四国の観光・旅行

万博ロスなら瀬戸内へ! イタリア館の「あの名画」にも再会! アートで世界を感じる癒し旅

大阪・関西万博が閉幕し、万博ロスという方におすすめなのが、万博会場のモチーフとなった瀬戸内への旅。絶景に癒され、アートを通じて世界を感じてみては? 世界の名画を陶板で楽しめる美術館には万博縁のあの作品も! 瀬戸内国際芸術祭2025も開催中。

村田 和子

村田 和子

旅の準備・お得・便利 ガイド

旅行ジャーナリスト。「旅で元気になる」をテーマに活動。親子で47都道府県を踏破し旅育メソッドを提唱。著書に「旅育BOOK(日本実業出版社)」。クルーズコンサルタント、総合旅行業務取扱管理者。大人旅、ひとり旅も得意!

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大阪・関西万博が閉幕し、万博ロスになっている人も多いのでは? そんな方に、おすすめしたいのが、四国・瀬戸内への旅。実は万博会場は、瀬戸内の「しまなみ」をモチーフにデザインされたという意外なつながりもあります。

万博の次は、四国・瀬戸内でアートを通じて世界を感じてみませんか? 世界の名画を原寸大の陶板で再現された「大塚国際美術館」では、イタリア館で人気だった「あの作品」もソファに座ってゆっくり鑑賞OK。11月9日(日)までは、世界のアーティストが参加する瀬戸内国際芸術祭も開催中です。
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万博

大屋根リングから万博会場を望む。点在する木々は海に浮かぶ島をイメージ

<目次>

大阪・関西万博と瀬戸内の意外なつながり! 会場のモチーフは「瀬戸内」

「万博会場は、瀬戸内のしまなみをモチーフにデザインした」というのは、万博のランドスケープを担当された忽那裕樹氏。インタビューを拝見して以来、筆者も瀬戸内の風景を重ねながら万博を訪れるのが楽しみになりました。

万博会場があった地が海だったことから、会場全体を海に、木々を島に見立てたといいます。ユニークなデザインで訪れた人の目をひいた竹製の椅子は、舟をイメージしたものなのだとか。そこに大屋根リング、各国のパビリオンなどが佇む会場は、まさに芸術作品! その光景に感動した人も多かったのではないでしょうか?
万博

夕暮れ時の万博会場を大屋根リングから。刻一刻と変わる景色は感動的で美しかった

閉幕後の今、万博と縁のある瀬戸内へ足を運び、その風景やアートから世界を感じ、万博の思い出を振り返る旅を、万博ロス気味の筆者が紹介します。 
瀬戸内海

多島美の瀬戸内海。刻一刻と変わる景色は万博と重なる。島々を舞台に瀬戸内国際芸術祭2025が開催中 

世界の名画を体感できる「大塚国際美術館」。イタリア館のあの名画も!

徳島県にある大塚国際美術館は、西洋名画を、原寸大で陶板に再現し展示する陶板名画美術館。

世界26カ国、190以上の美術館・教会が所蔵する作品を陶板に再現した展示は、1000点以上にも及びます。その中には「システィーナ・ホール」や「スクロヴェーニ礼拝堂」など、空間ごと再現し、まるで現地にいるかのような感覚で鑑賞できる環境展示もあります。
大塚国際美術館

 大塚国際美術館。スクロヴェーニ礼拝堂の壁画や天井画が陶板に再現され、現地を訪れたような気持ちになれる

レオナルド・ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」は、修復前後の作品が向かい合わせで同じ空間に展示され、見比べて鑑賞できるなど、大塚国際美術館ならではの特別な体験ができるのも特徴です。
大塚国際美術館

大塚国際美術館では、修復前と後のレオナルド・ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」が一緒に鑑賞できる

名画の中には、焼失した作品を含むゴッホ作の7つの『ヒマワリ』、美術の教科書などでもなじみのある「ヴィーナスの誕生(ボッティチェッリ)」、昨今人気の「真珠の耳飾りの少女(フェルメール)」など、誰もが知っている名画がずらり! まるで世界を旅しているような気分になります。ゴッホの絵の具を塗り重ねた質感も見事に表現され現地さながらに楽しめます。 
大塚国際美術館

大塚国際美術館では、ゴッホの7つの『ヒマワリ』を焼失して現存しない1枚を含めて、一堂に見ることができる

数ある作品の中でも、万博ロスの方に特におすすめなのが、イタリア館で展示されていたヴァティカン美術館所蔵「キリストの埋葬(カラヴァッジョ)」です。大塚国際美術館では、ソファが並ぶ落ち着いた空間でカラヴァッジョのほかの作品も一緒に鑑賞できます。陶板作品は優しくなら手で触れることもでき、体感型で楽しめるのもこの美術館ならではの特徴です。
大塚国際美術館

大塚国際美術館では、 キリストの埋葬(右手)を含むカラヴァッジョの作品もゆっくり鑑賞可能。万博で観た人も観られなかった人も思い思いに楽しめます

さらに館内や庭では、「こみゃく!?」と思しき姿も発見。 これは「EXPO2025 公式ロゴ イメージ 3Dモニュメント CELL ART」と名付けられた万博の公式ライセンス商品。大塚国際美術館と同じグループの大塚オーミ陶業が製作していることから、展示されているそう。

陶板作品は屋外に置いても色あせすることなく、2000年以上同じ姿を保つといわれています。絵画は環境や時間の経過による劣化が避けられない場合も多いため、オリジナル作品の姿を長期間残すうえで、陶板によるは再現は大きな役割を担っているといえるでしょう。
大塚国際美術館

「EXPO2025 公式ロゴ イメージ 3Dモニュメント CELL ART」は受注販売。価格は55万円(税込)、販売期間は2026年9月まで

大塚国際美術館
※飛行機でアクセスの場合は徳島空港から路線バスで約30分

「瀬戸内国際芸術祭2025」は秋会期開催中。11月9日(日)がフィナーレ

瀬戸内では、3年に1度のアートイベント「瀬戸内国際芸術祭2025」の秋会期が、11月9日(日)まで、瀬戸内の島々と沿岸部を舞台に開催されています。

秋会期には、春夏にも開催している地域に加えて、本島、高見島、粟島、伊吹島、宇多津エリアなど、香川県西部の島や地域でも芸術祭が開催されます。そのため、春夏に訪れた人も、新たな作品との出会いを楽しめます。
大阪・関西万博

瀬戸内の島々を舞台に開催されている瀬戸内国際芸術祭2025。玄関口となる高松港

国際色豊かなアーティストが参加し、コロナ禍の前(2019年)には来訪者が117万人にのぼった国際的に注目されるアートイベント「瀬戸内国際芸術祭2025」は、船で島を巡る鑑賞スタイルもユニーク。瀬戸内の「しまなみ」の絶景を楽しみながら島へ訪れ、その風景や歴史から着想を得たインスタレーションを鑑賞すれば、作者の思いや作品の背景を追体験し世界が広がります。
瀬戸内

トゥアン・マミ「《ボーダレス》ベトナム移民の庭(No.11) 灯台の庭」~粟島・瀬戸内国際芸術祭2025

たくさんある会場の中で、筆者のイチオシは小豆島。中へ入ったり触れたりと、体感型の大型作品が多く、また海外のアーティストの作品も多数あります。

例えば世界的に有名な台湾のアーティストであるワン・ウェンチー氏の「抱擁・小豆島」は、小豆島の中山千枚田に、4000本の竹を使い、地上からの高さ約15mのドームが佇む作品。地元の方々と協力して竹を集め、一緒に編み上げたといい、さまざまなつながりを感じ、またその内部に入って作品を体感型で楽しめます。
瀬戸内

ワン・ウェンチー「抱擁・小豆島」~小豆島・瀬戸内国際芸術祭2025

瀬戸内

ワン・ウェンチー「抱擁・小豆島」は、中に入って鑑賞できる~小豆島・瀬戸内国際芸術祭2025

秋会期のみ参加している島々の中には、普段はアクセスしづらい場所もありますが、芸術祭の期間中は航路が拡大・増便されるなど、移動がしやすくなります。この機会にアートだけでなく、それぞれの島に根づく独自の文化や雰囲気を味わう旅もおすすめです。
瀬戸内

タオリグ・サリナ「航海する記憶の船ーノマドギャラリー in 粟島」。作者は中国内モンゴル自治区出身~瀬戸内国際芸術祭2025

瀬戸内国際芸術祭2025

街も列車もセンスのよいアートな空間。地元の人と触れ合う体験も

瀬戸内国際芸術祭の玄関口となる香川県高松市は、瀬戸内国際芸術祭の会場が点在し、街にもアートや名建築が多くあります。
瀬戸内

高松市の北東部、屋島山上交流拠点施設「やしまーる」も瀬戸内国際芸術祭の会場で9名の作家による「屋島アートどうぶつ園」の作品が鑑賞できる。写真は、西島雄志「臨-Rin-」。奥に見えるユニークな建物が「やしまーる」

また秋会期に参加の西部エリアに行くなら、日本のウユニ塩湖と呼ばれる父母ヶ浜へ足を伸ばすのもおすすめです。万博では大屋根リング越しの夕日も美しく多くの人を魅了しましたが、父母ヶ浜も天気のいい日には、見事なリフレクション絶景が楽しめます。
瀬戸内

瀬戸内国際芸術祭2025の秋会期は香川県の西部エリアも参加。日本のウユニ塩湖と呼ばれる父母ヶ浜にも足を伸ばしたい

せっかく四国を訪れるなら、少し足を伸ばしてみるのもいいのでは? JR四国には美しいデザインの観光列車が多く、車内では地元特産品を使った食事や沿線ガイドが楽しめます。沿線の人々が旗や手を振って歓迎してくれる心温まる光景にも出会え、ほっこりと温かい気持ちになります。
JR四国~観光列車
藍よしのがわトロッコ

秋の気候のいいシーズンは「藍よしのがわトロッコ」も。徳島駅から阿波池田まで川沿いを風を切って走行

万博では各国のグルメやスタッフとの交流も楽しみの1つでしたが、「地域を深く知る」という点では、旅そのものとの共通点が多くあります。万博のレガシーを感じながら旅をすれば、ロスも癒され、新たな好奇心が芽生えるきっかけにもなることでしょう。

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