けれど、実はこの“ため息”を繰り返していると、お金に嫌われてしまうかもしれません。
落ち込む前に少し立ち止まり、そのため息の理由を見つめ直すことで、思わぬ気付きが得られることもあります。今回は、通帳を見てため息が出るときに隠れている“お金との向き合い方のヒント”をご紹介します。
なぜ「通帳を見てため息」は“お金に嫌われる”のか?
通帳を見てため息が出るのは、「お金が思っていたより少ないから」と思いがちですが、実はそれだけではありません。本当の理由は、「お金を受け身で扱っている」ことにあるのかもしれません。例えば、「なんでこんなに減ったんだろう」と感じるとき。それは、お金の収支を把握できていないからです。
もし、日々どんな目的でお金を使い、どこにどれだけ支出しているのかを把握できていれば、通帳の数字は“結果”として冷静に受け止められるはず。しかし、管理を後回しにしていると、ただ残高の減少に反応するだけになり、「気付いたら減っていた……」とため息が出てしまうのです。
また、「このままで大丈夫かな」「老後が不安だな」といった不安がよぎるときも要注意。将来の見通しがあいまいなままだと、通帳を開くたびに焦りが募り、数字を見ること自体がストレスになります。つまり、通帳の数字を“安心の指標”ではなく、“不安の材料”として見てしまっている状態です。
さらに、「見たくないけど、気になる」と感じるのは、お金の管理を“面倒”に感じているのかも。実際は、お金が減ることよりも「ちゃんと管理できていない」という後ろめたさが、ため息の原因になっていることも少なくありません。
通帳をため息まじりに開くときがある場合、それは「お金と自分の関係性がかみ合っていない」サイン。「お金をどう使い、どう増やすか」を自分の意志で考える姿勢が求められているといえそうです。
ため息を「気付き」に変えてお金に好かれるには?
通帳を見てため息が出たときは、落ち込むよりも「お金に好かれる習慣を身に付けるチャンス」と考えましょう。ここでは、今すぐできる3つのステップをご紹介します。●お金に好かれる3つの習慣1:残高を見るだけでなく「お金の流れ」をつかむ
通帳の残高を眺めているだけでは、お金の動きはつかめません。まずは“1カ月のお金の流れ”を把握してみましょう。給料の入金日、家賃や光熱費、通信費、保険料、カードの引き落とし日など、収支のスケジュールを整理してみるのです。
すると、「月のどこでお金が減りやすいか」を知ることとあわせて、「使っていないサービスにお金を払っている」「ATMで頻繁にお金を引き出している」などといった“ムダ”にも気付けます。
お金が「いつお金が入り、どんな支払いにいくら出ていくのか」をつかむことが、家計を整える第一歩です。
●お金に好かれる3つの習慣2:ムダを見つけて「整える」
収入と支出の流れをつかんだら、次のステップは“ムダの点検”です。まず見直したいのが、カード明細のチェック。利用履歴を見返すと、「これは何の支払いだった?」「こんなに回数払いをしていた?」という項目が見つかることがあります。小さな支出でも、積み重なると大きな負担に。さらに、サブスクリプション(定額サービス)など「解約し忘れているもの」「ほとんど使っていないもの」も意外と多いものです。カード明細を毎月チェックするだけでも、使い過ぎやムダな契約に早めに気付けます。
次に見直したいのが、固定費の整理です。通信費や保険料、光熱費などは一度契約すると放置されがちですが、プランを見直すだけで数千円単位の節約につながることもあります。固定費は毎月必ず出ていくお金なので、ここを抑えると長期的な家計の安定につながります。
こうして、カードの明細や固定費を定期的にチェックし、不要な支出を削ることは「節約」というより暮らしを整えるメンテナンス。月に数千円、年間で数万円のゆとりを生む“お金に好かれる習慣”です。
●お金に好かれる3つの習慣3:未来に備える仕組みをつくる
「将来が不安……」という気持ちは、悪いことではありません。むしろそれは、“未来に向けて行動を起こす合図”といえるでしょう。不安をやわらげるには、「どう備えるか」を仕組み化することがポイントです。なかでもおすすめなのが先取貯蓄。
先取貯蓄とは、給料が入ったら使う前に自動で一定額を貯蓄に回す方法です。例えば、給料日の翌日に5000円や1万円を貯蓄専用口座へ自動振替設定しておくだけで、意識せずとも貯められるようになります。「余ったら貯金しよう」ではなかなか続かないものですが、先に引いておけば“なかったもの”として自然にお金が残ります。
先取貯蓄は、努力ではなく仕組みで貯める方法。日々の家計を整えながら、未来への安心を積み上げていくための、もっとも簡単で効果的な習慣です。
ため息をきっかけに「お金をどう使い、どう増やすか」を考える
通帳を見てため息をつくとき、「足りない」「増えない」と感じているものです。けれど、その気持ちを放置してしまうと、お金への不満や将来への不安、考えるのが面倒といった感情にとらわれ、お金に嫌われる人になってしまうでしょう。一方で、そのため息を“見直しのサイン”として受け止め、「次はどう使い、どう増やすか」と前向きに考えた人は、お金に好かれる人へと変わっていきます。
もしため息が出たら、関係を整える第一歩。「お金とどう関わるか」を見直すチャンスにしましょう。