変動費の節約は、固定費に比べ節約効果を実感することが難しいと言われています。とはいえ、健全な家計を維持するには変動費を適切に抑えることも必要。今回は、変動費の節約が続かない理由と、無理なく節制を続けるための「気持ち」の整え方について解説します。
変動費の節約が続かない理由
変動費の節約が続かない理由としては以下の4つが挙げられます。●節約しにくい「感情が絡む費目」が多いから
変動費には、食費・交際費・レジャー費・服飾費など、「楽しみ」や「気分転換」といった個人の価値観に深く関わる支出が多く含まれています。極端な節約は、心身の健康にも影響を及ぼします。
食費を削り過ぎて栄養バランスが崩れたり、外出やレジャーを控えて気分がふさぎ込んだり、削ろうとすると、満足感が減ってストレスになりやすいのが特徴です。結果として、節約が長続きしにくくなってしまいます。
●効果が見えにくく、やる気が続かない
変動費の節約は、日々の小さな積み重ねです。「コンビニに行かない」「セールでも服を買わない」といった努力をしても、効果が目に見えて分かりにくく、「頑張っているのに出費が全然変わらない」と感じやすいのも挫折の一因です。
●変動費は月によって波がある
食費や日用品は、月によって買う量が変わることもあります。例えば調味料やお米をまとめて買う月はどうしても出費が増えます。「節約を意識した月に限って出費が多くなる」ように感じて、モチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。
無理なく続けるための「気持ち」の整え方
変動費の節約は挫折しやすいのが特徴。コツコツと継続するには「モチベーションを保つ」ことが大切です。以下の3つで気持ちを整えましょう。●節約の目的を明確にし、目標を設定する
「旅行資金を貯める」「緊急時の備えをつくる」など、具体的な目的を持つことで、節約への意欲が高まります。目標金額や期間を設定し、達成感を得られるようにしましょう。
●完璧を求めず、柔軟に取り組む
節約は長期戦です。予算を少しオーバーしても、自分を責めずに次に生かすことが大切です。柔軟な姿勢で取り組むことで、継続しやすくなります。
●小さな成功体験を積み重ねて自信をつける
「今週は外食を1回減らせた」「無駄な買い物を控えられた」など、小さな成功を意識して、自信を積み重ねましょう。これが継続の原動力になります。
変動費の節約を続けるための具体的な工夫
変動費の節約をするための具体的な工夫を5つご紹介します。●買い物リストを作成し、無駄な出費を抑える
食費は、簡単な献立を考えるなどして、事前に必要なものをリストアップしましょう。計画的に買い物をすることで、衝動買いを防げます。
●日用品は月1回まとめて購入
日用品については、消費目安を把握しておきましょう。ドラッグストアに行く頻度を月1回ほどに減らしまとめ買いをすることで、無駄な出費が減ります。
●ポイントアップデーを活用
日用品や食料品など、定期的に必要になるものは、購入するお店をあらかじめ決めておくと効率的です。その際、毎週○曜日や月末など、スーパーやドラッグストア、ネットショップが独自に設定している「ポイントアップデー」に合わせて買い物をすることで、ポイント還元率が高くなります。貯まったポイントは、次回の買い物に使えば実質的な節約にもつながります。
●予算を週単位で管理する
月ごとの予算をさらに週単位に分けて管理することで、使い過ぎを防ぎ、計画的な支出が可能になります。
●家計簿アプリを活用する
手軽に収支を記録できるアプリを利用することで、支出の把握が容易になり、節約意識が高まります。