貯金を習慣化するには、まず小さな目標と仕組みづくりが大切です。そこでおすすめしたいのが、「とりあえず6カ月だけ」など短い期間を目標に始められる、ゆうちょ銀行の「自動積立定額貯金」です。
今回は、「自動積立定額貯金」の仕組みと特徴を解説し、あわせて2025年12月時点の金利に基づき、毎月1万円を5年間預けた場合の元利合計額も見てみましょう。
「自動積立定額貯金」の仕組みと特徴
ゆうちょ銀行では、一般的な銀行とは少し違う名称を金融商品に使っています。・「通常貯金」=普通預金のこと
給料が振り込まれたり、生活費の出し入れをしたりする、いつものお財布口座です。
・「定額貯金」=ゆうちょ版の積立型の貯蓄商品
半年複利で利息がつき、6カ月たてば自由に引き出せる貯金箱のような存在です。
●自動積立定額貯金とは?
イメージとしては、通常貯金(お財布)から、定額貯金(貯蓄ボックス)へ、毎月コツコツ自動でお金を移してくれる仕組みです。
「気付いたらお金が貯まっていた!」という状態を作りやすい貯め方で、貯金が苦手な人ほど相性がよいサービスです。
自動積立の主な特徴をまとめると次のとおりです。
【預け方(積み立ての期間)】
・毎月の積立(月1回)と、必要があれば特別な月(年6回まで)に追加積立も可能。
・積立は最長6年間・最大108回まで設定できます。
【金利・計算方法】
・金利は半年複利で計算されます。
複利は、元金についた利息を含めて利息が計算されます。コツコツ型の積立と相性がよい仕組みです。
【引き出し方法】
・預けた日から6カ月が過ぎれば、いつでも払い出しができます(ペナルティーなし)。急な出費があっても安心です。
【1回の積立金額】
1000円以上(1000円単位)で自由に設定できます。
自動積立定額貯金に毎月1万円ずつ5年預けてみたら?
自動積立定額貯金に、以下の条件で積み立てた場合の利息を計算してみましょう。・毎月積立額:1万円
・金利:0.320%(2025年12月時点)
・積立期間:5年(60カ月)
・利息計算方法:半年複利
●シミュレーション結果
・積立の元利合計額:60万3882円(税引後)
なお、利息からは一律20.315%の税金が引かれます。
自動積立定額貯金の金利は高いとは言えず、5年後の利息も大きくありません。しかし、「積み立てるお金が減らない」「自動で貯まる」という点は強みです。
参照:自動積立定額貯金 ゆうちょ銀行
積立額の理想的な目安は「生活スタイル」で決まる
初めて貯金にチャレンジするとき、「毎月いくら積み立てればいいの?」と迷う方は多いでしょう。積立額の目安は、実は住居費の負担によって大きく変わります。一般的に、賃貸暮らしや住宅ローンがある方は住居費が重いため、まずは手取りの「2割」を目標にするのが現実的です。
一方、実家暮らしの方は家賃がかからない分、生活費が抑えられるので、手取りの「4割」から余裕があれば「5割」を貯金に回すことで、将来の資産形成が一気に進みます。
とはいえ、「その割合は今の自分にはちょっと無理かも……」と感じる方もいるでしょう。そんなときに思い出してほしいのが、ゆうちょ銀行の「自動積立定額貯金」の特徴です。この商品は、預入日から6カ月たてば必要に応じて引き出せる仕組みになっています。
このため、あえて「少し厳しいかな?」と思う金額設定でも、いざというときに引き出せるという安心感があり、無理なく挑戦できます。少し背伸びした金額が習慣として根付けば、自然と「貯金体質」になっていくはずです。
まずは6カ月、続けてみましょう。振り返ったとき、「意外と貯金できる自分になっていた!」と驚くかもしれません。








