スキルアップトピックス

子どもの成績が低迷する家庭の「悪習慣」とは? 1万人以上を指導した塾講師が指摘する絶対タブー

子どものテスト結果に一喜一憂し、褒めたり叱ったりするだけで終わっていませんか? 1万人以上を指導した塾講師が、子どものやる気を引き出す具体的な声かけ方法について解説します。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

子どものテストの結果に、親としてどう対応する? ※画像出典:PIXTA

子どものテストの結果に、親としてどう対応する? ※画像出典:PIXTA

子どものテストの結果を見て、つい感情的に声をかけていませんか? その後の対応を間違えると、子どものやる気も成績も、かえって下がってしまうかもしれません。

第一志望合格率96.8%の塾講師が教える 中学生の成績は「親の声かけ」で9割決まる!』(建部 洋平著)では、1万人以上の中学生と向き合ってきた塾講師の著者が、成績アップに直結する“親の声かけ”のコツを解説しています。

今回は本書から一部抜粋し、子どもの成績を確実に伸ばす「フィードバック術」について紹介します。
<目次>

テストの結果より大事なこと

親は子どものテストの結果だけに一喜一憂しがちです。でも、テストや成績は結果を見てハイ終わりではありません。本当に大事なのは、そのあとです。

結果がよくても悪くても、テストや成績が戻ってきたら、必ずフィードバックをするようにしてください。

「フィードバック」とは、ただ点数を確認するだけではなく、「どこができていたのか? どこでつまずいたのか?」を親子いっしょに整理して、次の目標に向かって軌道修正をすることです。実はこれができていない家庭が非常に多いのです。

では具体的に「フィードバック」はどのようにやればよいのでしょうか?

結果が良くても悪くても、親がすべき「たった一つの質問」

テストや通知表でよい結果を出せたときは、まずは親子いっしょに喜びましょう。そして、「今回、うまくいったのはどうしてだと思う?」 と、ニコニコしながらその理由を子どもに聞いてみてください。

子どもなりに「とにかく英単語を必死に覚えたのがよかったのだと思う」「いつもは目で見て覚えようとしていたけど、今回は書いて覚えたのもよかったのかも」などと答えてくれるでしょう。

そうしたら親は「そうか、それがよかったのかもね。この調子で続けてみるといいかもね」と、次につなげます。もし本人がよさに気づいていなくて、親が気づいていたら、「毎日、教科書を音読していたのもよかったのかもしれないね」などと一言加えると、本人も「そうか、音読も効果があったのかもしれないな」と気づけます。

一方、結果が悪かったときは、「どうしてこんな点を取った?」 と責めるのではなく、「何が原因だったと思う?」 とやさしく聞いてみましょう。やさしく、ですよ……。

すると、子どもは「提出物を出すのが期限ギリギリになってしまって、テスト勉強が十分にできなかった」「得意な数学ばかりに力を入れてしまって、理科・社会の勉強をあと回しにしてしまった」「テストの最後に見直しをしなかったので、ケアレスミスが多かった」など、自分なりの反省点を言ってくるでしょう。

そうやって、まずは子ども自身にうまくいかなかった原因を考えさせるのです。その後は、「じゃあ、次はもう少し計画的に進めてみようか」とアドバイスをして、「またがんばろうね」と背中をぽんと押しておしまい。

「また失敗するかも」と親が不安そうな顔をしてしまうと、子どもも余計にプレッシャーを感じてしまいます。だからこそ、「次はきっと大丈夫!」 とにっこり笑顔を見せることが大切です。

「自分で振り返りなさい」が成績を低迷させる

ここまで読んでみて、「振り返りくらい子どもが自分でできるのでは?」 と思った方もいるのではないでしょうか?

確かにこれを自分1人でやれる子もいます。でも、そういう子は常に学年トップ5にいるような、相当できた子に限ります。ほとんどの子は、自分だけの力ではまだできません。

なので、ほとんどの中学生はまだ親の関わりが効果的です。勉強の中身を教える必要はありませんが、このフィードバックはぜひ親子でいっしょにやってください。そうすれば、子どもも安心して「よし、次こそがんばろう!」 と思えるのです。

よい結果が出ても、悪い結果が出ても、必ずきちんと親が子どもに振り返りをさせて、次へとつなげていく。このフィードバックを大切にしている家庭で、ずっと成績が低迷という子を私は見たことがありません。

成績が一度下がったりしても、必ずどこかで上がっていきます。
  建部洋平(たてべ ようへい)プロフィール
1977年生まれ、愛知県育ち。大学卒業後、大手学習塾に就職し、生徒アンケートは6年連続1位、歴代最速で本部長に就任。独立後、小学生~高校生を対象にした学習塾Abilityを2校舎経営し、のべ約1万人の生徒を指導。学年トップから学習障害のある子まで幅広く支援し、劇的な成績向上を多数実現してきた。塾生のテスト結果を30点から80点台まで引き上げたような実績をいくつももち、高校受験の第一志望合格率は96.8%(2024年度)、95.2%(2025年度)。また、「ほめる教育」の重要性を伝えるため、日本ほめる達人協会の特別認定講師資格を取得。企業研修や講演活動も行い、2023年認定講師コンテストでは準優勝。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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