男のこだわりグッズ

「こんなに進化しているのか!」大きなグリッターが輝くぺんてる「デュアルメタリック」に驚いた理由

ぺんてるの「デュアルメタリック」は、これまでにない大きなグリッターが入っているのに書き味は滑らかなゲルインクボールペンです。しかも、インク色とラメの色の組み合わせで、さまざまな光を見せてくれます。新しい筆記具とも言えそうな製品の開発ストーリーをぺんてるに取材しました。

納富 廉邦

納富 廉邦

男のこだわりグッズ ガイド

「おとなのOFF」「日経トレンディ」「グッとくる文房具」「GetNavi」「夕刊フジ」などの雑誌をはじめ、書籍、ネットなど、さまざまな媒体で、文具などのグッズ選びや、いまおすすめのモノについて執筆。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方、選び方をお伝えします。

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デュアルメタリック製品写真

ぺんてる「デュアルメタリック」各253円(税込)。ボール径:1.0mm、色は左から(インク色+グリッター色)、ブラック+メタリックレッド、ブルー+メタリックグリーン、グリーン+メタリックブルー、オレンジ+メタリックイエロー、ピンク+メタリックピンク、バイオレット+メタリックブルー、シルバー、ターコイズグリーン+メタリックレッド&グリーン、ライトグリーン+メタリックブルー&レッド、ブルーグレー+メタリックブルー&シルバー、ライトピンク+メタリックグリーン&ゴールド、ライトバイオレット+メタリックレッド&ブルー、シルバー+メタリックコッパ―&グリーン、ゴールドの全14種

インクにラメなどが入っていて、書いた線がキラキラと光るペンは、かなり昔から販売されているのですが、なんとなく10年とか15年の単位でブームがやってきている印象があります。その都度、新しいと驚く人と、懐かしいと思う人がいて、しかし商品は新しいアイデアや技術によって進化しつつ、ずっと販売され続けているのです。

キラキラ入りボールペンは静かに進化を続けている

幾度かの限定販売を経て、ついにレギュラー商品として発売されたぺんてるの「デュアルメタリック」は、キラキラの粒子入りインクのペンとしてはかなり画期的な製品なのですが、それが分かるのは、普段からラメ入りインクなどに関心がある人、つまり実際にキラキラ光る筆跡を利用しているユーザーくらいではないでしょうか。筆者も、実際に書いてみて「こんなに進化しているのか!」と驚いた一人です。
デュアルメタリックの筆跡拡大写真

デュアルメタリックで書いた文字の拡大写真。グリッターの粒の大きさは分かると思う。輝きについては写真には写らないので、実物を試してください

何が驚いたかというと、まず、入っているキラキラの粒子の大きさです。かつてのラメ入りインクといえば、小さな粒子(ラメ)がインクに混ざっているという感じでした。

ところが「デュアルメタリック」は、まるでキラキラする石が入っているようにハッキリと粒が光っているのです。しかも、そんな大きな粒(グリッター)が入っているのに、書き心地はスルスルと、普通のゲルインクボールペンと変わらないスムーズさなのです。

「このインクの技術で一番難しかったのが、大粒のグリッターを配合することでした。通常のラメ入りボールペンの粒子より大きいグリッターを使うことにこだわっていて、輝度も高く見えていると思うんです。それを実現するために大粒のグリッターを保持する技術を、弊社の技術や開発、企画のチームで、新しく開発しました。リフィルの中で粒子が偏ったり沈殿したりしないようにするために、ムラなく保持するゲルの技術が必要なんです」と、開発のポイントを話してくださったのは、「デュアルメタリック」の企画を担当された、ぺんてる株式会社商品企画課の髙井晴佳さん。

インク色+グリッターの色の組み合わせで、複雑な色と光を実現

白バック黒バックの筆跡変化

不透明のゲルインクボールペンなので、黒地でもハッキリ発色。背景の色によっても光り方や色の見え方が変わる

写真では分かりにくいため、ぜひ実際に書いて確かめてほしいのですが、本当にキラキラの粒子入りインクの常識を変えるような大きさのグリッターが入っています。

しかも、グリッター自体にも彩色が施されていて、インクの色とグリッターの色の相乗作用で、キラキラ光る色合いがさまざま。見る角度によっても色が変わるので、単にキラキラするインクというイメージとは全く違うのです。

「新しく、面白い素材はないか技術担当者が探していた時に、大きい粒子のグリッターにたまたま出会い、それを使いたいというのが企画の始まりだったようです。技術者から企画が上がってきた後、製品作りを始めたため、インクも最大限大きなグリッターが入るように設計しています」と高井さん。

