今回は、スリッパが汚い理由とその洗い方についてご紹介します。
実は汚い! スリッパの汚れの“5つの正体”
1. 汗と皮脂足裏は汗腺が多く、日常的に大量の汗と皮脂がスリッパに吸収されます。これが雑菌やカビの格好の栄養源となり、不快な悪臭や不衛生な状態の原因となります。
2. 湿気とムレ
スリッパは通気性が悪いもの。足の汗を吸った後も水分が蒸発しにくい構造です。高温多湿の状態が長く続くことで、雑菌が爆発的に増殖し、ニオイがしみついてしまいます。
3. 床の汚れの蓄積
スリッパは、室内の床にある目に見えないホコリ、チリ、皮脂汚れ、外から持ち込まれた砂などを裏面で集めています。これらの汚れが踏み固められ、黒ずみとして蓄積します。
4. 食べこぼしや油汚れ
キッチンなどで使用するスリッパには、調理中の油ハネや食材のかす、こぼれた飲み物などが付着しています。これらが酸化したり雑菌の栄養源になったりして、不衛生になるのです。
5. 病原菌の媒介
トイレ用のスリッパには、床に付着した大腸菌や黄色ブドウ球菌、ノロウイルスなどの食中毒原因菌が付着している可能性があります。汚染されたスリッパに触れることで、衛生的な問題を引き起こします。
自宅でできる「スリッパの洗い方」
スリッパを洗う場合は、必ずスリッパのタグや表示を確認し、「水洗い可能」であることをチェックしてください。中敷きの素材がウレタンのスリッパや、綿やリネンの「植物繊維」で作られたスリッパ、ポリエステルなどの「合成繊維」のスリッパは洗濯できることが多いです。逆に、合成皮革やレーヨンなどといった素材のスリッパは、洗濯すると縮んでしまったり、色が落ちたり、型崩れが起きたりしてしまうので、注意が必要です。
【手洗いの手順】
・予洗い(ゴミ取り)
粘着テープ(コロコロ)や掃除機で、表面や裏面に付着したホコリ、髪の毛、大きなゴミを丁寧に取り除きます。
・部分洗い(シミ・黒ずみ)
汚れがひどい箇所(裏の黒ずみなど)に中性洗剤や固形石けんをつけ、使い古しの歯ブラシなどで優しくこすり洗いします。
・つけ置き、押し洗い
洗面器やバケツにぬるま湯と中性洗剤(おしゃれ着用洗剤など)を規定量溶かし、スリッパを沈めて10分程度つけ置きします。その後、優しく押し洗いして全体を洗います。
・すすぎ
水を何度か替えながら、泡や洗剤が残らないよう流水でしっかりとすすぎます。すすぎが不十分だと黄ばみや輪ジミの原因になります。
・脱水
タオルで包んで水気をよく拭き取る(タオルドライ)か、洗濯ネットに入れて洗濯機で約1分間短く脱水します。
・乾燥
形を整えてから、風通しの良い日陰で完全に乾かします。早く乾かすために、丸めた新聞紙を中に入れるのも効果的です。
【洗濯機で洗う手順】
・予洗い、部分洗い
手洗いと同様に、粘着テープなどでホコリやゴミを取り除き、ひどい汚れや黒ずみは事前に歯ブラシなどで部分洗いしておきます。
・洗濯ネットに入れる
型崩れを防ぐため、必ず洗濯ネット(できれば靴用ネット)に入れます。
・洗濯
液体の中性洗剤を使い、洗濯機の「手洗いコース」や「ドライコース」など、水流の弱いコースで単独で洗います。
・脱水、乾燥
脱水は1分程度に短く設定し、脱水後はすぐに取り出して形を整えてから日陰で完全に乾かします。
スリッパを洗う頻度は?
スリッパを洗う頻度は、使用頻度によりますが、毎日履いているのであれば以下の頻度で洗うのが理想的です。・夏場(汗をかきやすい時期):1週間に1回
汗と湿気で雑菌が繁殖しやすいため。ニオイ対策としても重要です。
・冬場(そのほかの時期):2週間に1回
汗はかきにくくなりますが、皮脂やホコリの蓄積で汚れています。使用頻度が低い場合(月に1回など)も、ホコリが積もっているため目に見えない汚れは蓄積しています。
サンダルという選択肢も
上の画像は、筆者が室内でスリッパ代わりに履いているサンダルです。EVA樹脂素材なので汚れが中に染み込むことは少なく、除菌ウェットティッシュでサッとふくだけでメンテナンスが済みます。両履きサンダルなので、つま先側・かかと側など向きを気にせずに履けるという点でも便利です。今回ご紹介したように、スリッパは想像以上に汚れているものです。ぜひ素材に応じた洗濯をし、清潔な状態を保ってくださいね。









