「いざというとき」に備え、ブレーカーの位置や使い方、懐中電灯やモバイルバッテリー、ポータブル電源など、非常用品の準備を見直して(画像出典:PIXTA)
普段は当たり前のように使っている電気ですが、いざ止まってみると、そのありがたみを痛感させられるものです。
地域一帯の停電の主な原因は「自然災害」「動植物の接触」も
そもそもなぜ停電は起こるのでしょうか。原因はさまざまですが、大きく分けると以下の2つのケースが挙げられます。●落雷や台風、大雪などの「自然災害」
台風による飛来物、落雷や大雪などによる倒木、伸び過ぎた樹木が電線に触れるといった「自然災害」は、停電の代表的な原因です。電力設備が損傷することで、停電が発生します。特に6~9月は、落雷や台風などの自然災害の発生が多いため、停電が増える傾向にあります。
●動物の侵入や接触などによる被害
意外に感じるかもしれませんが、動物が原因で停電が発生するケースもあります。カラスやリス、ヘビなどが変圧器や送電線に触れたり、鳥が電柱に巣を作ったりすることでショートし、停電が起こることがあります。これは、都市部でも珍しくない事例です。
「うちだけ停電?」まずはブレーカーをチェック
周囲の家は電気がついているのに、自分の家だけが真っ暗……。そんなときは、まず「ブレーカー」の状態を確認しましょう。多くの家庭では、壁や収納の中に、「分電盤(ぶんでんばん)」と呼ばれる設備が設置されており、その中に複数のブレーカーが並んでいます。ブレーカーには、「アンペアブレーカー」「安全ブレーカー」「漏電ブレーカー」の3種類があり、どのブレーカーが落ちているかによって、原因や対処法も異なります。 <参考>
ブレーカーが落ちる3つの原因と復旧と対策 東京電力パワーグリッドHP
https://pgservice1.tepco.co.jp/2024/07/25/how-to-3point-breaker-down/
●「アンペアブレーカー」が「切」状態になっている場合
これは「電気の使い過ぎ」が原因です。エアコン、電子レンジ、ドライヤーなど、複数の家電製品を同時に使ったとき、契約しているアンペア数をオーバーすると、自動的に電気の供給が遮断されます。復旧させるには、直前に使っていた家電製品の電源を全てオフにして、アンペアブレーカーのつまみを「入」に戻します。
※スマートメーターが取り付けられている家庭の場合、スマートメーターに内蔵されているアンペアブレーカーの機能により契約アンペアを設定している場合があります。この場合、図のようにアンペアブレーカーは取り付けられていません。使いすぎの場合は10秒後に自動復旧します。
●「安全ブレーカー」が落ちている場合
特定の部屋や場所のみが停電している状態です。原因となる場所の家電製品の電源をオフにした後、ブレーカーを戻すことで復旧できます。
●「漏電ブレーカー」が落ちている場合
漏電ブレーカーが落ちるということは、どこかで漏電している可能性があるということ。漏電したまま電気を使い続けると、感電や火災が起きる原因となってしまうことがあります。まずは漏電している回路を見つけることが大事です。漏電ブレーカーを利用して見つける手順は以下のとおりです。
①全てのブレーカーを「切」にする
②アンペアブレーカーと 漏電ブレーカーを「入」にする
③安全ブレーカーを1つずつ順番に「入」にする
安全ブレーカーを順番に「入」にしていくと、どこかで漏電ブレーカーが落ちるはずなので、そのタイミングで「入」にした回路が漏電箇所と特定できます。漏電していない回路は使えるため、漏電回路を除くお部屋のみ使用するようにしてください。
漏電している箇所が電化製品の場合はその電化製品を修理に出すか、買い替えるかで解決しますが、家屋である場合は専門家に見てもらう必要がありますので、電気工事店等に問い合わせてみましょう。
停電は予告なく発生しますが、「いざというとき」に備え、ブレーカーの位置や使い方、懐中電灯やモバイルバッテリー、ポータブル電源など、非常用品の準備を見直しておきましょう。
停電情報の確認先は?リアルタイムで確認できるサイトを紹介
停電情報は、東京電力パワーグリッドが提供する公式サービスで、リアルタイムに確認できます。停電が起きたら、まずは以下のサイトで検索してみましょう。■東京電力パワーグリッド 停電情報
https://teideninfo.tepco.co.jp/
■東京電力パワーグリッド LINE公式アカウント
https://lin.ee/9Btc3Ki
LINEアプリで友だち追加することで、停電情報の確認や、チャットによる問い合わせが可能。
■東京電力ホールディングス スマートフォンアプリ「TEPCO速報」
https://www.tepco.co.jp/info/sp_app-j.html
監修/東京電力パワーグリッド 取材・文/ニシオヒデコ







