人間関係

不倫した夫を許す方法とは? 離婚せずに「自分の心を癒す」ためのステップ

夫に不倫された。許したいと思うけれど、夫婦関係を再構築できずにいる。そんなときはどうしたらいいのでしょうか。離婚を選ばず、「相手を許す」ための方法をご紹介します。※サムネイル画像:PIXTA

ひかり

ひかり

恋愛・人間関係 ガイド

コラムニスト。夕刊フジでコラム連載をきっかけにコラムニストに。数々のメディアでコラムを掲載している。著書に「“子供おばさん”にならない、幸せな生き方」(ステップモア)、書籍『愛される人の境界線 -「子供おばさん」から「大人女子」に変わる方法』(KADOKAWA/中経出版)など。

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あなたは不倫したパートナーを許すことができますか?(画像:PIXTA)

あなたは不倫したパートナーを許すことができますか?(画像:PIXTA)

「サレ妻」「サレ夫」などの言葉が流行っていますが、誰でも信じていたパートナーに不倫されたらショックなもの。自分を裏切った夫(妻)を許すためには、どうしたらいいのでしょうか?
<目次>

不倫の“度合い”は一律ではない

まず、前提として、一言で「不倫」といっても、シタ夫(妻)の心情にはさまざまなケースがあるのを理解することは大切です。

例えば、下記のようなケースがあります。

(1)一時的な性的欲求で体の関係を持った
(2)寂しさやストレスのはけ口として他の人に癒しを求めた
(3)本気で他の女性(男性)を愛してしまった


(1)(2)のように、夫(妻)が一時的な気の迷いで肉体的な関係を持っただけなら、“欲望に負けた”というレベルの話。「浮気」だと言っていいでしょう。もちろん、許せないと感じるのは当然ですが、「性行為に対して、どこまで重きをおくのか」によっても、受け止め方は変わります。

ある人にとっては「体の関係=愛の証」でも、別の人にとっては「性行為は一時的な欲求」かもしれません。人によっては、「大した行為ではない」と思うから、不倫ができてしまうこともあるのです。

(3)の場合は、「浮気」とは言い難いものですし、夫婦関係に深刻な問題をもたらします。でも、夫(妻)を大切に思い、日々、気を付けていても、時として他の人を好きになってしまうことはあるもの。「恋は落ちるもの」だと言いますしね。

だから、「パートナーに対する裏切りなのか」というと、結婚していても、「心(ハート)までは縛れない」というのが現実。とはいえ、好きになっても肉体関係を持つかどうかは、「理性があるかの話」ではありますが。

現在は「不倫相手との関係が終わっている」なら、結局、夫(妻)は、あなたとの生活を一番大事にしているということ。このまま関係を続けたければ、許すしかないでしょう。

「許す」ことの誤解

「不倫をした夫(妻)を許す」というと、何事もなかったように水に流し、また仲よく生活を続けることだと思いがちですが、そうとも言えません。

例えば、(3)のように、本気の相手がいて現在進行中の場合は、“本当の意味”で夫(妻)を許すというのは、むしろ「別れてあげること」かもしれません。逆を言えば、「不倫したことは忘れるから、これまで通り生活を続けましょう」と提案する方が、相手を許していないことにつながる場合もあるのです。

また「許す=もう一度信じる」ことでもありません。欲望に弱い夫(妻)が、あなたに怒られたからと言って、その日から理性的な人間に生まれ変わるのかというと、その人の本質や心の強さによっても違います。

つまり、「夫(妻)は、“欲望に弱い人”である(心が成熟しきれていない)」と理解し、その上で関係を築いていくことが、“現実的な意味での許し”なのです。

さらに言うと、「許す」のは、相手のため以上に、“自分のため”である必要があります。おそらく、相手のためだけに許そうとしても難しいことは多い。

例えば、夫婦間で何かトラブルが起こると、過去に不倫されたことを引き合いに出して、「やっぱりあなたは!」と責めがち。それは、まだ自分の心が癒されていないからです。

「自分のために許す」とは、“自分の心を縛っている痛みを解放する”こと。極端なことを言うと、「相手を許しても、離婚してもいい」のです。「許す=関係を元に戻すこと」ではありません。
“相手の愚かな行為そのもの”は許すけど(ずっと怒り続けることはしないけど)、これから先、自分の幸せを考えたら、そんな不倫しやすい人と一緒に生きていくのかどうかは、別の話なのです。

不倫夫(妻)ともう一度、やり直すには?

それでは、夫(妻)が不倫したことを反省していて、自分も「もう一度、やり直したい」と心から願っている場合は、どうしたらいいのでしょうか。

先ほども言いましたが、まず大事なのは、「自分の心を癒すこと」です。そのためにも「何に傷ついているのか」を深く見つめることが大切。「自分を軽く扱われたような気がしてつらかった」のか、「夫(妻)の誠実さが欠けている本質に気づいたから傷ついた」のかなど、本音と向き合う必要があります。

さらに、客観的な視点を持つことが大切。たとえ「自分を軽く扱われたような気がしてつらかった」のだとしても、夫(妻)にとって愛のない性行為は、“排せつ行為(欲求の解消)”と変わらない感覚であるということも。

その場合は、本人には大して裏切ったという自覚がない場合もあります。つまり、「軽く扱われているわけでもない」のです。

「夫(妻)の誠実さが欠けている本質に気づいたから傷ついた」場合は、そもそも“あなたが思っているような理想的な夫(妻)”は、存在していなかったということでもあります。

人はいろいろな顔を持っています。もし関係を続けるなら、“本当の相手”をよく理解した上で今後も関係を続けていくのかどうか、考えていく必要があるのです。場合によっては、今後も不倫される可能性はありますしね。

「本当の愛」と「自分のための許し方」を考える

愛するとは、「“ありのままの相手”を受け止め、成長を願うこと」です。そこまでの深い愛を夫(妻)に抱ける人は、不倫という出来事を乗り越えられることは多いでしょう。

ただし、誰もがみな、相手だけでなく、自分自身のこともきちんと愛した方がいい。単に、自己犠牲精神で無理をして不誠実な相手との関係を維持する必要はありません。

「“ありのままの自分”を受け止め、成長を願う」場合、どんな選択をするのか、それをよく考えた方がいいでしょう。

不倫した配偶者を責め続けても、逆に本心にうそをついて無理やり許しても、いいことはありません。自分の心に折り合いをつけ、自分にとっての「許し方」は何かを考えることが大切なのでしょうね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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