元テレビ局員でSNS炎上研究家・加賀敬章さんの著書『元テレビ局員がやさしく解説 SNS炎上防止大全』から一部抜粋。
個人がSNS炎上を未然に防ぐための具体的な対策や、万が一炎上してしまった場合の正しい対応について、広報担当者で社会人2年目の美桜さんと先輩の対話形式で分かりやすく解説しています。
SNS投稿は「責任」を意識!
美桜:先輩、個人が炎上を回避するためにはどのような対策が必要でしょうか?先輩:では、今回は個人が炎上を回避するための対策について説明しよう。まず大切なのは、いうまでもなくSNSの適切な利用だな。
投稿の目的を明確に、内容を慎重に吟味することが重要だよね。誤解を招いたり、不適切な表現が原因で炎上する可能性があるよね。
美桜:そうですね。自分の投稿がどのように受け取られるかを常に意識する必要がありますね。それができていない人が多すぎます……。
先輩:そのとおりだね。感情的な投稿は控えめにし、冷静に考えてから投稿することが大切だよ。
自分の発言が及ぼす影響力を認識し、責任をもって行動することも重要だね。そもそも、自分の発言に責任があることを考えない人が多くなってきている感じがするんだ。
美桜:なるほど、SNSの適切な利用と自己管理が炎上回避のカギになるわけですね。私たちはスマホをいつでももってるから、すぐに投稿しちゃいますからねえ。とくにひどい投稿には指摘しそうになります。感情的に投稿してはいけないとは思うけど。
先輩:そこに気づかないといけないよね。加えて、個人は自身のオンラインプレゼンスを意識的に管理する必要があるね。
検索エンジンなどで自分の名前を検索し、ネット上の情報を定期的にチェックしよう。悪質な情報が見つかった場合は、適切な対応を取る必要があるんだ。
自分の「オンラインプレゼンス」知ってる?
美桜:オンラインプレゼンスって何ですか? 検索するからエゴサーチですか?先輩:オンラインプレゼンスというのは、ネット上でのいまの評判や認知度、影響力のことだよ。ネット上の評判や影響力がどのくらいあるかとか、自分がどう見られているか、という自己管理が大切だな。
自分のイメージを守るためにも、定期的な確認が重要だと思う。検索するわけなので、エゴサーチがその方法ってわけだ。
美桜:対策も、もちろん必要ですが、個人が炎上したときの対応も大事ですよね。
先輩:そのとおり。最後に、炎上が起きた際の対応についても考えておく必要がある。
まずは冷静に事態を把握し、関係者と協力して対応策を検討することが重要だよ。状況に応じて謝罪や説明、削除などの対応を取ることで、被害の最小化を図るわけだ。ひとりではパニックになって対応できないと思う。
美桜:そりゃそうですよね。やっぱり炎上時の適切な対応も大切ですよね。先輩、個人ができる対策を総括すると、どのようなことがいえるでしょうか?
先輩:個人が炎上を回避するためには、SNSの適切な利用、自己管理、オンラインプレゼンスの管理、そして炎上時の適切な対応が重要です。
これらの対策を組み合わせて実践することで、個人は炎上のリスクを大幅に軽減できるだろうね。 加賀敬章(かが のりあき)プロフィール
office KG代表、SNS炎上研究家、研修講師、企業危機管理士、Webリスク管理士。1958年名古屋市生まれ。大学卒業後、テレビ局に入社。報道記者・営業・企画・総務部長・デジタル推進室長を歴任後、コンプライアンス推進局長に就任。関係会社役員を経て2022年に独立。テレビ局でコンプライアンスの総責任者・責任者を14年間務めた経験を活かして、現在は、研修により全国の組織人の育成に尽力。また、テレビ局時代に目の当たりにした炎上事件をきっかけに、SNS炎上事案や炎上防止策を研究し、企業や個人に向けて炎上対策などを伝えている。