子育て

理科の実験みたいで新鮮!朝顔ラッパに色水遊び…… 夏休みの「行事育」でかしこい子に育つ

「行事育」とは、四季折々の日本の行事を通じて、子どもに文化と愛情を伝える子育て術。提唱者である和文化研究家・三浦康子さんの著書『かしこい子に育つ 季節の遊び』より、行事育にぴったりな夏の植物を利用した懐かしの遊びを紹介します。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

季節の花を利用して昔ながらの遊びを楽しんで(画像出典:PIXTA)

季節の花を利用して昔ながらの遊びを楽しんで(画像出典:PIXTA)

七夕、ひな祭り、お花見など、日本には四季折々の行事や風物詩があります。行事を通じて文化と愛情を伝える「行事育」は、「根っこになる・絆になる・心豊かになる・賢くなる・元気になる」という五つの力により子どもの成長を促します。また、毎年行事が訪れるたびに愛情にあふれた思い出がよみがえる「思い出ボタン」の効果により、子どもの人生を豊かに彩ってくれるのです。

かしこい子に育つ季節の遊び 楽しい体験が心を豊かにする12か月の行事育』(三浦康子著/青春出版社)では、和文化研究家・三浦康子さんが「行事育」の大切さと、懐かしい季節の遊びをたっぷりと紹介しています。

今回は本書から一部を抜粋し、行事育にぴったりな夏の植物である朝顔、ほおずき、えのころぐさを利用した懐かしの遊びを紹介します。
<目次>

朝顔で遊ぼう

今日は何輪咲いたかな? 朝顔を育てていると毎朝ワクワクしますよね。朝顔はしぼんだらおしまいの一日花。有効利用して遊びましょう。
 
朝顔の風船ラッパ
しぼんだ花を1つ採り、花の先をつまんだら、花の根本の穴から息を吹き込むと、ふくらんでプスッと破裂します。このプスッが楽しい♪

朝顔の葉っぱの鉄砲
葉っぱを1枚採ります。片方の手で輪っかの形を作って葉っぱを乗せたら、人差し指で少し押して破らないようにへこませます。へこんだ所を手の平で勢いよく叩くと「パン!」と大きな音が鳴ります。

朝顔の色水遊び
しぼんだ花を5つほど採り、ビニール袋に入れて水(100ml程度)を加え、もみもみすると色が出ます。花を濾しながらコップに入れれば色水の完成。この色水でいろいろな遊びができます。

●色水の実験
朝顔の色素にはアントシアニンという成分が含まれ、酸性に傾くと赤色に、アルカリ性に傾くと青色に発色します。色水を4つのコップに分けて、いざ実験!
 
  1. 何もしない色水
  2. クエン酸(またはレモン汁、酢)を入れていくとピンク色~赤色に
  3. 重曹を入れていくと緑色~青色に
  4. クエン酸と重曹を混ぜると紫色になり、炭酸ガス(二酸化炭素)が発生して泡立ちます
 
●染め物
習字の半紙(和紙)を縦に4つ折り、端から三角形に折っていきます。三角形の角に色水をつけて広げると模様に。色水のつけ方で模様の出かたが変わります。

●お絵描き
色水を綿棒や筆につけて絵を描きます。

ほおずきで遊ぼう

ほおずきを盆棚(精霊棚)につるしたり、盆花と一緒に飾ったりするのは、ご先祖様が迷わないように道を照らす提灯を表しているから。漢字で「鬼灯」と書くのは、鬼(亡くなった人のこと)のための提灯という意味です。

お盆に欠かせないほおずきも、子どもにとっては格好の遊び道具になります。

この機会に、ほおずきの遊びを楽しんでみてはいかがでしょう。うまくできたら、ご先祖様にも披露して。きっと褒めてくれますよ。
 
ほおずきの笛
ほおずきは、鳴らして遊ぶ子どもの様子から「頬突き」となったとか。ほおずきの風船を口に入れ、穴を下唇の内側に当てて前歯で軽く噛むようにすると、ギュギュと音が鳴ります。

ほおずき人形
ほおずきの袋(外皮)を裂いて、体や手足にします。手をあげたり、着物のように帯を巻いたり、顔を描いたりして遊びましょう。へんてこりんな味のある人形になるので、なごみますよ。

えのころぐさで遊ぼう

俗に「猫じゃらし」と呼ばれるえのころぐさは、穂が犬の尾に似ていることから「犬っころぐさ」が転じてえのころぐさになったそう。猫だけでなく、子どもたちのおもちゃになります。

えのころぐさのレース
穂を1人に1つ用意して、穂先を前方に向けて地面に置きます。穂の部分の毛は斜めに生えているので、指で上から押すと前に進みます。誰が一番早いか、よーいドン!

えのころぐさのイモムシ
穂先を下に向けて軽く握り、握ってゆるめて握ってゆるめてを繰り返していると……あら不思議! イモムシが上がってきます。逆に、穂先を上に向けて行うと、イモムシが下がっていきます。なるべく大きな穂のほうがやりやすいですよ。

えのころぐさのひげ
穂を元のほうから2~3cm裂き、鼻の下につけるとひげになります。あごにつければあごひげに、眉につければつながったゲジゲジ眉毛に。みんなを笑わせてみましょう。

えのころぐさのうさぎ
2本を耳にして、もう1本を巻き付けて結ぶと、うさぎの顔になります。さらに手足(4本)と胴(2本を巻き付けて結ぶ)をつければうさぎさんの出来上がり。かわいいですよ。
ふわふわしてかわいらしいえのころぐさ(猫じゃらし)のうさぎ

ふわふわしてかわいらしいえのころぐさ(猫じゃらし)のうさぎ。イラスト/角しんさく(画像出典:「かしこい子に育つ季節の遊び」)

 
三浦康子 プロフィール
和文化研究家、ライフコーディネーター。古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などでレクチャーしており、行事を子育てに活かす「行事育」提唱者としても注目されている。All About「暮らしの歳時記」、キッズgoo「こども歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭をとるなど活動は多岐にわたる。著書に『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、監修書に『おせち』(福音館書店)ほか多数。
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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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