しかし、毎日使っているものだからこそ、その使い方を知らないと思わぬ電気代がかかることも……。今回は電気代が高額になる家電の使い方についてご紹介します。
1. 電気ポット・炊飯器の保温
電気ポットや炊飯器を長時間保温状態にしておくと、より電気代がかかります。特に炊飯器の場合、保温を長時間続けると内部のヒーターが常に稼働している状態となるため、消費電力が増えてしまうのです。例えば、3合炊いて1.5合を食べ、4時間後に残りの1.5合を食べる場合。炊飯器で保温を続けた場合の電気代は約6.94円、いったん炊飯器の電源を切り、4時間後に電子レンジで温め直しをした場合の電気代は約5.93円となります(資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」より)。
電気ポットも同様に、お湯を沸かした後にスイッチを切らずに保温すると、加熱が続いて余分な電気代がかかってしまいます。使用後はすぐに電源を切り、必要な分だけ沸かすようにしましょう。
2. 長時間のドライヤー
ドライヤーは使う時間が短くても消費電力が大きいものです。特に、髪が長くて乾かすのに時間がかかる場合は、風量や温度の設定を高くして使用し続けると消費電力が非常に増えます。短時間で効率的に乾かすために、まずはタオルドライをしっかりとすること。最近は吸水性の高いタオルも販売されているので、そのようなものを使うと効果的です。ドライヤーを適切な距離で使用し高温にしすぎないことが、電気代節約につながり、髪にも優しくなります。
3. 掃除機の吸引力
掃除機は、長時間の連続使用や強い吸引力で電力を消費しやすい家電です。特に、高性能な掃除機は吸引力が強い分、消費電力も多くなります。使用中に過剰に強いモードを選んだり無駄に長時間使用したりすることは、電気代が高額になる原因となってしまうのです。部屋に置いてあるものをどかしながらの掃除は時間がかかってしまうので、まずは部屋を片付けることを優先し、その後に掃除機をかけるようにしましょう。
最近は自動で吸引力を調整する機能がついている掃除機もあります。そうでないものを使っている場合は、カーペットや畳であれば吸引力は強く、フローリングであれば弱くするなど調整して使うことで、電気代を節約することが可能です。
フィルターの詰まりやゴミのたまりすぎも吸引効率を悪化させ、無駄な電力消費につながってしまいます。定期的なメンテナンスも重要です。
4. エアコンの風向き
エアコンの使い方として、冷房の場合も暖房の場合も「サーキュレーターを併用して部屋全体に冷気(暖気)がいきわたるように」というものがあります。しかし、これは必ずしも電気代の節約につながるとはいえません。むしろ無駄に電力を消費してしまっている場合もあるので、注意が必要です。電力を無駄に消費しないために大切なのは「人がいる場所に冷気(暖気)が効率的にいくようにする」こと。エアコンの風が出る方向に人がいるのであればいいのですが、部屋の作りによっては、エアコンの吹き出し口から90度の位置に人がいるようなことがあります。このような場合は、サーキュレーターや扇風機を使ってエアコンの風を効率的に人がいるスペースに向けると、電気代を節約することができますよ。
5. 冷蔵庫の温度調整
24時間、365日動き続けている冷蔵庫は、家電の中でも消費電力を多く使うものです。冷蔵庫内の温度が上がってしまうと、それを冷やそうとするために頻繁に電力を消費して電気代が高くなります。冷蔵庫の扉を開けておく時間を極力短時間で済ませるため、冷蔵庫内を整理して必要なものはすぐに取り出せるようにします。頻繁に取り出すものは、扉を全開にせずとも手に取れる場所に置くのがいいでしょう。
また、冷蔵庫は設置している場所や中に入れている量で庫内の温度が変わってきます。無駄に冷やしすぎないためにも冷蔵庫専用の温度計を使い、確認しながら温度を調整することで電気代の節約につながります。
6. 長時間のアイロン
アイロンは高温で長時間使用することで、非常に多くの電力を消費する家電です。アイロンを使用しない時にスチーム機能をオンにし続けることも、無駄な電力消費につながります。効率的にアイロンがけを行うためには、衣類の量を調整し、高温でアイロンをかけるのは必要な部分だけにするなど、こまめに温度を調整することが大切です。暮らしを快適にしてくれる家電。正しく使って電気代節約につなげましょう。
参考サイト:
資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」