
恐怖指数は役に立つ?
「恐怖指数は株式投資する上で参考になる?」
恐怖指数(VIX)はボラティリティ・インデックス(Volatility Index)のことで、株式市場の先行き不透明感を表していて、投資家心理を反映している指数と言われています。
株式市場が荒れるほど恐怖指数が上がる傾向があるのですが、この指標を見て株取引のタイミングを見極めている方もいるでしょう。
そこで本記事では、恐怖指数が株式投資でどのように参考にできるか考えていきます。
恐怖指数が高い時は、先行きは不透明でリスクが高い?
株式投資家はリスクを嫌います。リスクが高い投資商品は安くならないと買おうとしませんし、リスクが低い投資商品ならば安全と考えてそれなりの価格でも買います。この考え方を「リスクプレミアム」と言います。
プレミアムというのは「報酬」のことで、リスクプレミアムはリスクを取ることに対する報酬を指します。
経験上、株式投資のリスクプレミアムは年率4~6%が目安です。
例えば、日本の無リスク金利は1%ですが、平均的な株を買う場合は、この金利に4~6%リターンを上乗せすることを求めるわけです。
平均と比べてリスクが低い場合は安全性が高いため、低いプレミアムでも満足します。例えば日用品を扱っている会社の株などは、業績が安定しているのでリスクが低く、そこそこ高い株価でも取引されやすいです。
一方、平均と比べてリスクが高い場合は危険性が高いため、高いプレミアムが求められます。例えば鉄鋼株や海運株は業績が景気に大きく振り回されるため、安い株価でないと取引されない傾向があります。
さて、冒頭でも書いたように、恐怖指数は「株式市場の先行き不透明感」を表しています。
恐怖指数が高い時は、投資家たちが「これから先行きは不透明でリスクが高い、株価が安くないと買いたくない」と考えていると言えます。
一方、恐怖指数が低い時は、投資家たちが「これから先行きは問題なくリスクが低い、株価が高くても買いたい」と考えていると言えます。
投資の神様と呼ばれる米国の投資家ウォーレン・バフェットは「恐怖で買い、熱狂で売る」ことが投資の秘訣(ひけつ)だと語っています。
恐怖指数は投資家たちの「感情の振り子」みたいなもので、「恐怖指数が高い時=安く株を買うチャンス」「恐怖指数が低い時=高く株を売るチャンス」と考えられるでしょう。
あくまで経験則ですが、過去3カ月で見て恐怖指数が高値圏にある時は、よい買い時になりやすいです。
恐怖指数より大事な視点
とはいえ、恐怖指数自体は「先行きの不透明さ」を表しているだけで、景気の見通しが明るいのか、暗いのかといったファンダメンタルズや、株価水準が割安なのか、割高なのかというバリュエーションが反映されていません。恐怖指数はあくまで「市場参加者の感情の振り子」を知るための補助的な指標で、投資判断を行う上で本当に大事なのはファンダメンタルズとバリュエーションです。
よって、恐怖指数の理由は「補助的」なものにとどめておき、基本的にはファンダメンタルズが良好で見通しが明るい株を、バリュエーションが割安なタイミングで買っていれば問題ないでしょう。