慶弔事用のふくさの選び方
絹の手ふくさ 紫 |
ふくさは「紫」が格式もあり、慶弔両用で使えて重宝します。まず一つめをとお考えでしたら、正絹の紫無地をご用意されることをお勧めします。絹織地(生地)は、縮緬(ちりめん/畝<ウネ>があり縮れたもの)や塩瀬(しおぜ/まっすぐの畝がありシャキッとハリのあるもの)、つづれ織り(表裏なく同じ柄を織り出す、一回一回経糸<たていと>に緯糸<ぬきいと>を通し爪で糸を掻き寄せて織り込まれるもの)、名物裂(主に名物茶入れ・掛物に添えられた裂の復元織と写し)などがありますので、お好みのものをお選び下さい。
染めも無地や小紋、友禅、刺繍の入ったものなど様々あります。一つめは無地を二つめ以降はお好みでどうぞ。家紋やお名前を入れるのも良いと思います。
台つきふくさや、ポケット式の簡易な金封ふくさ、また正絹でないものは、「一生もの」と言った時には、あてはまらないのではと思います。
私はお茶を習う前に、着物が好きになり、呉服屋さんや和装小物屋さんも方々、歩き訪れましたが、風呂敷を扱っていらっしゃれば、その小風呂敷とも言える「ふくさ」も大抵は置いてありますので、まずは、ご自分の目で色々と店頭で吟味されるのが一番だと思います。デパートも元は呉服屋だったりしますので、必ず詳しい担当の店員さんがいらっしゃるので、用途や好み・予算などをお伝えして、ゆっくりお選びになるのがよろしいかと思います。
私自身が日々肝に命じなければならないことですが、一生ものだから高価なものをというわけではなく、お客様や贈る方に差し出して失礼のない、自分が持つものとして分相応なものを選びたいですよね。
次のページは、目の保養に美しい「土田友湖(つちだゆうこ)」の古帛紗を御紹介します。