それもそのはず。4月18日に江藤農相が発表した「放出した備蓄米の3月30日までの流通状況」は、以下のとおりです。
・政府備蓄米
↓約14万トン落札
・JAなどの集荷業者
↓2761トン
・卸売業者
↓461トン(全体の0.3%)
・小売・中外食
最後の小売や中食・外食業者には、落札された備蓄米のうちの0.3%しか届いていなかったのです。一般消費者である私たちが店頭で見かけるのは、0.3%のうちの“小売”の部分なのでさらに少なくなります。
農水省は、この原因について「初動のためトラックの手配や精米などの作業の調整に時間がかかった。特別なボトルネックがあるわけではない」としていますが、集荷業者が落札した約14万トンのうち卸売業者に2761トンしか渡せていないという状況では、店頭に備蓄米が並んでいないのも分かります。
備蓄米の放出は、このあと新米が出る7月ごろまで毎月実施すると発表されていますが、この“流通の滞り”が解消されない限り、「備蓄米が行き渡って価格が下がる」ということは期待できないのではないでしょうか。
このような中で少しでも食費を節約する場合、「コメを使う量を減らす」ことを考える人もいるでしょう。とはいえ、栄養不足になって健康を害するようなことになるのは避けたいところです。
ここからは、コメの量を減らしつつ、栄養をとりながらおいしく食べられるメニューをご紹介します。
1. 白米に大麦を混ぜる
白米に大麦を混ぜて炊飯することで、コメの量を少し減らすことができます。大麦は、白米に比べてカルシウムや食物繊維が豊富です。まずは、コメ2合に対して大麦40~50gほどを加えてみてはいかがでしょうか。 大麦は白米と比べると価格が安いのも特徴。画像は筆者が使っている大麦で、左が「イオン トップバリュ 国産大麦使用 押麦」(800g、本体価格298円(税込321.84円))、右はAmazonの定期おトク便で購入している1kgで税込380円(通常価格422円)のものになります。(※2025年5月15日現在の情報です)2. いろいろな食材を入れて炊き込みご飯
珍しくない料理ですが、ほかの食材を加えて炊き込みご飯にすることで、茶碗1杯に使うコメの量を減らすことができます。ごぼうやニンジンなど、比較的価格が安定している野菜を加えるのがおすすめです。乾燥豆などを使うのもいいでしょう。3. リゾットやおかゆなど水分が多い料理
リゾット、クッパ、おかゆ、雑炊など、水分が多い料理にすると、おのずと使うコメの量が少なくなります。「おかゆはどうも病人食っぽいイメージ」と思うかもしれませんが、台湾などでは人気のおかゆ店に行列ができるほどです。鶏ガラスープの素などを使うことで、味がしっかりとしたおかゆを作ることができます。リゾットも、コンソメスープの素を使うことで簡単に作れますよ。4. 安い麺を利用してそばめし
そばめしとは神戸のご当地グルメで、焼きそばとご飯をソース味で炒めたものですが、今回は焼きそば麺でなくてもOKです。冷凍うどんなど価格が安いものがあればそれを利用して一緒に炒め、チャーハンにするのはいかがでしょうか。5. 具だくさんのドリア
野菜などをたくさん使ったドリアにすることで、使うコメの量を減らすことができます。具体的には、1回の食事でコメの量を2/3から1/2程度にすることができるでしょう。 ドリアの作り方は以下のとおりです。2種類のドリアをご紹介するので、画像左上から時計回りでご覧ください。●各画像の左の鍋のドリア
1. 鍋に少量のお湯と冷凍のミックスベジタブル、シーフードミックスを入れて温める
2. 1に少量のホワイトシチューのルーを溶かす
3. ご飯の上に2をかけてパン粉と粉チーズをふりかけ、トースターで焼き色がつくまで焼く
●各画像の右の鍋のドリア
1. ご飯の上に加熱済みのブロッコリーと舞茸をのせる
2. レトルトカレーを2にかける
3. 2にとろけるチーズをトッピングし、トースターで焼き色がつくまで焼く
少し工夫をすることで、コメの量を減らしつつ、栄養もとれておいしい食事にすることができます。ぜひお試しください。