缶コーヒーは「万博」から始まった!
このUCCの缶コーヒー、どこにも「万博」のロゴマークや公式キャラクターの「ミャクミャク」が登場していないのですが、万博とは非常に縁のある商品です。発売は1969年ですが、1970年大阪万博の会場内で販売されたことにより、爆発的なヒットとなりました。この出来事が、缶コーヒーが普及した理由の1つだったのではと筆者は考えます。
過去に同製品の復刻版は何回か販売されていますが、今回は中身についても『当時のレシピを参考に、昔ながらの、しっかりとした甘さ・コーヒー感のある味わい』を再現しているとのこと。本当に現行版と味わいが異なるのか、試飲してみました。
加えて、過去に販売されたUCCコーヒーパッケージの変遷や、「博覧会記念缶」「大阪・関西万博」タイアップのソフトドリンクについてもまとめてみました。
復刻版 vs. 現行版:栄養成分などの比較
パッケージに記載されている栄養成分や原材料を確認します。・成分比較表 栄養成分は、脂質以外数値が異なります。復刻版(復刻缶)のほうが炭水化物が多い分、熱量も高くなっていると思われます。また、たんぱく質は現行版(現行の通常缶)のほうが0.1gだけ多く、無脂乳固形分も現行版のほうが多くなっています。
原材料をみますと、一番大きな違いは現行版で牛乳を使用していることでしょうか。これが無脂乳固形分の差になっているのではないかと考えます。
復刻版 vs. 現行版:明らかに感じる「味の違い」
次に、カップに注いで見た目と味を比べてみます。コーヒーの色をよく見ると、復刻版のほうが現行版に比べて、わずかに色が濃いのが分かります。飲んでみますと、復刻版のほうがコーヒーの風味をしっかり感じます。それに対し、現行版はミルク感が強いです。復刻版は「UCCコーヒーミルク入り」、現行版は「UCCミルクコーヒー」という商品名です。商品名どおり、復刻版は「コーヒーにミルクが入っている」、現行版は「ミルクにコーヒーが入っている」と感じました。
発売以来55年を超えるロングセラー商品ゆえ、味を変えずにずっと製造販売されているものだと思っていました。味が変わっていたことには気付きませんでした。
UCCミルクコーヒーのパッケージ変遷
UCCミルクコーヒーは1969年の発売から56年、現在のパッケージデザインは10代目となります。筆者のコレクションでパッケージの歴史をたどりたいと思います。初代・2代目(2019年復刻缶)
3代目までの缶は残念ながら持っておらず、この2つの缶は、2019年のUCCミルクコーヒー誕生50周年記念で販売された「復刻缶」です。初代は1969年から1977年、2代目は1978年から1980年までのデザインです。2019年復刻缶の中身は、10代目の製品仕様となっていました。4代目は3種類のテイスト!
4代目は1986年から1992年までのデザインです。オリジナル・ハーフビター・ビターの3種類が販売されていたのが大きな特徴でした。5代目・短命だった6代目・7代目
5代目は1993年から1999年、6代目は2000年のみ、7代目は2001年から2002年のデザインです。6代目のみ通常品を購入していなかったことが今回判明し、ここでは「阪神タイガース缶」を掲載しています。8代目・9代目・10代目(現行品)
8代目は2003年から2009年、9代目は2010年から2018年、現行品の10代目は2019年からのデザインです。初代から4代目のパッケージデザインを踏襲したデザインになっています。2019年12月には、UCCミルクコーヒーのデザインに使用している「茶色・白色・赤色」の3色が、食品業界では初めて「色彩のみからなる商標」として登録されたそうです。
海外版UCCコーヒー
お土産でいただいた海外版のUCCコーヒーです。内容量表示がオンスになっているのが特徴です。>次ページはUCCコーヒーの「博覧会記念缶」ラインナップ