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一瞬偽物と勘違いするかも!? 50円玉が「44万円」に大化け! “本来あるはずのものがない”珍品とは?

2025年10月18日と19日に入札が締め切られた第42回AWオークションで、昭和50年の50円玉が44万円で落札されました。その50円玉は本来あるはずのものがないエラーコインです。一体どのようなものなのでしょうか。※画像:Shutterstock.com(画像はイメージ)

伊藤 亮太

伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナー ガイド

ファイナンシャルプランナー(CFP®)

慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了。その後証券会社にて、営業、経営企画部門等を経て、独立系FP会社「スキラージャパン株式会社」設立。ファイナンシャル・プランナーとして、家計簿診断などのライフプランニング、資産運用、保険の見直しなどの相談を行う。執筆・講演も金融機関をはじめ多岐に渡る。

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この50円玉にはあるけれど、今回オークションで落札されたものにはなかった…… ※画像:Shutterstock.com(画像はイメージ)

この50円玉にはあるけれど、今回オークションで落札されたものにはなかった…… ※画像:Shutterstock.com(画像はイメージ)

一瞬偽物と勘違いしてしまうかも? そんな50円玉が2025年10月18日と19日に入札が締め切られた第42回AWオークションで、44万円(手数料込みで48万8400円)で落札されました。

現行の50円玉が額面の8800倍に化けたのです。実際にこの50円玉が市場に流通した可能性があると考えると不思議でなりません。では、具体的にどのような50円玉なのか確認していきましょう。

本来あるはずのものがない

44万円で落札された「実際の50円玉」(表面) ※画像:第42回AWオークション Lot.155 PCGS-Mint Error"Unpunched Center Hole"MS64 日本 五十円白銅貨 50Yen(Cupronickel) 昭和50年(1975) UNC+

44万円で落札された「実際の50円玉」(表面) ※画像:第42回AWオークション Lot.155 PCGS-Mint Error"Unpunched Center Hole"MS64 日本 五十円白銅貨 50Yen(Cupronickel) 昭和50年(1975) UNC+

「まさか! 穴が開いていない!?」今回落札された昭和50年の50円玉は、本来中心に開いているはずの穴が開いていません。ふさがっています。これはいわゆる“穴ナシエラー”と呼ばれる珍品です。製造時に発生した何らかのミスで穴が開けられずに流出してしまったものです。

これを偽物と疑う人もいるかもしれません。しかし、れっきとした本物の50円玉です。穴が中心からずれたところに開いている“穴ズレエラー”も珍品ですが、そもそも穴が開いていないのもかなりの珍品なのです。

製造時の技術的な問題なのかもしれませんが、昭和50年代の50円玉にはこうした穴ナシや穴ズレのエラーがかなり見つかっています。落札された逸品は、市場で出回った直後か、少しばかり流通して発見されたものの1つだと思われます。
44万円で落札された「実際の50円玉」。貨幣の鑑定機関PCGSよりMint Error(貨幣を製造する過程で発生したミス)とお墨付きを得ています ※画像:第42回AWオークション Lot.155 PCGS-Mint Error"Unpunched Center Hole"MS64 日本 五十円白銅貨 50Yen(Cupronickel) 昭和50年(1975) UNC+

44万円で落札された「実際の50円玉」。貨幣の鑑定機関PCGSよりMint Error(貨幣を製造する過程で発生したミス)とお墨付きを得ています ※画像:第42回AWオークション Lot.155 PCGS-Mint Error"Unpunched Center Hole"MS64 日本 五十円白銅貨 50Yen(Cupronickel) 昭和50年(1975) UNC+

貨幣の鑑定機関であるPCGS(Professional Coin Grading Service:世界でも評判の高いアメリカの第三者格付け鑑定会社)において、PCGS-Mint Error“Unpunched Center Hole”MS64の評価を受けています。鑑定機関がMint Error(貨幣を製造する過程で発生したミス)と表記しているお墨付きなわけです。しかも64という未使用品評価となっています。

少しでも変だと思ったらエラーかどうか確認を

こうしたエラーコインは、たまたまお釣りでもらったとか、ロールから取り出したら偶然出てきたといったケースが多いです。狙って探すのは容易ではありません。

とはいえ、穴ナシのエラー50円玉も数枚しか発見されていないというわけではなく、意外にオークションでは出品されることがままあります。さすがに技術が向上している令和時代のコインでエラーが出ることはなかなかないと思われますが、昭和時代のものをはじめ、現行のコインでもエラーは多く存在します。

もしお釣りでもらったコインがなんか変だなと思ったら、エラーかもしれないので確認してみてください。気になる人は貨幣の鑑定機関に鑑定してもらいお墨付きを得ることができれば、高値になること間違いなしです。

<参考>
第42回AWオークション Lot.155 PCGS-Mint Error"Unpunched Center Hole"MS64 日本 五十円白銅貨 50Yen(Cupronickel) 昭和50年(1975) UNC+

>次ページ:44万円で落札された「実際の50円玉」を見る
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