停電時に役立つのはオフグリッドな工夫?(画像:PIXTA)
足元を導く光るテープや、ペットボトルを使った即席ランタン、乾電池式のラジオなど、身近なアイテムが暗闇での不安を和らげてくれます。さらに、いざというときに電力を補うポータブル電源も心強い存在です。今回は、停電時に役立つ「オフグリッドな工夫」を中心に紹介します。
地味だけれど頼れる存在!「蓄光テープ」で視界をキープ
真っ暗な家の中を歩くとき、最も怖いのは、足元の段差につまづいたり、家具にぶつかって転倒してしまうこと。そんな不安を取り除いてくれるのが、電気を必要としない「蓄光テープ」の存在です。昼間の明かりや普段の照明で光を蓄え、停電時や深夜の暗闇でぼんやりと光を放ちます。階段や廊下の縁などの段差やテーブルの柱に巻いて衝突を防止したり、ドアノブや手すり、非常口の付近に貼って位置を分かるようにしておけば、停電中でも導線が確保できます。さらには、夜中にトイレに行くときの目印にもなるので便利。
100円ショップなどで手軽に入手できるため、導入のハードルも低めですが、安価なものは、数分~数十分程度と発光時間が短いものが多いため、できれば長時間光る性能のよいタイプを選ぶと安心です。
サバイバル気分? ペットボトルで「即席ランタン」
暗闇で頼りになる懐中電灯ですが、照らせるのは限られた範囲だけ。部屋全体を明るくするには、少々物足りません。そこで役立つのが、身近なペットボトルを利用した「即席ランタン」です。作り方はカンタン。水を入れたペットボトルの底から懐中電灯やスマホのライトを当てれば、水が光を散乱させて、空間に柔らかな明かりが広がります。ペットボトルがないときは、スマホのライトにアルミホイルを軽くかぶせて反射させる手も。ただし、懐中電灯に直接巻きつけるのは、発熱の危険があるので避けましょう。電源を使わない「手回し式のラジオ」で情報を確保
停電になると、テレビは映らず、スマホも充電が切れればそれまでです。しかも、停電時は充電環境が限られるため、スマホのバッテリーはできるだけ温存しておきたいもの。そんなときに心強いのが、電源を必要としない「ラジオ」の存在です。電波さえ届けば使えるため、通信が不安定になる災害時でも、情報を確実に得られるのが大きな強み。停電の原因や復旧の見込み、避難所の開設状況などを知るためには、正しい情報源が欠かせません。おすすめは、手回しで発電できるタイプ。これなら乾電池がなくても使えますし、スマホへの充電機能を備えたモデルならさらに安心です。また、電池式ラジオを使う場合は、予備の電池を別に保管して、定期的に補充しておくことをお忘れなく。
レジャーや日常にも使える「ポータブル電源」は一家に一台あって損なし
スマートフォンの充電が切れそう……停電時にそんな不安を抱くのは、大きなストレスですよね。今や「モバイルバッテリー」は必須品ですが、長時間の停電や複数の端末などを充電するには力不足です。そこで活躍するのが大容量の「ポータブル電源」です。スマホやパソコンはもちろん、扇風機や小型家電も動かせるため、停電時の安心感は格別。価格は数万円~十数万円と、決して安い買い物ではありませんが、防災だけでなく、キャンプなどアウトドアや、日常の節電にも使えるなど、活用の幅は広いのです。
選び方のポイントは、自分のライフスタイル、使用シーンに合わせて、容量、重さ、充電方式(コンセント・車載・ソーラー対応か)を確認すること。近年は、太陽光パネルで充電できるモデルも人気です。電気代が高騰するなか、昼間の太陽光で充電した電力を夜に家電に回すなど、日常的な節電に活用する人もいます。
注意したいのはメンテナンス。ポータブル電源は定期的に充電しておかないと、バッテリーが劣化し、いざ使おうとしたときに動かないことも。「使わず放置」はタブー。普段から小さな家電やレジャーなど、常に稼働状態を保っておくことが大切です。
監修/東京電力パワーグリッド 取材・文/ニシオヒデコ






