今回は、家計管理を妨げる代表的な3つの誤解と、それを手放すことで得られる「お金が貯まりやすい体質」への変化について解説します。
誤解その1:収入さえ増えれば、自然にお金が貯まる
「もっと給料が上がれば、きっとお金も貯まるはず」と思っていませんか?でも実際は、収入が増えても自動的にお金が貯まるとは限りません。むしろ、収入が増えた分、支出も増えてしまう人が多いのが現実です。
例えば、年収が上がると、つい外食や旅行が増えたり、より広い家や高級な家電を買ったりして、以前よりも支出が増えてしまうというケースはよくあります。
これは「パーキンソンの法則」と呼ばれるもので、お金も時間も、あるだけ使ってしまう傾向があるからです。
そのため、収入の多さよりも「どう使うか」がとても重要。お金を貯めたいなら、「給料や賞与が入金されたら、すぐに貯金分を取り分けて、残りで生活する」という“先取り貯金”を習慣にするのがおすすめです。
また、日々の収支を「見える化」して使い過ぎを防ぐ工夫をすることで、収入の大小に関係なく、貯まりやすい体質に変わっていきます。
誤解その2:貯金のために楽しみを捨てなければならない
「お金を貯めるには、旅行も外食も趣味もガマンしなきゃ」と思っていませんか?確かにムダ遣いを減らすことは大切ですが、全ての楽しみを手放してしまうと、生活に張り合いがなくなり、ストレスがどんどんたまってしまいます。
その結果、「もうガマンの限界!」とばかりに衝動的にお金を使ってしまい、今までの努力が水の泡に……ということにもなりかねません。がんばり過ぎた反動で、かえって浪費してしまっては本末転倒です。
大切なのは、“ガマンを続けること”ではなく“メリハリを持つこと”。
あらかじめ「楽しみのための予算」を月の支出に組み込んでおきましょう。そうすれば、「お金を使っても大丈夫?」「節約しなくてはいけないのに……」という不安や葛藤を感じずに、安心してお金を使えます。楽しみは、貯金を長く続けるための「必要経費」。心にゆとりを保ちながら、お金とのよい関係を築いていきましょう。
誤解その3:少額の貯金には意味がない
「月に数千円しか貯金できないなら、やっても意味がない」と感じていませんか?でも実は、少額からでも貯金を始めることこそが、“貯まる習慣”を身に付ける第一歩なのです。
例えば、毎月5000円を貯金すれば、1年で6万円。数年続ければ大きな金額になりますし、何より「貯金するクセ」が身に付くという大きなメリットがあります。
反対に、「少額じゃ意味がない」と何もしないでいると、いつまでもお金は貯まらず、気付けばムダ遣いが増えてしまうかもしれません。これでは、ずっとお金がない状態を抜け出せません。
少しずつでも貯金が増えていくと、「私にもできた!」という達成感が生まれ、自信や安心感にもつながります。
最近では、500円単位で自動的に貯金できるアプリや、銀行の積立サービスも充実しています。「気付いたら貯まっていた」という仕組みをうまく活用するのもおすすめです。
大切なのは、「金額の多さ」より「習慣化すること」。最初は少額でも、少しずつ無理なく続けることで、貯金体質へと自然に変わっていけるはずです。
まとめ
「収入が増えれば自然に貯まる」「楽しみはガマンしないと貯金できない」「少額の貯金は意味がない」。これらは、多くの人が無意識に抱えている“お金の誤解”です。でも実際には、収入の大小よりも、日々の使い方や習慣こそが、貯金のカギ。大切なのは、完璧を目指すことではなく、小さな一歩を続けること。
3つの思い込みを手放し、今の生活の中からできることを始めてみましょう。お金が自然と貯まっていく「自分らしい暮らし」が、きっと見えてくるはずです。