Q:70歳手前で働いています。給与から厚生年金保険料が引かれていますが、これっていつからの年金額に反映されますか?
「私は70歳の手前でパートタイマーとして働いています。給与から厚生年金保険料?が引かれていますが、これっていつからの年金額に反映されますか?」(Lさん)
パート給与から引かれた厚生年金保険料は、いつの年金から上乗せされる?(画像:PIXTA)
A:老齢厚生年金を受け取っている人の場合、前年9月からその年の8月までの厚生年金加入期間が、毎年10月分の年金(12月支給分)から反映されます
厚生年金保険に加入できるのは70歳になるまでです。65歳以降も働いて厚生年金に加入している人は、保険料を支払っている期間が年金額に加算されます。この加算の仕組みを「在職定時改定(ざいしょくていじかいてい)」といいます。在職定時改定は、次のようなスケジュールで行われます。老齢厚生年金を受け取っている65歳以上70歳未満の人で、厚生年金に加入している場合、毎年9月1日時点での加入記録を基準に、前年9月からその年の8月までの厚生年金加入期間を老齢厚生年金に反映します。
その結果、10月分の老齢厚生年金から改定された金額が支給されます(10月分の年金は12月に振り込まれます)。
つまり、Lさんが当年9月から翌年8月までに支払った厚生年金保険料は、翌年の10月分の年金から反映されることになります。厚生年金保険料を納めた翌年すぐに年金が増えるわけではありませんが、厚生年金の加入期間があるかぎり、毎年1回自動的に年金額が見直される仕組みです。
70歳に到達すると厚生年金の被保険者資格は喪失しますが、それまでに加入していた期間も同様に老齢厚生年金額へ反映されます。働きながら年金を受け取る場合は、この「在職定時改定」によって、老齢厚生年金が少しずつ増えていく点を知っておくとよいでしょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)






