今回は、気が進まない誘いを「断る勇気」がもたらすお金と心のゆとりについて考えてみましょう。
よくある「しぶしぶ参加」のエピソード
例えば、温泉に行こうと誰かに誘われたとします。一応「行く」と答えたものの、実は大勢よりも1人でゆっくり行くのが好きで、あまり気が進まない……。けれども、温泉が好きだと知られているため「断りにくくて、つい参加を決めてしまう」というケースがあります。心の内では「本当はあまり行きたくなかったけど、誘われたから仕方なく……」。そんな気持ちは、態度や言葉の端々から相手にも伝わってしまうものです。
結果的に温泉には行くけれど、誘った側は「無理に付き合わせてしまったのでは」と感じ、複雑な気持ちになる。こうした場面、思い当たる人は少なくないのではないでしょうか。
しぶしぶ付き合うことが招く“浪費”
私自身も「せっかく誘ってくれたのに断るのは悪い」と思い、気乗りしない集まりに参加したことが何度もあります。けれど終わってみると「わざわざ参加するほどでもなかった」と後悔することが多いのです。そうした経験を重ねるうちに、「しぶしぶ付き合う行動」は浪費だと考えるようになりました。実際、気が進まない飲み会に行けば数千円が飛び、2~3時間も消費。しかも楽しさは半減し、残るのは「疲れ」と「お金の減少」だけ。これでは時間もお金ももったいないですよね。
一方で「今回は遠慮します」とスッパリ断れば、その数千円は貯蓄や自分のやりたいことに充てられます。時間も自由になり、余計なストレスからも解放されます。つまり「断る勇気」を持つことは、節約であり、時間管理であり、心の健康を守ることでもあるのです。
断るときの上手な言い方3選
もちろん、全ての誘いを断る必要はありません。大切なのは「自分の気持ちに正直であること」。本当に行きたいと思える集まりなら、お金も時間も有意義な使い方になります。ただ、気が進まないときまで無理に付き合うのは逆効果。
とはいえ、人とのつながりは大切です。角が立たないよう配慮しつつ、細いご縁を保っておくことも必要でしょう。そこで、やわらかく断るための工夫を3つ紹介します。
●断るときの上手な言い方1:予定を理由にする
「その日は家の用事があって……」とスケジュールを理由にする方法。具体的な説明は不要で、家庭の事情や自分の予定を優先していると伝えれば自然です。
●断るときの上手な言い方2:行きたい気持ちは伝える
「また次の機会にぜひ」「今回は都合が合わないけど、また声をかけてね」といった言葉を添えれば、相手に好意があることが伝わります。断っても関係がギクシャクしません。
●断るときの上手な言い方3:別の提案をする
「今度はランチなら行けそう」「近所でお茶なら助かる」など、無理なく応じられる形に変えて提案する方法。完全に拒否するのではなく、代替案を出すことで関係を続けられます。
「断る勇気」で生まれるお金と心のゆとり
お金を貯めるには、収入を増やすことばかりに目を向けがちですが、実は日々の小さな支出を見直すことにも効果があります。その中でも意外に即効性が高いのが「しぶしぶ参加」を減らすこと。気が進まない誘いを断る勇気を持つだけで、ムダな出費と時間の浪費を防げます。お金と時間を「自分のために」使えるようになれば、暮らしの満足度は確実に高まります。
もちろん、人とのつながりも大切です。
角を立てずにやわらかく断る工夫をすれば、関係を保ちながら自分の軸を守れます。つまり「断る勇気」と「人間関係のバランス」、この2つを意識することが、豊かなお金の使い方につながるのです。