Q. 不安定な相場における投資との付き合い方を教えてください
「トランプ関税の発令をきっかけに、株価が上がったり、下がったりして、心が休まりません。こういう不安定な相場のときは、どのような心持ちでいるべきでしょうか?」(Kさん/会社員)A. 投資行動は大きく変えず、長期目線で考えることが大事
中野:相場とご自身の心が動揺しているときこそ、“ステイ”だと思います。つまり、相場が大きく動いているときほど、投資行動を大きく変えるのではなく、腰を据えて構えるべきなのです。この感覚は、投資における普遍的な真理だと思いますので、ぜひ覚えておいてください。今年4月に起きたような相場の下落や調整局面は、個人的には長期化する可能性があると見ています。しかし、決してこの状況が永遠に続くわけでもありません。いずれ、また平穏な相場は戻ってきます。だからこそ、先を信じて、長期で投資を続けていただきたいと思います。
田村:たとえ大きな下落があっても、何十年後かに振り返れば「さざ波」に見えるものです。世界全体で見れば、経済は成長し続けていますからね。長期投資であれば、今はあまり動揺せず、落ち着いて構えていていいと思います。
※本記事の内容は、2025年4月23日に公式YouTubeチャンネル「All About マネー」で配信された内容に基に作成しています。
回答してくれたのは……
中野晴啓(なかの・はるひろ)なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長。
元セゾン投信創業者。長年にわたり「長期・分散・積立」投資を提唱し、日本の個人投資家に向けた資産形成の啓発に尽力。2023年、なかのアセットマネジメントを設立し、個人投資家本位の資産運用をさらに追求している。温かく率直な語り口と、実直な投資哲学に定評がある。著書に『ほったらかし投資はやめなさい』(宝島社)など、資産運用に関する書籍を多数執筆。
田村正之(たむら・まさゆき)日本経済新聞 編集委員。
金融・経済分野を中心に、個人の資産形成やマネーリテラシーに関する記事を多数執筆。分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、多くの読者から信頼を集めている。各種メディアや講演活動などでも活躍し、生活者目線の情報発信を続けている。著書に『間違いだらけの新NISA・イデコ活用術』(日経BP日本経済新聞出版)など、他多数。
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