
積立投資は「ほったらかし」がいい?(画像出典:PIXTA)
「積立投資をつまらないものとして、『ほったらかし』にするくらいがベストだと思いますが、いかがでしょうか?」
筆者も、おおむねそのご意見に同意します。
筆者は株式投資をメインとする個人投資家で、積立投資も7~8年前から続けています。ほとんど「ほったらかし」の状態ですが、おかげさまで資産は2倍以上に増えました。
ただ、あえて細かいことを言えば、「積立投資は“ほったらかし”がベスト」というよりも、「ほったらかしてもよいように設計されたのが積立投資」である、と個人的には感じています。つまり、順序が逆だと思うのです。
ほったらかしでもうまくいく仕組み3つ
ほったらかしでも投資をうまく機能させるには、重要な条件を一つひとつクリアしていく必要があります。まず第一に大切なのは、「投資先が信頼できること」です。詐欺師にお金を預けても1円も戻ってこないのと同じように、質の高い優れた会社に投資しなければ、安心して“ほったらかし”にすることはできません。
最近では、「物言う株主(アクティビスト)」に関するニュースをよく見かけますが、彼らのやり方はこのスタンスとは真逆です。
彼ら(アクティビスト)は、どちらかといえば経営の質が低い会社に投資し、経営に積極的に関与することで経営を改善し、最終的に利益を上げることを目指しています。つまり、「ほったらかしでは損をする投資先」をあえて選んでいるわけです。
一方、ほったらかしにして利益を得るためには、むしろ経営の質が高く、「とやかく言わなくても優れた経営を実践してくれる」会社に投資することが大切です。
第二に大事なのが「リスクを分散すること」で、長い時間ほったらかしにすることを考えると、投資先を1つとか2つに絞ってしまうと、失敗したときにとても高くつきます。
それこそ、1つの会社に集中投資して、10年後にフタを開けたら「大失敗しちゃいました」となると、10年間という長い時間が無駄になりますし、お金も損をしてしまうでしょう。
こうしたリスクを抑えるには、できるだけ投資先を分散することが必要です。分散すればするほど、仮に悪い投資先をつかんでしまってもリカバリーがしやすくなり、結果として“ほったらかし”でもうまくいきやすくなるのです。
第三に大事なのが「コストが安いこと」です。どんな投資商品や手数料にも適正価格というものがあり、割高なものを買ったり、手数料を払い過ぎたりすると、それだけ損をします。
日本株がバブルになったときには、バブル崩壊から日経平均株価が高値を回復するまでに30年近くかかりました。
中身がスカスカな割高なものを買うと、大金と長い時間をロスすることになるので、なるべくバブルになりにくいものを積立投資するのが大事と言えます。
特に、積立投資では、株価が高くても低くても買い付けていくので、バブルになりやすいものだと、割高な価格で大量に買ってしまうリスクが出てきます。
それこそ、人気なセクターに集中投資するテーマ型の投資信託とかは、話題性がある分、高値をつかみやすくなるリスクがあるし、手数料も高いと感じていて、筆者としては「避けたほうがいいだろうな」と感じます。
まとめ
まとめると、- 投資先の質が高い
- リスクが分散されている
- コストが安い
裏を返せば、1つでも欠けるとうまくいかなくなってしまいますから、「ほったらかしでもうまくいく投資」をしたい場合は、この3点については念入りにチェックしておくのが大事ですね。