「小舟が浮かび王朝絵巻のような」根津美術館
東京メトロ・表参道の駅から徒歩10分という場所にある根津美術館。日本・東洋の古美術品コレクションを保存し展示する美術館で、現在国宝7件、重要文化財93件を含む約7600件の美術品を収蔵しています。建築家・隈研吾による、大屋根が印象的な美術館の建物自体もスタイリッシュですてきなのですが、秋になると訪れたくなるお目当ては庭園です。
表参道・青山エリアと思えない約17000平方メートルの広大な日本庭園で、都会であることを忘れる静寂、4棟の茶室とともに美しく整えられた豊かな自然が訪れる人を迎えてくれます。
紅葉の時期は庭園のいたるところが色づきますが、個人的には池に浮かべた小舟の周りを、紅葉した木々が美しく縁取る「吹上の井筒」のあたりの風景が、王朝絵巻のようで一押しです。
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「厳粛な雰囲気が漂うイチョウ並木」東京大学本郷キャンパス
秋はイチョウ並木を歩きたくなります。ドラマなどで有名になった神宮外苑の並木道もいいけれど、私の一押しは東京大学本郷キャンパスのイチョウ並木。日本の最高学府・東京大学の正門から安田講堂へと伸びる一本道のイチョウ並木は一般開放されるため、シーズンを迎えると黄金色のトンネルの下は多くの人でにぎわいます。この並木道は1906年(明治39年)に小石川植物館から移植され整備されたもので、安田講堂の建設(1925年)よりもかなり前。当時の学長の「正門を入ったら皆が襟を正すような厳粛な雰囲気にしたい」という思いから植えられたのだそうです。
ちなみに東京大学の校章は……そう、イチョウです。構内の売店などでは校章入りのグッズがいろいろと販売されていますから、イチョウ並木を歩いたあとは記念に東大グッズを求めてもいい記念になることでしょう!
「古書散歩の合間にグルメも楽しめる」神田古本まつり
読書の秋。約120もの古本店が集まる神田神保町では、65回目を迎える「神田古本まつり」が2025年10月24日(金)~11月3日(月・祝)に行われます。地下鉄神保町駅の真上周辺、靖国通り沿いに古本がぎっしり入った約100台ものワゴンが並び、青空のもと約500mもの「本の回廊」が出現する様子は壮観のひとこと。気軽に手に取れるリーズナブルな本から博物館級の稀少本まで、さまざまなジャンルの本が一堂に会し、本好きはワクワクしっぱなしの時間を過ごせます。
神保町エリアには魅力的な喫茶店や味に定評のあるカレー店など隠れた名店も多いので、(並ぶこと必至ですが)古書散歩の合間にグルメも楽しめますよ。