その大きなグリッターを製品で生かすための工夫の1つが、インク色とグリッターの色の組み合わせです。

「グリッターの色は本当にいろいろな種類があり、どれもとてもきれいな色なので、全て使いたいと考えました。そこから、ベースとなるインク色をどれにするか決めていったのですが、ベースとグリッターの色を同じ系統で合わせるのもよかったのですが、違うもの同士の掛け合わせも面白かったため、結局パターンを固定せずに、いくつもの組み合わせを用意して製品化しました。ゴールドはベースが黄色でグリッターの色も黄色なのですが、緑やブルーでは、グリッターとベースの色がだいぶ違うんです。グリッターが一番面白く見える状態やきれいに見える状態に合わせて、組み合わせを考えています」と髙井さん。

1つのインクの中に2種類の色のグリッターを入れる色へのこだわり

3種類のセットがある

ベーシックな色をそろえた「オリジナル7色セット」、1本のペンに2種類のグリッターを入れるなど、より大きな変化を楽しめる「ファンタジー7色セット」、全14色の「オリジナル+ファンタジーセット」も用意されている

グリッターが大きいからこそ、色の組み合わせによる変化も目立つということなのでしょう。その上で、同じ色の組み合わせと、違う色の組み合わせの両方を製品化して、さらにバリエーションを広げているというわけです。

セット売りの製品として、ベーシックな「オリジナル7色セット」と、グリッターが2色入ってインクと合わせて3色になっている「ファンタジー7色セット」の2種類を用意し、さらに色だけでなく見え方のバリエーションも提示しています。色の組み合わせは相当考えたと髙井さん。

「ベースの色はこれがいいなと理想はありつつ、あまりにもオーソドックスな色にしてしまうと面白さに欠けてしまうこともあります。とはいえ、一般的な色にしたほうがきれいに見える場合もあったりするので、さまざまバージョンを試した上で、一番いい組み合わせに決定していきました。グリッターだけでなくインクの色を作るときも、毎回細かくテストをし、チームで打ち合わせを重ねて、“どの彩度が一番このコンセプトに合っているか”といった視点で選んでいます」

装飾的に使うだけでなく、メインの筆記具としても使えるグリッターペンを

太い筆跡

同じぺんてるのゲルインクボールペン「エナージェル」のように、たっぷりインクが出ている様子が拡大してみるとよく分かる。滑らかな書き味の秘密も、このインクフローのよさにある

このようなグリッターやラメ入りのボールペンは、基本的にカラーペンの延長にあって、メインのユーザーは学生なのだそうです。ですから、価格を抑えなければならないという制約はより厳しくなります。

その中で、最大限に贅沢な仕様でつくられていて、「このペンを使ったユーザーさんの毎日も輝いてほしい」という想いを込めて、製品のコピーを「主役級のかがやき」としたのだそうです。実際に使ってみると、装飾的に使うというより、もっと積極的に使えるボールペンになっているという印象があります。

「単にキラキラインクのペンというカテゴリに入れてしまうと、他社の製品と同じ、似ていると思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、インクの染料と入れているグリッターの色、角度や筆記の仕方でそれぞれ見え方が変わるといったことは、実際に書いてもらわないと分かりません。グリッターの大きさもどうしても写真では差が分かりにくいので、まず試していただきたいです。『とびきり輝いている!』それが伝わるといいなと思います」という髙井さんの言葉には、製品への自信が感じられます。
パッケージのミニチュアが作れる

セットのパッケージの中紙を切り抜いて組み立てると、パッケージのミニチュアが作れるなど、パッケージデザインも細部まで考えられている

実際に書いてみるとすぐに分かるのですが、このペンの筆跡は相当目立ちます。それこそ「主役級」です。なので、例えばマーカーペンや赤ペンの代わりに目立たせたい文字を書くとか、ボール径1mmという太さを利用して、郵便物の宛名書きに使う。また、濃い色のインクのものを選んで伝言メモ用に使うなど、大人の男性も使えると感じます。通販で本を販売している筆者は、その宛名書きに「デュアルメタリック」のインク色「ブラック+メタリックレッド」を使っています。

もちろん、派手なグリッター入りのペンとして装飾に使ったり、きれいなノートや手帳作りに使うことで、今まで以上に表現に幅が生まれる製品なのですが、新しいタイプの「目立たせるためのペン」として捉えてみるのも面白い、そういう画期的な製品ではないでしょうか。
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