2025年7月19~20日にかけて開催された第41回AW(オークションワールド)オークションにおいて、伊藤博文の千円札が額面の120倍となる12万円(手数料込みで13万3200円)で落札されました。伊藤博文の千円札は今から40年以上前に利用されていたものなので、プレミアムが付くことは十分考えられるのですが、なぜここまで高額落札になったのでしょうか?
古い紙幣ほど「A-A券」の価値が高い

額面の120倍の金額で落札された実際の千円札(表面) ※画像:第41回AWオークション
A-A券は、ご存じの人も多いかもしれませんが、紙幣が発行される際の初期のものを示します。A-Aからはじまり、A-B、A-Cと続き、Z-Zとなった後にAA-Aが発行されます。現行の新紙幣はAA-AA券が初期発行のものですが、それ以前の紙幣はA-A券が初期発行として珍重されます。
今とは異なり、当時はA-A券に注目する人も少なかったため、あまり残っていないのかもしれません。そのため、高値となった可能性があります。なお、伊藤博文の千円札には、黒色記番号のものと紺色(青色)記番号のものがあります。黒色記番号は1963年11月1日発行開始、紺色(青色)記番号は1976年7月1日発行開始となっており、いずれの色のA-A券も高額落札となる傾向があります。
伊藤博文の千円札はゾロ目よりもA-A券の方が高くなる傾向あり

額面の120倍の金額で落札された実際の千円札(裏面) ※画像:第41回AWオークション
A-A券は、黒色も紺色(青色)も90万枚発行されているため、決して全く残っていないというわけではないものの、未使用で残っているケースは少ないでしょう。とはいえ、実家などに古い紙幣が残っている人は探してみる価値はありです。仮に、紙幣発行時にA-A券を確保し金庫に入れておけば宝くじに当選するようなことになったわけです。もちろん、たらればの話ではあるものの、紙幣がまさかのプレミア紙幣に化けるケースもゼロではありません。新紙幣も含めて、ぜひA-A(AA-AA)券を探してみてくださいね。
<参考>
第41回AWオークション Lot番号:370 日本 伊藤博文1000円札 Bank of Japan 1000Yen (Ito Hirobumi) 昭和38年(1963~) (UNC) 未使用品
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