1. 窓やドアの隙間が多い
せっかくエアコンの冷房で室内を冷やしても、窓やドアの隙間が多いと外の空気が入り込んで、冷たい室内の空気が逃げやすくなります。その結果、エアコンで冷やしてもすぐに室温が上昇し、効率が激落ちしてしまうのです。●改善策
ホームセンターなどで買える隙間テープやパッキンなどで密閉性を高めましょう。古い建物は特に要チェック。ドアの下の隙間にドラフトストッパー(挟むだけで室内の空気が逃げることを防ぐアイテム)を使うと効果的です。
2. 大きな窓で直射日光が入る
当たり前のことなのに、実は見落とされていることが多いのが直射日光です。強い日差しが室内の温度を上げ、冷房効率を落としてしまいます。●改善策
室内に直射日光が入ってくるのを防ぐことは、日本でも昔からやっており、すだれやよしずなどがそれに当たります。最近のものでいえば、シェードやオーニングなどを設置するのもいいでしょう。部屋の外に設置するのが難しい場合は、遮光カーテンや断熱フィルムの設置も効果があります。ただし、複層ガラスに断熱フィルムを貼るとガラスにヒビが入ることもあるので、自分の家の窓ガラスが設置可能なのか、専門家に確認してください。
3. 窓ガラスが単板で断熱性が低い
複層ガラスではない単板ガラスは、熱が伝わりやすく外の熱が室内に入りやすくなります。同時にエアコンの冷房で冷やした冷気も逃げやすく、効率が落ちてしまうのです。●改善策
少しお金はかかってしまいますが、複層ガラスの導入を検討するのもいいでしょう。断熱フィルムを貼り付けたり遮熱カーテンを利用したりするだけでも、冷房効率は上がります。
4. エアコンの風を遮る家具配置
実は気付かれにくいのですが、家具の配置によっても冷房効果に差が出てきます。冷気の通り道に家具を置いていると、冷やしたい場所まで冷気が届かず、結果として設定温度を下げすぎて電気代が無駄にかかってしまうのです。●改善策
どこに家具を置けばいいかは、その家の間取りや人がいる位置によって異なります。自分の家はどのようにすればエアコンの冷風が人がいる場所に届きやすくなるか、検討してみてください。家具を移動できないようであれば、扇風機やサーキュレーターを使って冷気の流れる方向を変えてみましょう。
5. エアコンのフィルターが汚れている
定番中の定番といってもいいですが、意外と多いのがエアコンのフィルターにホコリが付いているご家庭です。フィルターが詰まっていると冷気が通らなくなり、その結果、どんどん設定温度を下げて無駄に電気代がかかってしまうことになります。また、フィルターのホコリにカビが生えると、そのカビを室内に撒き散らすことになるので、健康面を考えてもエアコンのフィルター掃除は必須です。●改善策
フィルターの汚れ方はその家のエアコンを使う頻度や、ホコリっぽさの具合によって変わってきますが、2週間に1度、最低でも1カ月に1度はフィルターを掃除し、清潔に保ちましょう。
6. サーキュレーターで部屋全体の空気を循環させている
「エアコンの効率を上げるためにサーキュレーターで部屋全体の空気を循環させましょう」というのは、冷房時も暖房時もエアコンの電気代節約技としてよく耳にすると思います。しかし、これは全ての家に当てはまるものではないので、注意が必要です。例えば、ロフトがある部屋などでは天井が高く、そこを含めて冷気を循環させようとするのは勿体ないことだと簡単に理解いただけるでしょう。また、室内に複数人がいて全体を冷やしたい場合は、部屋全体の空気を循環させるのもいいですが、部屋に1人しかいない場合はそこに冷気が届けばいいのです。
●改善策
なんでもかんでも「空気を循環させればいい」と思わずに、自分の家のケースを考えるといいでしょう。分かりにくい場合は、エアコンの冷気が出る向きと人がいる場所を図に描いてみてください。おのずと、どこにサーキュレーターを置けばエアコンの冷気が人がいる方に流れるかが見えてきます。
7. エアコンの電源のオン・オフを繰り返す
エアコンは起動時に多くの電力を消費します。少し部屋を出るからと、頻繁にオン・オフを繰り返すのはかえって電気代がかかってしまうのです。●改善策
冷房時のエアコンのオン・オフの目安はメーカーにより多少の差があり、時間帯によっても変わってきますが、目安として「30分以上部屋を出るのであればオフにする」というのを覚えておくといいでしょう。
8. 天井や屋根の断熱性能が低い
太陽光に照らされるため、家は上から熱が入りやすくなっています。断熱が甘いと屋根からの熱が室内に伝わりやすくなり、冷房の負担が増えてしまうのです。●改善策
費用はかさみますが、断熱材を増やす、遮熱塗料を塗る、屋根にグリーンカバーを設置するなどで熱の侵入を抑えることができます。2階建てや3階建ての家であれば、屋根から距離があって直射日光が当たりにくい1階の部屋で過ごすというのもおすすめです。
今回ご紹介したように、同じエアコンを使っていたとしても、その使い方1つで冷房効率が下がってしまい、無駄に電気代がかかってしまうことになります。ご紹介した8つの内容の中には、出費がないもの、少額の費用でも対応可能なものがありますので、この夏にぜひお試しください。