節約

冷凍室には「入れてはいけないもの」があった! 覚えておきたい「冷凍保存の基本」

知っておくべき食材の冷凍保存方法。きゅうり、豆腐、卵、牛乳など、冷凍で食感や風味を損なうNG食材を厳選しました。おいしく保存するための理由と冷凍後の賢い活用法を、家事アドバイザーが解説します。

矢野 きくの

矢野 きくの

節約・家事・100円ショップ ガイド

食育指導士

家事アドバイザー・節約アドバイザーとして、家事の効率化、家庭でできるSDGsを中心に、テレビ、講演、連載などで活動。 時短家事術、シニア家事のアドバイスをはじめ、「防災士」として家庭での備え、「食育指導士」の資格も持ち食品ロス削減をテーマにした講演など【著書】シンプルライフの節約リスト(講談社)他。

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冷凍室

食材によっては冷凍できないものもある

冷凍室は食材を長持ちさせる便利な味方ですが、何でもかんでも凍らせていいわけではありません。食材にはそれぞれ得意な保存方法があります。無理に冷凍すると、せっかくの食材が水っぽくなったり、食感がザラザラになったりして、おいしさが損なわれてしまいます。

今回は、冷凍保存に不向きな食材とその理由、そして活用の裏ワザをご紹介します。

きゅうり、レタス、大根などの水分の多い生野菜

これらの野菜は水分を非常に多く含んでいるため、凍らせることで水分が膨張し、細胞壁が壊れてしまいます。解凍する際に大量の水分(ドリップ)が流れ出てしまい、シャキシャキとした元の食感が失われ、グニャグニャとした水っぽい、またはしおれたような状態に。主に生食で楽しむ野菜は特に冷凍には向きません。

冷凍してしおれたような状態のものは、スープの材料として使うのにはおすすめです。大量に入手してどうしても生で消費できない場合は、冷凍してスープで食してみてください。

豆腐

豆腐の主な成分である水分が凍結し、膨張することで内部の組織が破壊されます。解凍すると水分が分離してスカスカになり、スポンジのように穴があいたザラザラとした食感に。この変化を利用して作る「高野豆腐(凍り豆腐)」のような状態になるため、元の滑らかな食感や風味は失われてしまいます。

もし冷凍したい場合は、水気をしっかり切って「凍り豆腐」として活用するなど、解凍後の食感の変化を理解した上で調理法を選ぶ必要があります。

生卵(殻付き)

卵の冷凍

生卵を冷凍すると殻に亀裂ができ、衛生面で好ましくない状態になることも

卵の殻の中の水分が凍ると、体積が増して膨張し、殻にヒビが入ったり割れたりする可能性が非常に高くなります。殻が割れることで中身が漏れ出し、冷凍室内を汚してしまうだけでなく、割れ目から雑菌が侵入しやすくなり衛生面でも問題が生じます。

また、産卵時に鶏の糞便などの汚れとともに、食中毒の原因となるサルモネラ菌などの菌が殻の表面に付着していることがあります。出荷前に洗浄・殺菌処理が施され、殻の表面の菌は取り除かれて衛生的な状態になっていますが、そのほかの菌も含めてリスクはゼロではありません。安全のためにも、殻付きのままの冷凍は避けるべきでしょう。

冷凍したい場合は、薄焼き卵や卵焼き程度の厚みに調理したものを冷凍するようにしましょう。

牛乳、生クリーム、ヨーグルトなどの乳製品

これらの乳製品は、含まれている水分と乳脂肪分が冷凍・解凍の過程で分離してしまう性質があります。特に低脂肪のものほど分離しやすい傾向に。解凍すると、元の滑らかな液体状には戻らず、凝固したりザラザラとした舌触りになったりしてしまいます。風味も損なわれるため、飲み物やそのまま食べるヨーグルトなどには全く向かないのです。

調理に使う場合も元の食感や仕上がりにならないことが多いので、冷蔵室での期限内の保存をおすすめします。生クリームであれば、アルミトレーに小さく絞り出したものを冷凍し、それをコーヒーなどに入れるようにすると使えますよ。

マヨネーズ、カスタード、分離しやすいソース

マヨネーズやカスタードクリームなど、卵や油、乳製品などを乳化させて作られている食品は、冷凍によってこの乳化状態が壊れてしまいます。解凍すると水分と油分、そのほかの成分が分離してしまい、ドロドロになったりボソボソになったりして元の滑らかな状態には戻りません。食感や見た目が著しく損なわれるため、使い物にならなくなることがほとんどです。分離した状態から再度乳化させるのは家庭では難しいため、開封後は冷蔵室で保存し、早めに使い切りましょう。

こんにゃく、しらたき

こんにゃくの冷凍

こんにゃくを冷凍するなら凍りこんにゃくとしての活用を

こんにゃくやしらたきは、その独特の弾力ある食感が命。主成分は水分と凝固剤なので、凍らせると内部の水分が膨張し、スポンジのような多孔質の構造に変化します。解凍すると水分が抜けて固く、きめが粗いスポンジ状になり、特有のぷりぷりとした弾力や舌触りが失われてしまいます。そのため、従来の食感で食べたいのであれば冷凍は避けましょう。

スポンジ状になった食感を逆に楽しむことも可能です。冷凍するときはこんにゃく1枚をファスナー付きの冷凍用保存袋に入れて冷凍し、解凍するときは沸騰したお湯に5~6分入れます。その後、煮含めて「凍りこんにゃく」のような味付けにしたり、きんぴらのように炒めたりして使うのもおすすめです。

ジャガイモ、さつまいもなどのでんぷん質の芋類

でんぷんを多く含むこれらの食材をそのまま冷凍すると、解凍した際にでんぷんの組織が壊れ、ザラザラとした粉っぽい、またはゴソゴソとした食感に変わってしまいます。水分が分離してパサついたり、水っぽくなったりすることも。生のままや、煮物のように形を残した状態で冷凍すると、元のホクホクとした食感は望めません。

冷凍したい場合は、加熱調理しマッシュポテトのようにつぶした状態にするとおいしく食べられます。

缶詰やビン詰めの食品(未開封)

缶詰やビン詰めの容器に入った食品を冷凍室に入れるのは非常に危険です。特に液体を含む食品(飲料、果物、ソースなど)は、凍結すると内容物が膨張します。この膨張圧力によって、金属製の缶が変形したり、最悪の場合は破裂したりしてしまう恐れも……。

冷凍室内の汚損や破損だけでなく、破裂時のけがにもつながる可能性があるため、絶対に避けてください。中身を密閉容器に移し替えるなどすれば冷凍できるものもありますが、基本的には冷暗所や常温で保存しましょう。
 

今回ご紹介したように、冷凍保存の基本は「食材の水分や組織の変化」を知ること。生でシャキシャキ食べたい野菜、滑らかさが命の乳製品などは、冷蔵室で早めに使い切るのがおすすめです。凍らせることで食感が変わる食材は、工夫次第で新しいおいしさが楽しめます。正しい知識で冷凍室を上手に活用し、食材を無駄なくおいしく使い切りましょう。
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