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NISA口座の持ち株、株価が上がると、すぐに売りたくなってしまうのですが……

「NISA口座で株式投資をしていて、株価が1割上がると、すぐに売りたくなってしまう。配当金をもらう目的があって投資していますが、どうしたらいいですか?」本記事では、このご質問に対して、NISAの非課税効果を最大化するコツなど、筆者の見解をまとめていきます。※サムネイル画像出典:PIXTA(ピクスタ)

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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NISA口座の株を、すぐに売りたくなってしまう?(画像出典:PIXTA)

NISA口座の株を、すぐに売りたくなってしまう?(画像出典:PIXTA)

先日、読者から以下の質問が届きました。

「NISA口座で株式投資をしていて、株価が1割上がると、すぐに売りたくなってしまう。配当金をもらう目的があって投資していますが、どうしたらいいですか?」

すぐに利益を確定したくなる気持ち、すごく分かります。筆者もNISAで買った株をすぐに売ってしまって、「せっかくの非課税枠なのにもったいない使い方をした」と反省しています。

最近、やっとNISAの非課税効果を最大化するコツがつかめてきました。本記事では、上記のご質問に対して、筆者の見解をまとめていきます。

株を売ることが妥当な投資判断だったか?を見極める

実のところ、株を売ってしまうこと自体は特に大きな問題ではなく、それ以上に「株を売ることが妥当な投資判断だったか?」が重要です。

例えば、筆者は先日、とある中古ショップの株を売りました。もともと10年、20年と長期保有するつもりだったのですが、半年もたたないで売ってしまいました。

しかし、「売ったのが悪い判断だったのか?」というと、そうでもありません。筆者がこの株を売った最大の理由は、業績が急激に悪化したからでした。

売り上げが急激に萎み始めていたので、「このまま業績が悪くなり続けるようだったら、株価も大きく下がってしまいそうだから、早めに処分してしまおう」と決めたのが理由でした。

この株の場合は「このまま持っていると損をする可能性が高そうだし、株価が下がる前に売ってしまおう」と処分したわけですが、この判断自体には特に問題も見当たらず、正しい判断だったと思います。

株を利益確定することが悪いことではない?

いただいた質問には「長期投資=よいもの」という前提が潜んでいるようにも感じます。

しかし、長く持っていても利益が見込めないのであれば、むしろその株は早く売ってしまったほうがよいので「売ること=悪いこと」のように決めつける必要はありません。

投資していれば悪い株を買ってしまうこともしばしばあるため、そういう株を見切るのも大切です。


それこそ、持ち株の業績が好調でも、ほかにもっと安くてよい銘柄があるのなら、そっちに乗り換えるのも1つの手です。

株を売る方法もさまざまで、「10%値上がりしたら、1000株の保有株のうち100株を売る」みたいな小幅な取引であれば、非課税枠のロスも小さく抑えることもできます。

とはいえ、すぐに売ってしまうと貴重な非課税枠がなくなってしまうことも事実です。

だから、株を買う段階で、「ちょっと値上がりしたくらいでは売りたくない、とても割安な株」を見繕う必要があるかもしれません。非課税枠は貴重なので、確実かつ大きなリターンが期待できる投資先に充てるべきです。

次のグラフをご覧ください。
筆者の目指す投資の理想像

筆者の目指す投資の理想像

これは、筆者が目指している株式投資のゴールです。このグラフのように金融所得を右肩上がりに増やすことを目指しています。

いま人気のインデックス投資の期待リターンは年率6~7%くらいで「2カ月で1%」「10年で2倍」くらいの利回りです。PER(株価収益率)だと約15倍(益回り6~7%)ですね。

筆者はPERが低い優良企業が大好きで、持ち株の1つはPER7倍(益回り14%前後)で、指数の半額です。

筆者はこの株を「適正株価の半分くらいの値段で買った」と考えているので、10%値上がりしたくらいで売ってしまうのはもったいないし、2倍にならないと売りたくないです。

10年も持っていれば、株価は4倍くらいにはなると思います。だから、少し上がったくらいでは利益確定せず、のんびり保有しています。

まとめると、
  • 株を売ることを悪者扱いする必要はない。もっとも大事なのは「妥当な投資判断を下すこと」である
  • 長期投資を神聖視する必要はないが、非課税枠は貴重なので、確実に大きなリターンが期待できる株に使うべき
という2つが大事だと思います。

どうせNISAで買うなら、10倍、100倍、1000倍……と、複利で伸びていく会社に使いたいですよね。筆者もNISA枠を何度も短期で使ってしまって「失敗した!」と感じているので、お互い、うまく使えるとよいですね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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