亀山早苗の恋愛コラム

関係を持った翌日に別のアプリで……。50代女性がシニア婚活で出会った「ドン引き男性たち」

もう一度ときめきたい。一人になるのが寂しい。さまざまな理由でシニア婚活に踏み切った女性たち。だが、「この人」と思った相手でも、後に衝撃の事実が発覚することもある。50代女性たちが出会った「ドン引き男性」とは……。※サムネイル画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

恋愛 ガイド

どうして男女は愛し合うのか、どうして憎み合うのか。出会わなくていい人と出会ってしまい、うまくいきたい人とうまくいかない……。独身同士の恋愛、結婚、婚外恋愛など、日々、取材を重ねつつ男女関係のことを記事や本に書きつづっている。

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婚活相手を食事に招いて発覚した衝撃の事実とは(画像出典:PIXTA)

婚活相手を食事に招いて発覚した衝撃の事実とは(画像出典:PIXTA)

大人だからこそ気を遣って、相手に本音が言えない。そういうことはいろいろな場面であるものだが、「大人」層のマッチングアプリでも、そういった問題が起こりやすいという。

人生の冬に「つかず離れずの恋人」がほしかった

離婚して15年、二人の子どもたちも成人年齢に達して「これからは自分のことを考えよう」と思うようになったマサコさん(59歳)。

「もう恋愛なんかすっかり忘れているけど、もう一度、ときめきたいと思いました。それで友人に聞いた、大人向け婚活アプリを試してみたんです」

婚活アプリにしたのは「まじめに付き合いたかったから」だ。付き合った結果の結婚はあり得ると思っていたが、再婚ありきではなかった。

「そこで反応のよかった男性を選んで、何人か会い、さらにまじめそうな人に絞っていきました。結局、数カ月かかって一人の人と会うようになったんです」

彼は2歳年下の自営業者。彼自身も離婚経験者で、ひきとって育ててきた一人息子が就職して家を離れたという。

「結婚はもういいかなと思う気持ちもある。でも例えば70代になったら、一人は寂しいだろうとも考える。今のうちから信頼できる人と、友達以上の関係を続けていけたらいいなと思ってると、彼は言ったんです。私もほぼ同じ考えだったので、また会いましょうということになりました」

男女の関係になった翌日に……

それ以来、時々食事に行ったり映画に行ったりと、のんびりしたデートが始まった。だが1カ月ほどたつと彼が旅行に誘ってきた。男女の関係を持とうということだとマサコさんにも分かった。

「恥ずかしいけど、私も男性に求められたい気持ちはあった。だから旅行に行きました。ただ、男女の関係になった翌日、彼がこっそり別のマッチングアプリを操作しているのを見てしまったんですよ。『何なの』と頭が真っ白になりました」

関係を持ってすぐ別の女性と会う気なのかと彼女は疑心暗鬼になり、「何してるの」と声をかけた。すると彼は少しあわてて「いや、仕事」とシラを切った。だが、マサコさんは彼が打っていたメッセージが目に入っていたので、「あれは女性に、それもかなり気持ちが入っている女性に送ったものだ」と確信していた。

「でも彼が違うと言うのだからといったんは私が引いたんですけど、旅行から帰ったあと、彼から『疑われたことで気持ちが萎えました。もう会うのをやめましょう』とメッセージが来ました。関係を持ってすぐ逃げるように別れるって、なんだか変ですよね」

都合のいいように扱われたと分かり、マサコさんは腹が立った。結局、彼は女性と軽い体の関係を求めていただけなのだろう。

「いまだにムカつきますけどね、気持ちはもう次の人を探そうと思っています」

めげるより先を急げということらしい。

結婚するより同居生活がしたかった

20代で離婚を経験したシオリさん(57歳)は、その後、仕事をしながら親の面倒を見る生活が続いた。30代で父を見送り、15年にわたった母の介護が終わったのが3年前だ。

「気づいたら一人ぼっちになっていた。子どももいませんから。親の介護をしているときは早く自由になりたいと思ったけど、実際、一人になってみるとぽっかり心に穴があいて」

1年ほどたってから、結婚相談所の扉をくぐった。どうしても結婚したいというより、温かい心の持ち主と同居して、生活の中で心を満たしたかったのだという。

「わりと家が近く、『ごく普通の会社員』と自分を称している男性を紹介されました。特に自己主張が強いわけでもなく、私の話を聞いて『いろいろ大変だったんですね。一人で乗り越えてきたなんてすごいです』と言ってくれて」

好感を抱いたシオリさんは、その後、彼とデートをするようになった。互いの家を行き来して、いずれは同居したいと彼女は思っていたが、彼は外での食事ばかり提案した。

彼が家にやってきて発覚した事実

「ことが進展しないので相談所の担当に話してみたら、『彼の方は結婚したいと言っています』とのことでした。私はいきなり結婚という形はとりたくなかった。親が残してくれた財産も少しあるので、相手の男性は見極めたかったんです」

次に彼とデートの話が出たとき、「うちでごはんを食べませんか」と誘ってみた。彼は喜んでやってきた。

「でもね、彼、手ぶらで来たんですよ。もちろん、何度かデートしているからいいんだけど、一応、他人の家に行くのに手土産の1つくらい持っていきませんか、普通。しかも空手でやってきた彼、ものすごく食べたんですよ。外食のときはそれほど大食漢だとは思わなかったけど、うちに来たらすごかった。それこそ食い尽くし系男子だった。彼は少し酔ったせいか、余計なことまでぽろぽろ話し始めたんですよ。『倹約するのはやっぱり食事。一人だとこんな豪華な食事はめったにできない』とか、『一人で飲むときはせんべろ系の安い店ばかりですよ』とか。それまでは彼、普通の会社員と言いつつ、けっこう品を保っていたんです。でもその日は、飲み方も食べ方も汚かった。最後には『あなただってオレと結婚したいんでしょ』と目が据わっていて……。酒癖が悪いんだと分かりました」

翌日には彼女は相談所に連絡、彼との交際を断った。せっかく感じのいい人に出会ったと思っていたのだが、リラックスしたときの彼は「ただの酒癖の悪い、食い尽くし系」だったことが、なんとも悔しいと彼女は言った。

「アプリも相談所も、相手がリラックスしてきて本性を出したところからがスタートですね。そう思うようになりました」

ため息をつきつつ、シオリさんは苦笑いをしていた。
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