亀山早苗の恋愛コラム

「誰と一緒にいたの?」「女性?」と毎日聞く嫁にうんざり……。“妻の支配”がしんどい夫たち

若いころは嫉妬されてもうれしかった。でも、結婚して10年、一緒にいないときのことまで全てを把握したがる妻にはもううんざりだと40歳男性は言う。精神的自立ができずにいる妻との関係にストレスを感じている夫たちに話を聞いた。※サムネイル画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

恋愛 ガイド

どうして男女は愛し合うのか、どうして憎み合うのか。出会わなくていい人と出会ってしまい、うまくいきたい人とうまくいかない……。独身同士の恋愛、結婚、婚外恋愛など、日々、取材を重ねつつ男女関係のことを記事や本に書きつづっている。

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妻はなぜ夫を「自分の思い通り」にしたがるのか(画像出典:PIXTA)

妻はなぜ夫を「自分の思い通り」にしたがるのか(画像出典:PIXTA)

恋人時代はかわいかった。新婚時代もいつも一緒にいたかった。だが子どもが生まれ、年月がたつにつれ、妻は変わっていった。そう嘆く男性は少なくない。変わっていくのはお互いさまだが、それでも「妻との関係を修復できなくなっている」と感じる男性に話を聞いてみた。

妻の支配欲がつらい

「若いころは嫉妬されるとうれしかった。でも子どもが小学校に入るような年齢になっても、嫉妬や独占欲を前面に出されるとつらくなっていきました」

ヒサオさん(40歳)はげんなりした表情でそう言った。何時に帰ってくるの、誰と一緒にいたのと妻は毎日聞く。

「そのうち気づいたんです。嫉妬は愛じゃない、嫉妬は支配欲なのではないかと。妻は僕の全てを把握していないと気が済まないみたい。職場の飲み会があると言うと、女性は何人くるのか、一次会だけで帰ってきてと命令口調で上から言う。飲み会中にも電話がかかってくる。帰宅すると『隣に座ったのは女性?』と尋ねてくる。知り合って13年、結婚して10年。もういいかげん、解放されたい気持ちになってきました」

家事分担にも不満が……

妻は寂しがり屋だと分かっている。9歳と5歳の子を育てながら、パートで仕事をして大変なことも承知している。だからこそ、週末はいっさいの家事をヒサオさんが担ってきた。妻は平日、掃除をしない。ヒサオさんは各部屋はもとより、風呂からトイレまで集中して掃除をし、ほぼ1週間分の買い物もすませておく。作り置きの総菜を冷凍庫に入れておくのも毎週末の彼の仕事だ。

「結局、家事分担といっても妻がやるのは洗濯と食事の支度だけ。うちは洗濯乾燥機を使っているから、放っておけば乾燥までできる。食事の支度といっても、妻は炊飯器でごはんを炊いて、肉か魚を焼いて冷凍庫にある総菜を出せばいい。最近は遅くまで残業をしないから、僕が帰宅するとちょうど家族は食べ終わったころ。僕は自分の分を食べてから、家族分の食器を洗う。子どもたちがそろそろ寝る時間になるから、明日の学校の準備を確認してしゃべって寝かせるのも僕。妻はだいたいソファに寝転んでテレビを見てる。なんだか割に合わないなあという気がしてならないんです」

その上、一緒にいないときのことまで支配してくるのがうんざりだと彼は言うのだ。いいかげん、精神的に自立してほしいと言ったこともある。

「僕は大人だから、きみに母親を求めてはいない。そう言ったら妻はみるみる涙目になって。時間があったら何か勉強するなり趣味を作るなりしてみたらと言うと、『私の趣味と生きがいはあなたなの』って。だったら放っておいてくれるのが僕の一番の望みだよと言ってしまいました。頼るフリして実は支配している。そういう自分の気持ちに彼女は気づいてないんですよ」

いつまでこの状態が続くのか。考えるだけで疲れると彼はつぶやいた。

妻の命令口調がつらい

子どもができてから、自分も子ども扱いされるようになったというマサトさん(43歳)。子どもへの口調がそのまま夫にも向けられるのだという。

「母親として子どもたちに『早く歯磨きしなさい』『早く宿題やっちゃいなさい』というのは分かる。でもそのまま僕にまで『あなたも早く寝なさい。また寝坊するわよ』『いつまでグズグズ飲んでるの、さっさと食べちゃいなさい』という言い方はどうかなと思いますね」

夫を立てろなどという時代錯誤の考えはない。ただ、大人として扱ってほしいだけだ。自分で勝手に夫を子ども扱いしておいて、近所の人と立ち話をしているときに『うちは子どもが3人いるようなもの。夫が一番手がかかる』というのはやめてほしいと彼は言う。

「妻が勝手に僕を子ども扱いしているだけなのに、あたかも僕に手を焼いているかのように話すんですよね。ああいうふうに話すことで、妻の気持ちは満足するんでしょうか。不思議でたまらない」

もっと大人の会話がしたいのに

子どもが小さいころは、それについて苦々しく思いながらも、妻も大変なのだから一緒くたに子ども扱いした方が楽なのかもしれないと理解を示していた。だが子どもが中学生と小学校高学年になった今、妻とはもっと大人の会話をしたい。

「妻は『私がいないと夫も子どももダメだ』と考えている。だけど先日、妻の父親が倒れたと連絡があって妻が実家に飛んで行ったときの数日間、うちは僕と子どもたちだけでうまくやってましたよ。3人で夕飯を作ったり、週末だったから3人で映画を観に行ったり。子どもたちも母親に『さっさと寝なさい』と命令されるより、『そろそろ寝るか』と僕に言われた方がいいと言っていた。まあ、妻が傷つくからそれは言えませんが」

父親は大病ではなかったため、妻はホッとして帰宅したようだが、家の中が片づいているのを見て少し不満そうな顔をした。

命令する対象を探している?

「私がいなければダメだというのが覆されたわけですからね、妻としては面白くなかったのかもしれない。そう考えると、妻は常に怒ったり命令したりする対象を探しているのではないかとさえ思いました」

一家の中心は主婦である私。妻がそう言ったことがあるとマサトさんは言う。その言葉は「家族は立場は違っても、人として対等なチーム」という彼の考えとは異なる。そのあたりもゆっくり話し合ってみたいが、妻はそういう話し合いは避けたがる。

「人に命令されて喜ぶ人間はいませんからね。家族といえどもそれぞれの個性は尊重されるべきだし。そのあたりに妻との溝を感じますね」

それでもあと8年ほどは子どもたちのために頑張るしかないとマサトさんは言う。いつか妻が考えを変える日が来ることを祈りながら……。
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