子育て

保護者は知らない「生理中はタンポンでプールに入れ」「修学旅行で全裸水滴チェック」の異常事態

生理でもプール強制、修学旅行で全裸チェック……信じ難い校則が今も学校に。わが子の人権は守られている? 元教師が明かす異常な指導の実態と、理不尽から子どもを守る唯一の方法とは?

執筆者:All About 編集部

理不尽な「ブラック校則」を大人たちは知らない!(画像はイメージです)

理不尽な「ブラック校則」を大人たちは知らない!(画像はイメージです)

世間では生理への配慮が進む一方、学校では信じられない指導が横行。「生理でもタンポンを入れてプールに入れ」という教師の言葉や、修学旅行での「全裸水滴チェック」。なぜこんな異常なルールが存在するのでしょうか?

元教師であるすぎやまさんの著書『教師の本音 生徒には言えない先生の裏側』では、学校現場でまかり通る驚くべき「ブラック校則」の実態について、元教師ならではの視点で鋭く切り込んでいます。

今回は本書から一部抜粋し、信じがたいブラック校則の実態とともに、学校の外にいる保護者には意外と“見えていない”問題点に触れます。
<目次>

生理でも「タンポン入れてプールに入れ」

『生理休暇』取得など、世間では女性の生理に対して配慮をすることが当たり前になってきています。

しかし、なんと驚くべきことに、生理でも水泳の授業を休ませてもらえない学校が、実はけっこうあるのです。

水泳の授業をやれるのは6月終わりから7月にかけての3~4週間と、かなり短い期間しかありません。

ところが、思春期ともなると「プールに入りたくない」「水着になりたくない」という子が一定数いて、毎回毎回『生理』という理由で休む子がいるのです。

授業を休むのは、テストを受けていないのと同じですから、当然成績は下がります。でもズル休みを野放しにしておくのもよくないということで、夏休みに補習の時間をつくって、そこで泳がせる学校もあります。

そこまではまだ理解できるのですが、「絶対にズル休みを許さない」という厳しいスタンスの体育教師が時々いるのです。

そういう先生の中には「生理で休む」という生徒に、「生理でもタンポンを入れていれば血は出てこないんだから、プールに入りなさい」という人もいます。

これは、さすがに男性教員は言えませんから、女性の体育の先生がそう言うそうです。たとえ女性だとしても民間企業でこれを言ったら、即セクハラ・パワハラ認定されるでしょう。

中には「生理中で休む人はグラウンド3周」とか「腕立て・腹筋・背筋100回ずつ」とか言われる学校もあるそう。生理休暇を導入している世間の動きと逆行するような指導です。

思春期の女の子は、「生理で休みます」と申し出るのも恥ずかしいと言います。そんな中、勇気を出して言ったのに「タンポン入れて入れ」と突き返されてしまう。

その時の女子生徒の心中を考えると心が痛くなります。すごくショックを受けると思います。

修学旅行で教師が「全裸水滴チェック」!

また思春期の生徒をはずかしめるルールといえば、修学旅行のお風呂場での『全裸水滴チェック』というのがニュースになったこともあります。

これは、浴場から出た後に体がちゃんと拭けていないと、脱衣所の床が濡れてしまうため、水滴がついてないかを教師がチェックするというもの。

なんと、担当教師の前で、全裸でバンザイさせてクルリと一周させる学校もあるというのです。まるで強制収容所ですよね?

恐ろしいことにこれが全国各地の学校で行われているのです。これが異常だと気づかない教師は人権感覚が完全に欠如していると思います。

私は2020年からSNSで、「くるぶしソックス禁止っておかしいよね?」「ツーブロック禁止ってなんで?」という話をしはじめました。

すると、それに対して中高生からは「そうだよね」「うちの学校もそうです」「どうすればいい?」というコメントが大量に寄せられ、共感を集めたのです。

ブラック校則を大人たちは知らない

一方、大人の視聴者からは「えっ、くるぶしソックスって何?」「ツーブロックって禁止なの? 初めて聞いた」という反応がほとんど。それくらい世間の関心は薄かったのです。

子どもたちがそんな理不尽な校則に縛り付けられているなんて、多くの大人は気づきもしなかったことでしょう。

ブラック校則は、生徒がいくら声を上げても、それで変わることは滅多にありません。「生徒がワーワー騒いだからルールを変えました」というのは、学校にとって体裁が悪いからです。

では、どうしたらブラック校則を変えることができるかというと、もっとも効果的なのは、保護者が声を上げることです。

学校は保護者の声は無視できません。一番効き目があるのは確実に保護者の意見です。

たとえば自分の子どもが生理でもプールを休ませてもらえなかったとか、胸の発育をチェックされたとか、そういうことがあったら、バンバン連絡するべきだと思います。

「クレーマーと思われないかしら?」と心配する方も多いですが、そういう理不尽から子どもを守れるのは親だけです。

子どもは適応力が高いため、異常な環境に置かれても、それが変だと気づかずに受け入れてしまうことがあります。

大人がいち早く気づき、子どもたちを救ってあげてください。
  静岡の元教師すぎやま プロフィール
YouTuber、TikToker、LGBTQ、教育評論家。静岡県掛川市出身。10年以上中学校教諭として勤務したのちに、2018年に退職。現在は先生のホンネ、学校のウラ側を解説するインフルエンサーとして活動中。現在総フォロワー数70万人超。フォロワーの多くは中高生で、若者心理やSNS文化に詳しい教育者として、自己啓発、SNSなどのテーマで、執筆・講演を行っている。2021年には『ゲイ』であることをカミングアウト。LGBTQの啓発活動として、講演会や企業向け研修会なども行っている。2024年に不登校生徒向けのオンラインのフリースクール『新時代スクール』を創設。クラウドファンディングで応援を募り、支援総額780万円超を達成。
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