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「プロだから、これくらいやって当然」介護職の私をこき使う毒親と兄に辟易…一体どうすればいい?

介護福祉士の私を何かにつけて“プロだから”とこき使う両親と兄。これからやってくる両親の介護も押し付けようとしてくる。一体どうしたらいいのか……。50代女性の悩みに、介護アドバイザーの横井孝治が寄り添います。※画像:PIXTA

横井 孝治

横井 孝治

介護・販促プロモーション ガイド

2001年の夏から急に始まった両親の介護を通して、多くのことを考え、悩み、そして学んできました。現在は、正しい介護情報を多くの方々と共有するため、介護情報サイトの運営や、執筆、講演活動を行っています。2011年からは、20年以上のキャリアをもとに「販促プロモーション」ガイドにも就任しました。

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介護職の私をプロだからとこき使う両親と兄がしんどい…… ※画像:PIXTA

介護職の私をプロだからとこき使う両親と兄がしんどい…… ※画像:PIXTA

多くの人が直面するであろう「介護」。そこには介護離職、きょうだい間のトラブル、相続などさまざまな問題が横たわっているようです。本稿では介護に悩む人のエピソードを紹介しながら、介護アドバイザーの横井孝治が対応策や注意点などを解説します。

「プロだから、これぐらいやって当然」

「プロだから、これぐらいやって当然と、両親や兄に言われるのが嫌でたまりません。どうしたらいいのでしょうか」

今回、介護の悩みを打ち明けてくれたのはカズエさん(仮名/50代女性)。実家に暮らす両親と兄からひどい仕打ちを受けていると言います。

カズエさんは介護福祉士の資格を取り施設で介護の仕事をしています。昨年からフロアのリーダーとなり、キャリアの浅いスタッフを指導する機会も増えましたが、仕事自体に不満はありません。

しかし唯一不満に感じているのは実家の両親と実家で同居している兄のこと。介護の資格を持っているカズエさんのことをこき使ってばかりだと言います。

「父が転倒して足の骨を折ってしまい、しばらく不自由な生活になった時は、連日実家に呼び出されて、入浴介助や排泄介助の大半を私1人でしました。『お前はプロだからこれぐらいできて当たり前だろ』と決めつけられ、お礼の一言もありませんでした」

元々長男である兄を溺愛していた両親は、カズエさんに対する愛情は希薄。「お前は出来が悪い」と言われ続けてきて、大学に行きたかったものの、結局行かせてもらえたのは兄だけでした。

家族そろって介護を押し付けてくる

兄は大学を卒業後、就職先でうまくいかず実家に戻ってきました。両親はそんな兄を見かねて調理師の資格を取るよう促し、今は家業の小料理屋を継がせています。ただ、店は繁盛しておらず、収入の大半は両親の年金頼り。

「母からは『お兄ちゃんには店があるから、これから先も介護なんてさせられない。あなたは女だしプロなんだからしっかり面倒を見てね』と、何度も言われています。兄も実家の遺産は自分が全てもらうが、介護はお前に任せると勝手なことばかり。父はだまってうなずくだけです」

カズエさんが「介護は仕事でお金をもらっている。お金をくれない人の介護はできない」と言っても、「金の亡者か」「冷たい女だ」と罵倒されてしまいます。「タダで料理を作れと言われたら嫌でしょ」と聞くと、「それは話が違う」と怒るだけ。

「こんな毒親たちの介護をするとなったら、今後、仕事にも支障が出そうで不安です」

>次ページ:まずカズエさんに伝えたいこと
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