Q. 不安定な相場ですが、商社株や自動車株、投資信託などに長期投資を続けても大丈夫ですか?
「リーマンショックの頃、とある独立系投資信託で積立投資を始めました。併せて、商社株や自動車株を少しずつ買っていました。相場はドタバタしていますが、十分含み益もあって、配当もたくさんいただき、応援し続けています。このまま、長期投資でじっくり様子を見て、保有し続ければよいでしょうか?」(匿名希望さん)※株価が千円以下程度の株A. 現状では動かないほうがいいと思います
中野:マーケットや社会全体が不確実な状況では、これまでと全く異なる投資行動を取るのは避けるべきでしょう。本当に信頼できる資産や、「どうしても応援を続けたい」と思える企業があるならば、マーケットの状況に左右されず、投資を続けるべきだと思います。一方、「別の魅力ある投資対象に入れ替えたい」ということであれば、それはタイミングに関係なく構わないと思います。ただし、単にリスクを下げるために、銘柄の入れ替えをするという話ではなく、可能性がある別の方向に資金を振り向けたいという、前向きな意思であることが前提です。
私たちの運用ポートフォリオでも、こうした不安定なマーケット状況の中で、「この事業はトランプ政権の影響が強く出そうだ」とか、「この企業は成長の確信度が下がったな」と感じたら、迷わず売却して、より確信度の高い銘柄に素早く入れ替える判断をしています。ですから、「ポートフォリオの入れ替え自体が悪い」ということではありません。
※本記事の内容は、2025年4月23日に公式YouTubeチャンネル「All About マネー」で配信された内容を基に作成しています。
回答してくれたのは……
中野晴啓(なかの・はるひろ)なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長。
元セゾン投信創業者。長年にわたり「長期・分散・積立」投資を提唱し、日本の個人投資家に向けた資産形成の啓発に尽力。2023年、なかのアセットマネジメントを設立し、個人投資家本位の資産運用をさらに追求している。温かく率直な語り口と、実直な投資哲学に定評がある。著書に『ほったらかし投資はやめなさい』(宝島社)など、資産運用に関する書籍を多数執筆。
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