「和洋折衷の建築美が見どころ」旧岩崎邸庭園|東京都文京区・台東区
明治29年(1896年)、三菱財閥三代目社長・岩崎久彌の本邸として建てられた旧岩崎邸は、イギリス人建築家ジョサイア・コンドルによる設計。ジャコビアン様式を基調とした洋館に加え、書院造りの和館や撞球室(ビリヤード場)など、重要文化財に指定されている和洋折衷の建築美が見どころです。特に洋館部分は、ミントン社製のタイルが敷かれたバルコニー、2階室内には金唐革紙が復元され、繊細な漆喰装飾、ステンドグラスなど、明治の上流階級の暮らしに思いをはせ優雅なひと時を過ごせます。庭園は秋になるとモミジやイチョウが紅葉し、洋館の白い外壁を背景にしたコントラストは、西洋絵画のような美しさ。
11月24日(月・休)まで、イベント「秋空の下で楽しむ旧岩崎邸庭園」を開催。普段は非公開の地下通路に入れるミステリーツアーや、洋館の壁を彩る金唐紙のワークショップなどもあり、明治の時代、異国情緒などを感じながら都会の真ん中で紅葉散策が楽しめます。
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「ユニークで見事な意匠が楽しい」臥龍山荘|愛媛県大洲市
肱(ひじ)川の清流を望む断崖に建つ臥龍山荘は、明治の豪商・河内寅次郎が京都から名大工や茶室建築家を呼び寄せ十余年をかけて築いた別荘。大洲には京都のように建築制約がなく、職人が発想やアイデアを自由に表現・かたちづくったといいます。入り口の石畳から数寄屋造りの建築の細部まで、ユニークで見事な意匠が訪れる人の目を楽しませてくれます。不老庵・文庫・臥龍院の三棟はいずれも国の重要文化財に指定されています。三棟をつなぐように配された庭園は、季節の移ろいを見事に映し出し、風情ある空間は心地よく、時を忘れてしまいそう。一番奥、川面にせり出すように建てられた不老庵は、まるで空中に浮かんでいるかのような趣きがあり、室内からは周囲の山々の紅葉や、眼下の肱川に色が映り込む様子を見ることができます。
刻一刻と表情を変える風景に、建築・自然・文化が調和する日本の秋を堪能できます。
「建築好きなら必見の名建築」ヨドコウ迎賓館|兵庫県芦屋市
アメリカの近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが設計した邸宅で、旧山邑家住宅として1924年に竣工。現在は「ヨドコウ迎賓館」として一般公開されています。国内の希少なライト作品の1つとして国の重要文化財に指定され、建築好きなら必見の名建築です。外観は大谷石を基調に、幾何学模様の装飾や銅板の意匠が施され、光の角度によって表情を変え感動的な美しさ。吹き抜けのリビングを中心に、段差を活かした空間にはライトらしいデザインがちりばめられ、木の温もりと石の重厚感が心地よく調和しています。 秋には一帯の木々が紅葉し、テラスや窓越しに赤や黄のグラデーションが美しく広がり、自然との調和を重視したライトの建築理念が色濃く感じられます。芦屋の高台にあり、バルコニーからは紅葉に染まる六甲山系、眼下に目を移せば芦屋の街並みや、天気のいい日は大阪湾も一望できるロケーション。最寄りの阪急芦屋川駅周辺や芦屋市内には、おしゃれなレストランも多く、紅葉とともに味覚の秋も一緒に堪能するのがおすすめです。









