年金・老後のお金クリニック

80歳でも住民税を払わなければいけないのですか?高齢になると免除になる仕組みはないのですか?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金で暮らす場合の住民税について専門家が解説します。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金で暮らす場合の住民税について専門家が解説します。専門家に質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:80歳でも住民税を払わなければいけないのですか? 高齢になると免除になる仕組みはないのですか?

今回はAll About編集部が設定したケーススタディーに対して回答いただきます。

「80歳になっても住民税を払わなければいけないのでしょうか? 高齢になると自動的に免除になる仕組みはないのですか?」
80歳になっても住民税を支払う必要がある?(画像:PIXTA)

80歳になっても住民税を支払う必要がある?(画像:PIXTA)

A:年齢にかかわらず、一定以上の所得がある人は住民税を支払う必要があります。高齢になると自動的に免除になる仕組みはありません

住民税は、私たちが利用する地域の行政サービス(福祉、医療、公共施設など)の財源となる重要な税金です。正式には「個人住民税」といい、市町村民税と都道府県民税の総称です。その年の1月1日現在の住所地で課税され、金額はお住まいの自治体によって若干異なります。

ただし、次のいずれかに該当する場合は、住民税が非課税(支払わなくてよい)になります。

①生活保護法による生活扶助を受けている人

②障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は年収204万4000円未満)の人

③前年の合計所得金額が以下の金額以下の人
・扶養親族がいない単身者……45万円以下
・扶養親族や配偶者がいる場合……
35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の合計人数)+31万円以下

このように、年齢ではなく「前年の所得金額」によって非課税かどうかが判断されます。

2025年(令和7年)に税制改正が行われ、住民税の「非課税となる所得の上限」が引き上げられました。住民税は前年の所得(1月~12月)に基づいて計算されるため、この改正は令和8年(2026年)から反映されます。

改正後の「住民税が非課税となる目安」は次のとおりです。

・会社員やパート・アルバイトの場合
年収100万円→年収110万円(基礎控除45万円+給与所得控除65万円)

・個人事業主や無職の場合
所得45万円以下(変更なし)

・複数の収入がある場合(会社員+副業など)
合計所得45万円以下(給与所得者は給与所得控除が10万円引き上げ)

つまり、80歳であっても所得がこれらの基準を超える場合は、住民税を支払う義務があります。「年齢が高いから自動的に免除」といった制度はなく、あくまで所得水準によって非課税かどうかが決まるという点がポイントです。

住民税の計算には、各種控除(社会保険料控除、医療費控除など)も関係します。ご自身の所得や控除の状況によって実際の課税額は異なりますので、詳細はお住まいの自治体や税務署で確認してみましょう。

※専門家に取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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