フェイクレザー):寿命3~5年
合成皮革は寿命が比較的短く、3~5年といわれています。そのため、以下のような寿命のサインがすぐに出てきてしまいます。

・ベタつきや剥離:
表面がベタベタしたり、ポロポロと剥がれ落ちたりするのは、「加水分解」という避けられない化学反応です。これは着用頻度に関わらず、製造された瞬間からカウントダウンが始まります。

寿命を延ばすための「日々の3大習慣」

コート

コートは日々のメンテナンスが重要

コートを長持ちさせるコツは、クリーニングに出すことよりも「日々の扱い」にあります。

▼「1日着たら2日休ませる」
同じコートを毎日着るのは、寿命を縮める最大の原因といわれています。繊維は着用中の摩擦や汗の湿気で疲弊してしまうのです。中2日休ませることで繊維に含まれた湿気が抜け、押しつぶされた繊維が空気を含んで元の形に戻ろうとします。

▼帰宅後すぐの「ブラッシング」
外から帰ったら、まずはブラッシングです。

・ウール・カシミヤ:
繊維の奥に入ったホコリをかき出し、毛並みを整えることで毛玉の発生を防ぎます。

・レザー:
柔らかい布で乾拭きし、付着した汚れを落とすだけで、カビのリスクを劇的に下げられます。

▼「厚みのあるハンガー」を絶対条件に
コートの重さを支えるためには、細い針金ハンガーは厳禁です。肩先に厚みがあるハンガー(理想は木製)を使うことで型崩れを防ぎ、美しいシルエットを維持できます。

クリーニングの罠と保管の鉄則

よかれと思って行うクリーニングが、実はコートを痛めているケースもあります。

・出しすぎは「乾燥」の元:
クリーニング溶剤は汚れだけでなく、繊維に必要な「油分」まで奪ってしまうこともあります。基本的にはシーズン終わりに1回で十分です。

・ビニールカバーは“即”外す:
クリーニングから戻ってきた際のビニール袋は、そのままにしておくと湿気がこもり、カビや変色の原因になります。必ず外して、通気性のいい不織布カバーに変えましょう。

・クローゼットに「すき間」を:
ぎゅうぎゅうのクローゼットは、摩擦で毛玉を作り、湿気の温床になります。「拳1つ分のすき間」が、コートの呼吸を助けます。
コートの保管

ぎゅうぎゅう詰めにコートを保管するのは好ましくない

今回は、素材別のコートの寿命とメンテナンスについてご紹介しました。まずは、帰宅した際の「10秒のブラッシング」から始めてみてください。その積み重ねが、5年後、10年後のコートの状態につながります。せっかく買ったお気に入りの1着。節約のためにも、ぜひ長く愛用できるようにしてくださいね。
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