ホームインスペクターへの依頼は、主に「購入前」や「引き渡し前」のタイミングで行われます。目的は、建物の構造や設備に不具合がないかを第三者の目でチェックし、安心して契約・入居できるかを確認すること。
特に新築マンションでは、完成後に行われる「内覧会での同行」を依頼するケースが多く、中古マンションでは、購入を決める前に診断を受けておくことで、劣化や修繕の必要性を事前に把握することができます。
実際にホームインスペクターに依頼する場合、「いつ依頼すべきか」「費用はいくらか」「どう選べばいいのか」を、株式会社さくら事務所のホームインスペクター友田 雄俊氏に教えてもらいました。
ホームインスペクターの依頼方法と費用の目安
マンション購入時に、ご自身ですべてを確認するのが難しい、あるいは少しでも不安を感じる場合は、住宅診断の専門家であるホームインスペクターに内覧会への同行を依頼するのが有効な手段です。依頼のタイミングは、内覧会の日程が決まった時点で相談すれば問題ありません。費用の相場はマンション1戸あたり5万~6万円前後。調査範囲や報告書の内容によって多少変わります。
依頼先を選ぶ際は、チェック結果を写真付きの「報告書」としてまとめてくれるかどうかも重要なポイント。単にキズや汚れを指摘するだけでなく、換気設備や配管など専門的な領域まで目を配ってくれるかという「チェック範囲」もしっかり確認しておきたい点です。
こうした報告書は、引き渡し後のトラブル防止になるだけでなく、将来物件を売却する際に「インスペクション済(専門家による検査済)」という安心材料としてアピールできるメリットもあります。
また、内覧会当日のチェックだけでなく、入居後の住まいや暮らしに関する疑問や相談にのってもらえるアフターフォローの有無や相談できる内容などについても確認をしておくとよいでしょう。
株式会社さくら事務所・ホームインスペクター 友田氏
株式会社さくら事務所 ホームインスペクター
大手リフォーム会社にて木造戸建て住宅リフォームの営業・設計・工事監理に従事。2019年にさくら事務所に参画し、建物の施工中や完成後の状況を検査・調査するホームインスペクターとして活躍。住宅トラブルに関する相談対応実績は1000件以上。2025年にさくら事務所・執行役員CCOに就任。自身が取材協力した「マンションバブル41の落とし穴」(小学館)が発売中。






