
不安にならない資産形成の方法とは?(画像:PIXTA)
今回は、東京都在住の「tj」さん(32歳)。アルバイト収入の中で少額から投資を始め、将来の不安に備えてコツコツ資産を積み立てています。
■プロフィール
ペンネーム:tjさん
年齢:32歳
性別:女性
家族構成:父65歳・母59歳と同居
居住:東京都(持ち家/戸建て)
職業:パート・アルバイト
年収:本人100万円未満
■資産と投資状況
現金・預金:約30万円
リスク資産:約20万円
- 投資信託:20万円
毎月の積立:3万円程度
投資信託の積立をしていますが「生活費に影響が出るほどの損失が出ないか」という不安も
tjさんが投資を始めたのは2024年。きっかけは「将来に不安があったため」でした。まだ投資歴は浅いものの、「少額投資を通じて、緊急時に頼れる資産を少しずつつくりたい」と考えています。投資スタイルは「投資信託を長期で少額をコツコツ積み立てること」といいます。
毎月3万円程度を無理のない範囲で投資信託に回しています。日々の確認は月に1回程度にとどめ、短期的な値動きに振り回されず、長期的に貯蓄していくことを意識しているそう。
情報収集はSNSや書籍、証券会社の発信などから行っていますが、「無駄遣いが減ったこと」が投資を始めて得られた大きな変化だといいます。
一方で「生活費に影響が出るほどの損失が出ないか」という不安もあり、まだ具体的な運用方針を確立する段階には至っていません。
専門家への質問
そこで専門家に投げ掛けたいのは、次のような問いです。「アルバイト収入が少ない状況でも、生活費を圧迫せずに少額から始められる投資や、初心者向けの安全な運用方法についてアドバイスを聞きたいです。リスクを抑えながら少しずつ資産を増やす方法が知りたい! よろしくお願いします」
今回の「tj」さんからの質問に、ファイナンシャルプランナーの舟本美子さんが回答します!
ファイナンシャルプランナーの舟本美子さんからのアドバイス
アルバイト収入の中から、毎月コツコツ投資信託に積立をされているのは大変堅実な取り組みです。「無駄遣いが減った」というのは、投資を始めたことで目的意識が明確になり、家計管理の意識が高まった証拠。若いうちからその習慣が身についているのは、今後の人生にとって大きな財産となります。投資額はご自身が無理のない範囲で設定しましょう。月3万円の投資信託の積立をしていて損失が出るのが不安であれば、積立額を見直してもいいでしょう。
まずは生活防衛資金の貯蓄から始めよう
次に、収入が限られていても無理せず始められる、安全な資産形成の具体策をお伝えします。・安全商品で生活防衛資金を確保する
現時点では投資よりも、まずは生活防衛資金の貯蓄を優先しましょう。毎月3万円を投資信託に積み立てていますが、預貯金額は30万円と少なめです。まずは自動積立定期預金などの安全商品を活用し、生活費の3~6カ月分(可能であれば1年分)を確保することを目標にしてください。例えば月15万円の生活費なら90万円が目安です。急な出費があっても、投資資金を崩さずに対応できるようになります。
・新NISA(少額投資非課税制度)の「つみたて投資枠」を利用する
まだ使っていないようであれば、新NISAの利用を検討しましょう。新NISAは投資で得た利益が非課税になる制度です。「つみたて投資枠」には、国が定めた一定の条件をクリアした長期投資に適している投資信託がそろっているため、初心者でも安心して運用ができます。
・インデックスファンドを中心に選ぶ
例えば「全世界株式インデックスファンド(オール・カントリー)」のような商品なら、先進国から新興国まで幅広く分散投資が可能。リスクを抑えつつ、世界経済の成長を取り込めます。
まずは生活防衛資金を貯め、少額からでも、目的を持ってコツコツ積み立てることで、将来の安心につながります。今の堅実な姿勢を続けていけば、着実に資産は育っていきますよ。
教えてくれたのは……
舟本 美子さん
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。保護猫たちと暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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※記事の内容はあくまで個人の体験談および専門家の一般的な見解であり、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。
※投資には元本割れを含むリスクがあり、将来の成果を保証するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。