平均食費は月6万円超! 物価高で前年比14%増
マネーフォワードの家計簿アプリ利用者を対象にした調査によると、2024年の平均食費は三大都市圏で月6万55円、その他の地域で4万9079円でした。いずれも前年比で13~15%程度増加しており、物価高が家計に直撃していることがうかがえます。◆三大都市圏とそれ以外の地域の平均食費の推移 一方、外食の支出(カフェ支出を含む)が食費に占める割合は三大都市圏で19%、地方で16%と高めで、「節約志向」と「生活の楽しみ」の間で揺れる様子も見えてきます。こうした中で、家計にとって無理のない正解ラインをどのように考えるといいのでしょうか。
毎月の食費は、どれくらいが理想?
物価高の波は家計を直撃しています。しかし、実際のところ「今月こそ食費を抑えるぞ!」と意気込んでも、スーパーで割引シールを見た瞬間、「これは買うしか……」と謎の使命感が湧き上がることも。さて、家計管理の基本として、食費は手取り収入の10~15%が理想的と言われています。あくまで“理想”です。まずは、手取り収入ごとの目安とされる金額を見てみましょう。
◆手取り月収に対する食費の目安(月)
25万円:2万5000円~3万8000円
30万円:3万円~4万5000円
40万円:4万円~6万円
50万円:5万円~7万5000円
「こんなもので足りる?」と思った方、安心してください。これはあくまで、収入に対する目安ですので、実際には家族の人数によって現実的な最低ラインがあります。3~4人家族なら、自炊中心でも6万~7万円はかかって当然です。
育ち盛りの子どもがいる場合、買っても買っても、すぐに冷蔵庫は空になります。我が家の場合、家族4人(私・夫・高校生の息子と娘)で暮らしていた時の食費は平均で8万5000円でしたが、息子が大学生になり一人暮らしを始めると、食費はなんと5万円台に! 我が家のエンゲル係数の多くを息子が占めていたことにびっくりしました。
家計の割合は大事だけど、世帯人数によって調整を
食費の目安は手取り収入の10~15%が基本ですが、それだけでは判断できないのが現実です。特に食費は、世帯人数や家族構成よって最低限必要な額が大きく変わるからです。育ち盛りの子どもがいれば、おかずが少ないと「え、これだけ?」と真顔で確認されたり、「おかわり!」の声が飛び交い、炊飯器の底が見えるのも、もはや日常茶飯事です。そこで、世帯人数別の食費目安をざっくりまとめてみました。
◆世帯人数に対する食費の目安(月)
1人:2万~3万円
2人:3万~5万円
3~4人:5万~8万円
5人以上:8万円以上
大切なのは、各家庭に合った適正ラインを把握し、無駄遣いを減らす工夫をすること。例えば、「特売日を活用したまとめ買い」「ふるさと納税の活用」「外食をご褒美枠にする」など、小さな工夫の積み重ねが食費をコントロールするカギになります。
「食費を節約しなきゃ!」と思いがちですが、実は、食費こそ健康と幸せの土台となる価値ある支出。予算を決めて、メリハリのある賢い使い方を目指しましょう。
アンケート調査出典:2024年の月平均食費は、三大都市圏において60,055円、三大都市圏以外で49,079円。三大都市圏以外の食費は前年比14.9%増加、インパクトがより大きく(株式会社マネーフォワード)