コンビニグルメ

1970年「大阪万博」でヒットした世界初の缶コーヒーが復刻!「UCC缶コーヒー」55年間の歩み

「万博」というと、飲料愛好者としては55年前の大阪万博から爆発的ヒットした「UCCコーヒーミルク⼊り」を思い出します。今回、当時の味わいをアレンジした「復刻缶」が発売されました。「現行版」との味の違い、過去の「UCC記念缶」「博覧会記念飲料」についてまとめました。

久須美 雅士

執筆者:久須美 雅士

コンビニグルメガイド

「大阪・関西万博」が始まり、連日話題です。買い物に行きますと、タイアップ商品やキャラクター商品をちらほらと見かけます。ソフトドリンク愛好者である筆者としては、4月7日にUCC上島珈琲から発売された「UCCコーヒーミルク⼊り⽸250g」が気になりました。  

缶コーヒーは「万博」から始まった!

UCC上島珈琲 UCCコーヒーミルク入り復刻缶

UCCコーヒーミルク入り復刻缶(UCC上島珈琲)

このUCCの缶コーヒー、どこにも「万博」のロゴマークや公式キャラクターの「ミャクミャク」が登場していないのですが、万博とは非常に縁のある商品です。

発売は1969年ですが、1970年大阪万博の会場内で販売されたことにより、爆発的なヒットとなりました。この出来事が、缶コーヒーが普及した理由の1つだったのではと筆者は考えます。

過去に同製品の復刻版は何回か販売されていますが、今回は中身についても『当時のレシピを参考に、昔ながらの、しっかりとした甘さ・コーヒー感のある味わい』を再現しているとのこと。本当に現行版と味わいが異なるのか、試飲してみました。

加えて、過去に販売されたUCCコーヒーパッケージの変遷や、「博覧会記念缶」「大阪・関西万博」タイアップのソフトドリンクについてもまとめてみました。

復刻版 vs. 現行版:栄養成分などの比較

UCCコーヒーの新旧パッケージ比較

UCCコーヒーの新旧パッケージ比較(左:復刻版、右:現行版)

パッケージに記載されている栄養成分や原材料を確認します。

・成分比較表
UCCコーヒー新旧の成分・原材料比較

UCCコーヒー新旧の成分・原材料比較

栄養成分は、脂質以外数値が異なります。復刻版(復刻缶)のほうが炭水化物が多い分、熱量も高くなっていると思われます。また、たんぱく質は現行版(現行の通常缶)のほうが0.1gだけ多く、無脂乳固形分も現行版のほうが多くなっています。

原材料をみますと、一番大きな違いは現行版で牛乳を使用していることでしょうか。これが無脂乳固形分の差になっているのではないかと考えます。

復刻版 vs. 現行版:明らかに感じる「味の違い」

UCCコーヒー新旧の内容物比較

UCCコーヒー新旧の内容物比較(左:復刻版、右:現行版)

次に、カップに注いで見た目と味を比べてみます。コーヒーの色をよく見ると、復刻版のほうが現行版に比べて、わずかに色が濃いのが分かります。

飲んでみますと、復刻版のほうがコーヒーの風味をしっかり感じます。それに対し、現行版はミルク感が強いです。復刻版は「UCCコーヒーミルク入り」、現行版は「UCCミルクコーヒー」という商品名です。商品名どおり、復刻版は「コーヒーにミルクが入っている」、現行版は「ミルクにコーヒーが入っている」と感じました。

発売以来55年を超えるロングセラー商品ゆえ、味を変えずにずっと製造販売されているものだと思っていました。味が変わっていたことには気付きませんでした。  

UCCミルクコーヒーのパッケージ変遷

UCCミルクコーヒーは1969年の発売から56年、現在のパッケージデザインは10代目となります。筆者のコレクションでパッケージの歴史をたどりたいと思います。  

初代・2代目(2019年復刻缶)

UCCコーヒー初代・2代目パッケージ復刻版

UCCコーヒー初代(左)、2代目(右)パッケージ(どちらも2019年復刻缶)

3代目までの缶は残念ながら持っておらず、この2つの缶は、2019年のUCCミルクコーヒー誕生50周年記念で販売された「復刻缶」です。初代は1969年から1977年、2代目は1978年から1980年までのデザインです。2019年復刻缶の中身は、10代目の製品仕様となっていました。

4代目は3種類のテイスト!

UCCコーヒー4代目パッケージ3種類

UCCコーヒー4代目パッケージ3種類(オリジナル・ハーフビター・ビター)

4代目は1986年から1992年までのデザインです。オリジナル・ハーフビター・ビターの3種類が販売されていたのが大きな特徴でした。

5代目・短命だった6代目・7代目

UCCコーヒー5代目・6代目・7代目パッケージ

UCCコーヒー5代目(左)・6代目(中央)・7代目(右)パッケージ

5代目は1993年から1999年、6代目は2000年のみ、7代目は2001年から2002年のデザインです。6代目のみ通常品を購入していなかったことが今回判明し、ここでは「阪神タイガース缶」を掲載しています。

8代目・9代目・10代目(現行品)

UCCコーヒー8代目・9代目・10代目パッケージ

UCCコーヒー8代目(左)・9代目(中央)・10代目(右・現行品)パッケージ

8代目は2003年から2009年、9代目は2010年から2018年、現行品の10代目は2019年からのデザインです。初代から4代目のパッケージデザインを踏襲したデザインになっています。

2019年12月には、UCCミルクコーヒーのデザインに使用している「茶色・白色・赤色」の3色が、食品業界では初めて「色彩のみからなる商標」として登録されたそうです。

海外版UCCコーヒー

UCCコーヒー海外版

UCCコーヒー海外版

お土産でいただいた海外版のUCCコーヒーです。内容量表示がオンスになっているのが特徴です。

>次ページはUCCコーヒーの「博覧会記念缶」ラインナップ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます