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入居後の不具合は「アフターサービス規準書」で対応できる? 知らないと損する保証の仕組み

新居での暮らしが始まってから気付く不具合。あわてずに確認したい「アフターサービス規準書」について、専門家が解説します。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

どんなに慎重にチェックしても、実際に住み始めてから「ドアの建て付けが悪い」「床がきしむ」など、思わぬ不具合に気付くことがあります。しかし、あわてて業者に依頼する前に、まず確認したいのが「アフターサービス」です。

新築マンションでは、引き渡し時に「アフターサービス規準書」という保証書が交付され、壁紙や建具の不具合から、構造上の欠陥まで、一定期間は無償で補修してもらえる仕組みがあります。保証内容を理解しておけば、万一の不具合にも落ち着いて対応できます。

この記事では、住宅診断のプロであるホームインスペクターの友田 雄俊氏(株式会社さくら事務所)に、入居後の不具合にどう対処すればよいかを教えてもらいました。

・ホームインスペクターとは?
住宅の劣化や施工の状態などを、専門知識をもとに客観的にチェックする専門家です。新築・中古を問わず、購入前の「見えない不安」を減らすサポートをしてくれます。

入居後に不具合が見つかった場合、どんな対応をすればいい?

どんなに気を付けてチェックしても、実際に住み始めてから不具合が見つかることはあります。そんなとき、頼りになるのが売主によるアフターサービス制度です。

新築マンションでは、引き渡し時に「アフターサービス規準書」という保証書を受け取りますが、契約時などにその内容を詳しく説明されることは少ないのが実情です。だからこそ、入居後のトラブルを防ぐためにも、ご自身でしっかり目を通し、保証範囲と期間などの内容を把握しておくことが大切になります。

特に重要なのが、2年・5年・10年という3つの保証期間の節目です。それぞれ、一般的な内容は以下のとおりです。

2年まで:内装や設備の初期不良
壁紙のはがれ、ドアや窓の開閉不良、床鳴りなど、内装仕上げや設備に関する初期不良が対象です。

5年まで:配管・電気系など生活インフラの不具合
給排水管や電気配線など、生活インフラ関連で目に見えにくい部分の不具合が対象になることが多いです。

10年まで:構造部分・雨漏りなど重大な欠陥
建物の構造耐力に関わる部分や雨漏りなど、建物全体の安全性に関わる不具合が対象です。この段階の補修は個人ではなく管理組合として対応を求めていくのが一般的です。

 
株式会社さくら事務所・ホームインスペクター 友田氏

株式会社さくら事務所・ホームインスペクター 友田氏

教えてくれたのは……友田 雄俊(ともだ かずとし)さん
株式会社さくら事務所 ホームインスペクター
大手リフォーム会社にて木造戸建て住宅リフォームの営業・設計・工事監理に従事。2019年にさくら事務所に参画し、建物の施工中や完成後の状況を検査・調査するホームインスペクターとして活躍。住宅トラブルに関する相談対応実績は1000件以上。2025年にさくら事務所・執行役員CCOに就任。自身が取材協力した「マンションバブル41の落とし穴」(小学館)が発売中。
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