その差は、意外にも“日常の小さな習慣”に隠れているのかもしれません。蛇口から落ちるしずくのように、気付かないうちにお金が流れ出していないでしょうか。
今回は、実際の暮らしのエピソードを交えながら、「細かなお金の使い方」が将来の資産にどう影響するのかを解説し、今日からできる具体的な工夫を紹介します。
姉妹の違いが示す「貯まる人」「貯まらない人」
その人は姉と妹、そして母の4人暮らし。姉は家計簿をつけ、予算を守る倹約家。着実に老後資産を貯めています。妹は無計画で「今月は使い過ぎた」と反省しながら、珍しいお菓子を見つければ迷わず購入するタイプ。まとまった貯金はない……とのことです。暮らしぶりを観察すると、お金の使い方以外にも特徴がありました。妹は水道の蛇口をしっかり閉めず、ぽたぽた水滴を垂らしたままのことがある。冷蔵庫のドアもきっちり閉めないことが多く、警告音が鳴ることもしばしば。外食時には、姉は必ずメニューの中で一番安いランチを選ぶ一方、妹はデザート付きの一番高いランチを注文。小さな違いですが、積み重なれば大きな差になります。
こうしたエピソードから見ると、お金が貯まらない人は「細かなお金に無頓着な傾向があるのかもしれない」と感じさせられます。
お金持ちは、小銭にシビア!小さな習慣が大きな差を生む
蛇口から落ちる一滴は取るに足らないように思えますが、1日中続けばバケツいっぱいの水になることもあります。お金も同じ。小さな出費と思っていても放置すれば、大きな出費につながります。お金持ちは、小銭にシビアといいますが、実際、その分だけ資産を守りやすいのです。●細かなお金に注意するポイント1:「見えない出費」を意識する
ちょっとしたコンビニの立ち寄りや、自販機のドリンク。1回200円でも週に3回、1年間継続すると約3万円になります。こうした“しずく”を止めるためには「買わない仕組み」を作ることが効果的です。例えばぺットボトルのお茶を毎回買う代わりに、水筒を持参するだけでも大きな節約になります。
●細かなお金に注意するポイント2:支払い方法を工夫する
現金を一万円札で持ち歩くと、細かいお金が必要になったときについ崩してしまい、その後は小銭や千円札がどんどん減っていきます。逆に、千円札を中心に持ち歩けば、残高の感覚が強まり、使い過ぎ防止になります。
また電子決済にすると、履歴が自動で残り、後から「今月は外食にいくら使ったか」が一目で分かります。さらに商品やサービスによってはポイント還元もつくので、節約とお得の両立につながります。
●細かなお金に注意するポイント3:サブスクリプションサービス(定額サービス)を棚卸し
動画や英会話、ヨガ・ストレッチなどの定額サービス料、保険料、携帯のプラン料金など、毎月引き落とされるお金は“気付かない出費”の代表です。
いちど契約すると安心して放置しがちですが、本当に必要かを定期的に確認しましょう。使っていないサービスを解約するだけで、年間数万円の節約になることもあります。
今日からできる行動とは?
今日から始められる、具体的な行動とは以下のようなことです。・財布の中身を千円札に変える
・電子決済をメインにして履歴をチェックする
・必要のない定額サービスを1つ解約する
・食料品の買い物は週に2回、コンビニでの買い物は「月に2000円以内」などルールを決める
小さな一歩でも、積み重ねれば大きな効果があります。お金が貯まる人と貯まらない人の差は、“大金の使い方”ではなく、こうした日常の小さな選択に表れるのです。いずれも大きな努力は不要です!