スキルアップトピックス

「先生にゴマすり? バカらしい」では損をする……1万人を指導した塾講師が語る内申点のウラ側

高校受験ではテストの点数だけでなく、先生の主観が入りやすい内申点が合否を左右します。塾講師が伝授する、ちょっとズルいけど効果的な「先生を味方につける」テクニックとは?※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

塾講師が伝授する、ちょっとズルいけど効果的な「先生を味方につける」テクニックとは?※画像出典:PIXTA

塾講師が伝授する、ちょっとズルいけど効果的なテクニックとは?※画像出典:PIXTA

テストの点数はいいはずなのに、なぜか内申点が上がらない……。そんな経験はありませんか? 実は、学校の評価はテストの点数だけでは決まりません。子どもの将来を左右する「内申点」の裏側と、損をしないための対策があります。

第一志望合格率96.8%の塾講師が教える 中学生の成績は「親の声かけ」で9割決まる!』(建部洋平著)では、1万人以上の中学生と向き合ってきた塾講師の著者が、成績アップに直結する“親の声かけ”のコツを解説。

今回は本書から一部抜粋し、テストの点だけではどうにもならない「内申点」の攻略法について紹介します。
<目次>

テストの点数がいいだけでは志望校に行けない

高校受験に関しては、テストの点数がいいだけでは必ずしも志望校には行けるとは限らないという現実があります。

そこで、ぜひ親御さんにやっていただきたいことがあります。それは、お子さんの成績に大きな影響を及ぼす「学校」と「塾」を味方につけることです。

まず公立(都道府県立)の高校の受験制度は内申点が重要になってきます。

内申点の評価は、各都道府県や学校によってバラバラなので、ご自分の住む地域がどうなっているかを調べておくとよいでしょう。

進学校になるほど、内申点は取れているのが前提で、当日のテストの点数が合否の分かれ目となります。ただ、どんな学校を受験するのでも無視できないのが、この内申点なのです。

なぜ真面目な子ほど損をする?

内申点はテストの点数だけでなく、授業態度や教科への関心・意欲、提出物など総合的な観点から評価されます。それを判断するのは学校の先生です。

先生も人間です。先生が悪いわけではありませんが、人間である以上、すべての生徒を完全に公平に評価するのは難しいのです。

授業態度や教科の関心・意欲といった評価は、先生の主観が入ることは避けられないでしょう。

かつて、こんなことがありました。

私の教え子で、とても勉強ができる女の子がいました。数学の定期テストは常に90点台後半。提出物はすべて出し、明るく元気で活発な子で、授業中にも積極的に発言をしていました。しかし、ある問題の解き方で、先生に「塾の先生に教えてもらったやり方でやっとるな」とすごい剣幕で叱られ、通知表に最高の5ではなく、4がついたのです。

彼女の解き方は先生と違っていたかもしれませんが、いわゆる裏ワザ的なテクニックで解いたわけではありません。根本的に理解したうえで、より効率的な解き方をしただけです。しかし、その先生は自分が教えていないやり方で解いたことを快く思わなかったようでした。

これは本当に珍しいケースで、ほとんどの先生はしません。

しかし、そんなささいな要因で子どもの将来を左右する成績が決まってしまうこともありました。これが現実です。

先生の心を掴む「あざとい」アピール術

だからこそ、次に紹介する「ゴマすりトレーニング」なのです。

大人の世界でも人と人が接して、その感情も影響してくる場面では、相手にとって心地よい行動を取れるほうが、評価されるものです。

こんなことを正々堂々と言うものではないのですが、それも生きる術の1つです。

「先生にゴマすり? バカらしい……」と思われる方もいるかもしれませんが、自分をしっかり表現できる子や、すでにうまく内申点を取れている子には必要ありません。

ただ、自己表現やアピールが得意な子は圧倒的に少ないと感じます。私の経験上、「この子はアピールがうまいな」と感じる子は、全体の1、2割ほどしかいません。

中学生だからそりゃそうですよね。そのため、先生へのアピールに自信がない子は、ぜひやってみるといいでしょう。

親子のコミュニケーションのきっかけにもなるので、おすすめです。

親子で、「こんなことを言ったら、先生が喜ぶんじゃない?」「ここで質問に行ったら、勉強熱心な子って思われるかもね」など、先生の〝心をつかむ作戦〟を考えるのです。

あからさまにゴマすりではなく、次のように子どもに言ったり、子どもから案を聞いたりしてみましょう。

● 「前の授業の復習をしていたら、ここが少しわからなかったので教えてください」って質問に行ったら、先生にがんばってるって思ってもらえるかもね。

● 普段の授業で、「すごい! 先生の説明は超わかりやすい!」と言ってみたら、先生も喜ぶかもね。

● 今までは自分で解決していた、ちょっとした部活動や友だちの悩みとかを「ちょっと相談に乗ってもらえますか?」って先生に聞くのもいいんじゃない?

こんなふうに声をかけてあげれば、子どもも安心して先生に話しかけられるようになりますし、こうしたやりとりをイヤな気持ちで受け取る先生はいないはずです。

決してウソをついてゴマをするのではなく、「頼りにしている」アピールを自然とできるようにしていくのです。
  建部 洋平(たてべ・ようへい)プロフィール
1977年生まれ、愛知県育ち。大学卒業後、大手学習塾に就職し、生徒アンケートは6年連続1位、歴代最速で本部長に就任。独立後、小学生~高校生を対象にした学習塾Abilityを2校舎経営し、のべ約1万人の生徒を指導。学年トップから学習障害のある子まで幅広く支援し、劇的な成績向上を多数実現してきた。塾生のテスト結果を30点から80点台まで引き上げたような実績をいくつももち、高校受験の第一志望合格率は96.8%(2024年度)、95.2%(2025年度)。また、「ほめる教育」の重要性を伝えるため、日本ほめる達人協会の特別認定講師資格を取得。企業研修や講演活動も行い、2023年認定講師コンテストでは準優勝。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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