
定期預金を中途解約する人のなかには、衝動的に動いてしまうケースと、計画的に資金を動かすケースがあります。つまり「解約=貧乏体質」という単純な話ではなく、大切なのは目的を持って解約しているかどうかなのです(画像:PIXTA)
では、銀行の窓口で定期預金を途中解約する人のなかで、どのような人が「お金持ち体質」なのか、それとも「貧乏体質」なのかを見ていきましょう。元銀行員の筆者がその分かれ目を解説します。
貧乏体質な人のケース
「オトクな定期預金キャンペーンだから今がチャンス!」と深く考えずに預け入れてしまうのは要注意です。このような人は、日常の生活費や突発的な支出を見込まずに資金を預けてしまう傾向があり、結果的にすぐに定期預金を解約せざるを得なくなります。
もちろん中途解約しても元本は保証されていますが、当初予定していた利息は受け取れません。それは大きな損失ではないものの、「小さな損失を積み重ねてしまう行為」と言えるでしょう。
金持ち体質な人のケース
一方で、定期預金を単なる「資金運用の手段」と捉え、より有利な投資や目的のために中途解約する人もいます。特にインフレ局面では「定期預金よりも投資へ」と判断するほうが合理的な場合もあり、条件のよい運用先へ資金を動かすという柔軟な発想を持っています。
このように「お金を働かせるために最適な場所を選び直す」という考え方は、まさにお金持ち体質の特徴だと言えるでしょう。
現在のインフレ・金利上昇局面で考えるとどうすればいい?
インフレや金利上昇のタイミングだからといって、必ずしも中途解約が正解とは限りません。もし預け入れている定期預金が高金利であれば、解約することで逆に不利になってしまう可能性もあります。
ただし「よりよいチャンス資金」へ切り替えるなら、一概にNGとも言えません。
大切なのは、定期預金をどう活用するかという計画性と、「お金をどう増やしたいのか」という目的意識です。
結局のところ、
・生活が苦しくて解約→貧乏体質
・よりよい選択をするために資金を動かす→金持ち体質
と考えられるでしょう。
つまり、計画性なく衝動的に預けたり引き出したりする人は「貧乏体質」、一方で資金を柔軟に動かせる人は「金持ち体質」と言えるのではないでしょうか。