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40年の独裁体制がフジテレビにもたらした重いツケ……堀江貴文が語る「老害にならない」生き方

フジテレビを約40年支配した日枝体制がもたらした「重いツケ」と「老害にならない生き方」について堀江貴文氏が語る。堀江氏が20年前から指摘していた「老害」が生まれる仕組みと、その末路とは? ※サムネイル画像:Shutterstock.com

執筆者:All About 編集部

約40年に渡る日枝体制と末路から、「老害にならない生き方」を語る。※画像出典:Shutterstock.com

約40年に渡る日枝体制と末路から、「老害にならない生き方」を語る。※画像出典:Shutterstock.com

20年前の2005年、同社株を大量保有するニッポン放送を買収しようとし注目を集めたホリエモンこと堀江貴文氏が、約40年に渡り日枝体制が続いたフジテレビの問題点や、今後の未来について赤裸々に語った『フジテレビの正体』。

本書から一部抜粋し、「老害」にならない生き方についての堀江氏の自論を紹介する。
<目次>

日枝体制のウミとツケ

もともと組合の幹部として経営陣と対峙していた日枝氏が、やがてフジの経営実権を握り、創業家を追い落とし、株式を上場。それ以降は徹底的に異分子を排除し続けたのがフジテレビの歴史なのである。

中居正広氏の性加害が発端となった今回の騒動に、日枝氏は関与していないという指摘がある。事件の詳細については報告を受けていなかったかもしれないが、だからといって責任がないはずはない。フジが何度か開催した会見で、日枝氏が一度も出席することなく退場したのは、長年にわたりフジテレビの経営を支配した人間として、姑息な態度であると僕は感じた。

「老害」が続いたフジテレビの末路

FMH(フジ・メディア・ホールディングス)の株主である米投資ファンドのダルトン・インベストメンツは日枝氏が会見に出席しなかったことを批判し、こう断罪している。

「なぜたった1人の独裁者がこの巨大な放送グループを40年近くも支配することが許されてきたのか。信じ難いことだ!」

40年といえば、普通のサラリーマンが入社して定年まで働いた場合とほぼ同じ年月である。創業家出身でもない日枝氏が、権力の座に居座り続けた状況を、誰も改革しようとしなかったツケがいま、フジテレビを苦しめているのではないだろうか。
『フジテレビの正体』(堀江 貴文著 / 宝島社)

フジテレビの正体』(堀江貴文著 / 宝島社)

「老害」にならない生き方とは

本書で何度か触れている、出版されなかった「幻の本」のなかで、僕は著名な放送作家と対談し、こんなことを話している。時期は2004年7月で、まだニッポン放送の株を買う前だ。

〈年寄りになって権力を握ると、だいたいみんな“老害”になる。逆に、顧客志向で早くから有名になったり金持ちになった人は、年寄りになってそんなみっともないことしないですよ〉

〈僕は一番の元凶は株式持ち合いだと思ってるんですけど、要するにサラリーマン社長がサラリーマン社長の会社の株をお互い買っているわけですから、結局なあなあでずっと進められてくるわけですよ。これが日本の資本主義の非常に良くなかったところだと思うんですね。株主じゃなくて経営者に権力が集中してしまうシステムができてしまったから〉

〈要は若いうちにカネを稼いで、その後は一歩退いて若いヤツらに自分のカネをどうやって増やさせるかっていうのを考えればいいんです。だって若いヤツらのほうがカネの増やし方を知ってるし、頑張って増やすじゃないですか。僕はそういうふうにもっていきたいんですよ。アメリカなんかは、もうそういう流れですよね、完全に。そういうのを受け入れる度量の大きさっていうのが、やはり向こうにはあると思いますね〉

あれから20年余の時間が流れ、僕はもう若者ではなくなった。でも、いまでもこのときの考えは変わっていない。
  堀江貴文(ほりえ たかふみ)プロフィール
1972年福岡県生まれ。91年東京大学入学、のち中退。96年、有限会社オン・ザ・エッヂ設立。02年、旧ライブドアから営業権を取得。04年、社名を株式会社ライブドアに変更し、代表取締役CEOとなる。06年1月、証券取引法違反で逮捕。11年4月懲役2年6ヶ月の実刑判決が確定。13年3月に仮出所。著書に『拝金』ほか多数。
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